金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

23

新聞購読のお申込み

関連異業種5社で連携し、ダイカスト金型部品を金属3Dで造形

5社が連携して製作した金型

ダイカストメ—カーのエーケーダイカスト工業所(埼玉県比企郡)、樹脂型メーカーのエービー(川崎市高津区)ら5社が連携し、ダイカスト金型向けの入れ子や部品を製作した。3Dプリンタによる冷却水管の造形だけでなく、離型剤を通すための機構部品を製作するなど、複数の機能を盛り込んだ金型を製作。成形面の安定や生産性の向上につながったという。今後も各社の強みを持ち寄り、金属3Dプリンタによる入れ子や部品への適用領域の拡大を図る。

協業したの2社のほか、離型剤メーカーの日米(埼玉県八潮市)、金型部品メーカーのチャンオンコーポレーション(大阪府東大阪市)、金属3Dプリンタ関連のコンサルティングを手掛ける内野々良幸氏の3社。

5社の知見を活かし、2か所に金属3Dプリンタによる部品を採用した金型を製作(写真)。一つは冷却ダイスリーブ。切削加工したSKD61のベースに大同特殊鋼のSKD61粉末材「HTC」で造形した。従来は冷却効果が得られずアルミの溶着が発生していたが、改善したという。

もう一つは、離型剤を金型内部から塗布するための部品。こちらも大同特殊鋼のSKD61粉末材「LTX」で造形した。外部からの塗布だと離型剤が届かない箇所が発生していたが、金型内部から離型剤を吐出できるようにしたことで、冷却と離型性を高めた。

こうした結果「これまでの部品で課題だったガジリがなくなり、不良率は下がった。価格面は検証が必要だが、ダイカスターの立場から見れば利点が十分に吸収できている」(エーケーダイカスト工業所の河田潤次長)。

今回の取り組みが特徴的なのは異業種5社が知見を持ち寄ったこと。部品や入れ子はプリンタの造形を手掛けるエービーが担当。松浦機械製作所のプリンタ「LUMEX」を使って造形した。造形に関する知見などは内野々氏が提供した。

成形や全体のとりまとめはエーケーダイカストと担当。離型剤の吐出方法やそれに関する構造は日米がカバーした。チャンピオンコーポレーションがニーズの収集と造形後の加工を担当した。

今後は金属3Dプリンタで造形した冷却ダイスリーブなどの標準部品はチャンピオンコーポレーションが販売するほか、5社共同で適用領域の拡大を図る。コーディネートした内野々氏は「3Dプリンタによる金型を広げるためには、成形を熟知したメーカーを中心とした体制を構築することが重要」としている。

金型新聞 2023年8月10日

関連記事

七宝金型工業 焼き嵌め工具の自動交換装置を開発

人的ミス、作業時間を削減 ダイカスト金型メーカーの七宝金型工業(愛知県津島市、0567-24-8787)は工作機械や研削機の設計製造を手掛けるサンテック(滋賀県草津市)と共同で、焼き嵌めホルダと切削工具の着脱を自動化する…

J-MAX 新工場建設や船活用でCO2削減【特集:カーボンニュートラルに向けたはじめの一歩】

自動車の大型プレス用金型及び部品を製造するJ‐MAX。特に、ハイテン材・超ハイテン材用の金型で高い技術を有し強みを発揮している。「2030年度までに、CO2排出量を2013年度比半減、50年度にはカーボンニュートラル実現…

冨士ダイス 2021年4‐12月期連結決算

半導体の需要拡大受け超硬金型が好調 冨士ダイスの2021年4‐12月期連結決算は、売上高が125億5400万円(前年同期比22.7%増)、当期純利益が8億1900万円(前年同期比244.9%増)と増収増益となった。 超硬…

田部井製作所 CAE活用し、金型改修を削減【特集:尖った技術を使いこなせ】

要求精度と短納期に対応 自動車のインナー部品(ドアインナー、フロアなど全般)向けプレス金型などを手掛ける田部井製作所はシミュレーションソフトを活用し、パネル精度の向上と金型改修回数の削減に取り組んでいる。顧客からの高まる…

ミスミとパンチ資本提携

相互供給や海外開拓で協業 ミスミグループ本社(ミスミG)とパンチ工業は10月7日、資本業務提携したと発表した。ミスミGがパンチ工業の第三者割当を引き受けるなど相互に株式を持ち合う。両社の強みを生かし、国内で商品を相互供給…

トピックス

関連サイト