金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

06

新聞購読のお申込み

新日本テック 産学連携でネットワーク構築し、金型の課題解決【金型の底力】

超精密金型部品や機能性金型部品、金型製作(プレス・モールド)を手掛ける新日本テックは設備や配管内に溜まった水垢(スケール)を除去する金型用水あか防止洗浄液を開発した。射出成形金型の温調水を流す配管のスケール除去などに有効だ。同社はモノづくりの現場や金型に関連する課題を解決することをテーマに、新製品の開発や産学連携でネットワークを構築し、技術向上や人材育成など新たな可能性を追求している。

新たなデジタルプロファイル研削盤を導入

「これからはモノづくりの課題解決を目指さなければならない時代だ」と和泉康夫社長は語る。1953年にスライドファスナーメーカーとして創業し、ドイツ製プロファイル研削盤を導入するなど超硬合金の精密加工に取り組んできた。現在、平面研削盤など1級国家技能士が13人在籍し、精度2μm保証の超精密金型部品を柱に、独自のPCD(焼結ダイヤモンド)砥石による鏡面研削加工など他社では出来ない加工技術を強化するほか、現場の課題を解決する機能性金型部品(商標登録)の開発に力を入れる。

機能性金型部品とは現場の課題解決を図る製品の総称。代表例が超硬合金に比べ、50倍の長寿命を持つ『ダイヤモンド金型部品』、プレス加工の課題であるかす上がりを防止する『かす上がり防止レーザ加工(特許取得、ものづくり日本大賞受賞)』や射出成形時の糸引きを防ぐ『遮熱ハット(特許取得)』。かす上がり防止レーザ加工は金型ダイの切れ刃にレーザ加工で凹凸を付けることで、通気構や抜きかすを保持する機能を設け、かす上がりの発生率を大幅に軽減。遮熱ハットは成形ノズルと金型のスプルーブッシュとの間に挟みこみ、金型に伝わる熱を低減するなど、ユーザーのメンテナンス工数削減や不良率低減に貢献。和泉社長は「誰もが苦労し、対処療法的に解決していることを根本的な解決に導くのが課題解決型企業」とし、技術提案力を持つことで新規開拓につなげている。

技術向上に励む加工現場

「金型は技術開発の基礎」と和泉社長は説く。「なぜ、金型をやるのか、それは次のモノづくりの課題が見えてくるから」とし、技術開発を行う上で5現主義に基づき考察。「本来あるべき姿を追求する。厳しい公差や焼入れはなぜ必要か、生産性の向上が必要な時代に金型はどうあるべきか」と自問し、ユーザーのユーザーまで視野を広げ、見えないシーズを掘り起こす。その課題が自社技術で難しいなら、他の企業や大学、公設試験研究機関と連携し解決策を模索。2010年には大阪ケイネスを設立し、他の製造業と人材育成や技術開発で連携。「イノベーションとは深掘と探索。連携で知らないニーズや解決案を得ることができる。友達の友達など多様な力を集めれば、持続可能な成長につながる」。

30年間発刊を続ける社内新聞

こうした技術開発や産学連携も社内風土作りがなければ難しい。そこで30年前から社内の情報発信として新聞『TECニュース』を発刊し、会社の歴史や社員ブログ、技術用語集を掲載(WEB公開も)。専門用語が多いため、用語を解説し、誰でも理解できるように工夫。「言葉を分かりやすく、明確にすることは物事を伝える上で重要。新聞はコミュニケーションツールになる。これからも社員全員で挑戦を楽しみ、顧客に喜んでもらえる会社を目指す」。

和泉 康夫社長

会社の自己評価シート

顧客の課題解決につながる製品を開発する同社は「技術力」、「チーム力」、「設備力」などに高い評価。変化の激しい時代の中で、新たな設備投資も計画し、「変化に対応する力」、「未来に投資する力」も高い。次は発信力を高めたいと一手を検討。

会社概要

  • 本社: 大阪市鶴見区浜2-2-81
  • 電話: 06・6911・1183
  • 代表者:和泉康夫社長
  • 創業: 1953年
  • 従業員: 73人
  • 事業内容: 超精密金型部品、機能性金型部品、金型製作、自動機など。

金型新聞 2023年4月10日

関連記事

ササヤマ 笹山勝社長に聞く コア業務に専念できる環境に【特集 攻める設備投資】

自動車のシートや骨格部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは金型の競争力を高めるため、金型づくりのDXとベトナム子会社のデータ製作力の強化に取り組む。デジタル技術で金型づくりを効率化し、ベトナム子会社を同社グループのデー…

昭和精工 木田康隆社長 「社員の幸福を追求し、収益力の向上を目指す」

精密プレス金型メーカーの昭和精工(横浜市金沢区、045・785・1111)の社長に昨年11月29日付で就任。いとこである木田成人前社長から経営を引き継いだ。 入社から15年ほどはほぼ一貫して金型設計を担当していたが、20…

【新春特別インタビュー①】日本金型工業会会長・小出 悟氏(小出製作所社長)「旧態依然の手法通用せず、今こそ変わるべき時」

旧態依然の手法通用せず 今こそ変わるべき時 〜金型産業ビジョン〜  1955年静岡県生まれ。78年に工学院大学機械工学科を卒業後、名古屋の金型メーカー高橋精機工業所に入社し、金型づくりを学ぶ。81年にアルミダイカスト金型…

電動系、車体系部品へ事業拡大【特集:自動車の電動化とダイカスト】

自動車の電動化が金型に及ぼす影響は大きい。エンジンなどの減少が懸念される一方、軽量化ニーズでアルミの採用が期待されるなどダイカスト金型は変化を迫られている。では電動化でダイカストはどう変わっていくのか。昨秋のダイカスト展…

―スペシャリスト―ミルテック<br>精密加工の何でも屋

―スペシャリスト―ミルテック
精密加工の何でも屋

五感使うものづくり 精密打抜き用プレス金型、非球面レンズ金型、二次電池用金型及び部品、三次元形状部品、精密治具―。超精密金型や部品加工のミルテックがこれまで手掛けてきた品目の一部だ。『金と銀以外何でも加工する』と話す渡邉…

トピックス

関連サイト