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サブスク、クラウドで手軽にシミュレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

インターネットなどのネットワークを経由してソフトを提供する「SaaS(サース)」。ファイル共有サービスやビジネスチャットツールなど、さまざまなソフトで普及が進む中、金型設計などで活用するシミュレーションソフトでもクラウドやサブスクリプション(定額課金)で手軽に利用できる製品が増加している。従来のパッケージ型とは異なり、目的に応じた柔軟な使い方が可能となるため、シミュレーションソフトのさらなる利用拡大が期待される。

NTTデータエンジニアリングシステムズ(東京都大田区、03・5711・5300)は2022年11月、クラウドを活用したシミュレーションサービス「Simulation‐Space」の提供を開始した。同社の共通プラットフォーム上で、Hexagonグループ(スウェーデン)が提供するシミュレーションソフトを利用することができる。

提供するソフトは、金属成形加工解析の「Simufact Forming」、熱流体解析の「CradleCFD」、汎用非線形有限要素解析の「Marc」、汎用構造解析の「MSC Nastran」の4つ。月々の基本使用料数万円と、1時間当たり5000円~1万円の従量課金でソフトの利用が可能。同社では従来からのパッケージ型での購入も可能とする。ユーザーは使い方に応じて柔軟に選択することができる。

16年に永久ライセンスからサブスクリプションライセンスに移行したオートデスク(東京都中央区)でも、樹脂流動解析ソフト「Moldflow」の柔軟な使い方を可能にするさまざまなオプションを増やし、利便性を向上させている。以前から提供しているクラウド上で計算を行うオプションに加えて、23年からは24時間ごとの従量課金制や、ローカル/ネットワーク上で1解析当たりの課金で利用できるオプションの提供を開始した。

また、22年からはライセンス契約方法をこれまでのシリアル番号単位から、個々のユーザーに専用アクセス権を割り当てる「シングルユーザーライセンス」に移行。これによって、ユーザーごとにソフトの使用状況が確認でき、使用頻度の少ないユーザーは1解析ごとの利用や従量課金制に切り替えるなど、より最適な運用につなげることができるようになった。

これまでシミュレーションソフトを導入するには、数百万~数千万円の投資が必要となるため、利用したくても高額な初期費用がネックとなるケースが少なくなかった。クラウドやサブスクリプションでのソフトの提供は、導入コストやアップデートにかかる運用管理コストを不要とし、導入へのハードルを大きく下げることができる。

また、インターネット環境があれば、どこでも利用が可能なほか、パソコンの性能に関係なく処理することもできる。これらのメリットによって、シミュレーションソフトを利用する頻度の高くない企業や、一時的に処理能力を上げたい企業、設備環境が整備されていない企業などでも利用しやすくなる。今後、シミュレーションソフトは利用が拡大するとともに、使い方の多様化も進みそうだ。

金型新聞 2023年5月10日

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