機上計測で戻りない加工 自動車のエアコンの吹き出し口の「レジスター」や、ミリ波レーダーを透過できるエンブレムなどのプラスチック金型を手掛ける谷ダイ・モールド。2023年に機械加工専用の第2工場を稼働させた。狙いは「工場が…
サブスク、クラウドで手軽にシミュレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】
インターネットなどのネットワークを経由してソフトを提供する「SaaS(サース)」。ファイル共有サービスやビジネスチャットツールなど、さまざまなソフトで普及が進む中、金型設計などで活用するシミュレーションソフトでもクラウドやサブスクリプション(定額課金)で手軽に利用できる製品が増加している。従来のパッケージ型とは異なり、目的に応じた柔軟な使い方が可能となるため、シミュレーションソフトのさらなる利用拡大が期待される。

NTTデータエンジニアリングシステムズ(東京都大田区、03・5711・5300)は2022年11月、クラウドを活用したシミュレーションサービス「Simulation‐Space」の提供を開始した。同社の共通プラットフォーム上で、Hexagonグループ(スウェーデン)が提供するシミュレーションソフトを利用することができる。
提供するソフトは、金属成形加工解析の「Simufact Forming」、熱流体解析の「CradleCFD」、汎用非線形有限要素解析の「Marc」、汎用構造解析の「MSC Nastran」の4つ。月々の基本使用料数万円と、1時間当たり5000円~1万円の従量課金でソフトの利用が可能。同社では従来からのパッケージ型での購入も可能とする。ユーザーは使い方に応じて柔軟に選択することができる。
16年に永久ライセンスからサブスクリプションライセンスに移行したオートデスク(東京都中央区)でも、樹脂流動解析ソフト「Moldflow」の柔軟な使い方を可能にするさまざまなオプションを増やし、利便性を向上させている。以前から提供しているクラウド上で計算を行うオプションに加えて、23年からは24時間ごとの従量課金制や、ローカル/ネットワーク上で1解析当たりの課金で利用できるオプションの提供を開始した。
また、22年からはライセンス契約方法をこれまでのシリアル番号単位から、個々のユーザーに専用アクセス権を割り当てる「シングルユーザーライセンス」に移行。これによって、ユーザーごとにソフトの使用状況が確認でき、使用頻度の少ないユーザーは1解析ごとの利用や従量課金制に切り替えるなど、より最適な運用につなげることができるようになった。
これまでシミュレーションソフトを導入するには、数百万~数千万円の投資が必要となるため、利用したくても高額な初期費用がネックとなるケースが少なくなかった。クラウドやサブスクリプションでのソフトの提供は、導入コストやアップデートにかかる運用管理コストを不要とし、導入へのハードルを大きく下げることができる。
また、インターネット環境があれば、どこでも利用が可能なほか、パソコンの性能に関係なく処理することもできる。これらのメリットによって、シミュレーションソフトを利用する頻度の高くない企業や、一時的に処理能力を上げたい企業、設備環境が整備されていない企業などでも利用しやすくなる。今後、シミュレーションソフトは利用が拡大するとともに、使い方の多様化も進みそうだ。
金型新聞 2023年5月10日
関連記事
EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…
新分野の開拓に挑む金型メーカーを取材した。各社、これまで金型で培ってきた技術を生かし、既存の顧客分野から新しい分野に進出したり、自社で独自商品を開発し、製品メーカーに転身を図ろうとしたり、その挑戦は様々だった。 その中で…
大型機組立工場新設の理由 牧野フライス製作所は昨年末、山梨県富士吉田市に大型加工機の組み立て工場を新設すると発表した。12年ぶりの新工場で、総額210億円を投資し、大型加工向けを強化する。2026年初めに本格稼働する予定…
レーザー溶接・金型補修機器メーカーのテラスレーザー(静岡市駿河区、054-270-7798)はこのほど、光産業創成大学院大学(浜松市西区)主催の光技術を使った事業計画を競うビジネスコンテスト「フォトニクスチャレンジ202…


