金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

22

新聞購読のお申込み

サブスク、クラウドで手軽にシミュレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

インターネットなどのネットワークを経由してソフトを提供する「SaaS(サース)」。ファイル共有サービスやビジネスチャットツールなど、さまざまなソフトで普及が進む中、金型設計などで活用するシミュレーションソフトでもクラウドやサブスクリプション(定額課金)で手軽に利用できる製品が増加している。従来のパッケージ型とは異なり、目的に応じた柔軟な使い方が可能となるため、シミュレーションソフトのさらなる利用拡大が期待される。

NTTデータエンジニアリングシステムズ(東京都大田区、03・5711・5300)は2022年11月、クラウドを活用したシミュレーションサービス「Simulation‐Space」の提供を開始した。同社の共通プラットフォーム上で、Hexagonグループ(スウェーデン)が提供するシミュレーションソフトを利用することができる。

提供するソフトは、金属成形加工解析の「Simufact Forming」、熱流体解析の「CradleCFD」、汎用非線形有限要素解析の「Marc」、汎用構造解析の「MSC Nastran」の4つ。月々の基本使用料数万円と、1時間当たり5000円~1万円の従量課金でソフトの利用が可能。同社では従来からのパッケージ型での購入も可能とする。ユーザーは使い方に応じて柔軟に選択することができる。

16年に永久ライセンスからサブスクリプションライセンスに移行したオートデスク(東京都中央区)でも、樹脂流動解析ソフト「Moldflow」の柔軟な使い方を可能にするさまざまなオプションを増やし、利便性を向上させている。以前から提供しているクラウド上で計算を行うオプションに加えて、23年からは24時間ごとの従量課金制や、ローカル/ネットワーク上で1解析当たりの課金で利用できるオプションの提供を開始した。

また、22年からはライセンス契約方法をこれまでのシリアル番号単位から、個々のユーザーに専用アクセス権を割り当てる「シングルユーザーライセンス」に移行。これによって、ユーザーごとにソフトの使用状況が確認でき、使用頻度の少ないユーザーは1解析ごとの利用や従量課金制に切り替えるなど、より最適な運用につなげることができるようになった。

これまでシミュレーションソフトを導入するには、数百万~数千万円の投資が必要となるため、利用したくても高額な初期費用がネックとなるケースが少なくなかった。クラウドやサブスクリプションでのソフトの提供は、導入コストやアップデートにかかる運用管理コストを不要とし、導入へのハードルを大きく下げることができる。

また、インターネット環境があれば、どこでも利用が可能なほか、パソコンの性能に関係なく処理することもできる。これらのメリットによって、シミュレーションソフトを利用する頻度の高くない企業や、一時的に処理能力を上げたい企業、設備環境が整備されていない企業などでも利用しやすくなる。今後、シミュレーションソフトは利用が拡大するとともに、使い方の多様化も進みそうだ。

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】3.デジタル

管理、調達を効率化 近年の金型工場では人手不足が深刻化しており、デジタル技術の導入による製造工程や管理工程などの効率化に向けた取り組みが加速している。多くの企業がセンシング技術を活用した見える化をはじめ、ITツール導入に…

金型メーカー、自動車メーカーが図面データ標準化に向け語り合う【特集:図面データの標準化へ】

型技術者会議2025特別セッション1 で講演 金型のサプライチェーンには3次元や2次元、紙など様々な形式の図面が行き交っている。それが金型設計の時間、コスト、人材育成の手間がかかる原因になっている。サプライチェーン全体で…

松井製作所 皮革と樹脂をコンパウンドした新素材の販売を開始

松井製作所(大阪市中央区、06・6942・9555)はこのほど、皮革と樹脂をコンパウドした新素材の販売を開始した。射出成形で本革同様の質感が再現可能で、単なる材料販売にとどまらず、成形技術のサポートを含めた包括的なソリュ…

エムディー精密 「高精度」「精密加工」を追求し、さらなる高難度加工に挑む

車載用コネクタやモータコアなどのプレス加工品の金型から試作、量産までを手掛けるエムディー精密(茨城県高萩市、0293-23-8255)。創業以来、「高精度」「精密加工」を追求し、加工技術力を高めてきた。2018年からは積…

JIMTOF総集編 PART3:自動化
人口減少時代に備える

金型業界含め国内製造業は慢性的な人手不足を抱え、加工や測定工程で自動化を図ることが大きな課題となっている。そのため、これまで複数の機械で加工していた加工工程を1台の機械に集約し、段取り工程の削減や短縮、さらに、工程間の搬…

トピックス

関連サイト