金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

04

新聞購読のお申込み

J-MAX 新工場建設や船活用でCO2削減【特集:カーボンニュートラルに向けたはじめの一歩】

自動車の大型プレス用金型及び部品を製造するJ‐MAX。特に、ハイテン材・超ハイテン材用の金型で高い技術を有し強みを発揮している。「2030年度までに、CO2排出量を2013年度比半減、50年度にはカーボンニュートラル実現」を目指し、様々な角度から取り組んでいる。

加工時間短縮、再生可能エネ活用も

まず、モーダルシフト。客先までのトラック輸送の見直しだ。建設中の岡山新工場は、2025年9月から稼働開始を予定しており、大垣から客先までの10tトラック輸送6~7往復を無くすことができる。これによりCO2排出量は1/10程度に削減できる。4年前に立ち上げた鈴鹿工場も同様の効果が確認されており、客先への納期短縮、輸送コスト削減にもつながる。そのほか、フェリー(船)の活用や、トラックを往復で活用することにより輸送効率の向上を図っている。

また、スケジュールコントロールが難しい面はあるが、機械の連続加工を週末に行うことで電力負荷が低い時間帯で制作する。金型の共用部を他の金型に流用すること(MONAKA構造の採用)も進めている。刃具の再研磨により寿命を延長すると共に、廃切削工具のリサイクル率は90%に達する。シミュレーション技術の活用も早くから取り組んできた。机上で問題点を洗い出し、未然防止することで製作時の環境負荷を低減すると共に、生産効率の向上を実現している。目指しているのは、1トライ合格であり、それが実現すると1型当たり200時間程度加工時間短縮できるという。

上石津工場太陽光パネル

再生可能エネルギーの活用にも積極的だ。

本社工場に太陽光パネル440kWを21年に導入。今年、470kWを追加し、合計で本社工場の消費電力の18%を賄っている。さらに、風力発電機400Wを試験導入し、照明に使用している。25年稼働する岡山工場にも太陽光パネル300kWを設置する計画で、岡山工場の消費電力の15%を賄う計画だ。近くを流れる川を利用した水力発電も検討中だ。

その他、照明の自動化やコンプレッサ圧の最適化、エアコンの自動制御や室外機への遮熱シート貼付などに取り組んでいる。

風力発電機を試験導入

今後は、生産管理システムを活用して部品毎のCO2排出量の見える化や、不稼働時間の短縮による能率向上、設備毎の電力使用量の見える化等に取り組み、ムダな電力消費を削減していく。

「電気代が高騰しており、電力消費の削減はコスト上も大きな効果がある。イニシャルコストはかかっても、長期的にはコストダウンにつながる。社会課題の解決に貢献しながら当社の存在意義を追求する」と齋藤社長。

齊藤浩社長

会社概要

  • 本社:岐阜県大垣市上石津町乙坂130‐1
  • 電話:0584・46・3191
  • 代表者:齊藤浩社長
  • 創業:1952年
  • 拠点:国内6拠点、タイ、中国(広州市・武漢市、福州市)、インド(出資会社)
  • 従業員:連結1811人
  • 事業内容:自動車用車体プレス部品、自動車用精密・電動化プレス部品、金型・治具・検具の設計・製作。

金型新聞 2023年9月10日

関連記事

【ひと】住友電工焼結合金金型開発室長 ・栢野正治さん 技能検定への功労が瑞宝単光章に

技能検定に挑む技術者の目は普段のそれと輝きが異なるという。レベルの違う課題に出会い、技術の海の広さと、自らを知る。「受検者のそうした『成長』の一端に携われることが嬉しい」。 岡山県の技能検定委員として機械加工や放電加工を…

日本特殊光学樹脂 高精度・高品質の樹脂レンズ【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

支える3つのコア技術、大型機導入、 新分野の提案も フレネルレンズをはじめとする特殊なプラスチックレンズの金型製造から成形までを手掛ける日本特殊光学樹脂。同社は分解能10ピコメートル(1000億分の1メートル)の加工機を…

デンソー 放電加工の自動化システム開発 電極設計から加工まで一気通貫

デンソーは、形彫り放電加工の自動化システム「Master ED」を開発し、電極設計から加工までの一気通貫を実現。同システム導入後、放電加工に関わる時間が大幅に短縮された。また、段取りや加工を標準化し、個人のスキルに依存す…

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第二部ー

技術と経営 両輪が必要 理念貫き外需開始 金型メーカー座談会 若手経営者が語るー業界の魅力高めるためには 第一部ー 新春座談会・第二部は「海外展開」、「金型経営に必要な要素」がテーマ。「外需を取り込む」「内需に絞る」と各…

武林製作所の千田氏が「八尾ものづくり達人」

加工効率高める金型を設計 歯ブラシのプラスチック金型を手掛ける武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)の金型設計技術者・千田雄一さんが、2023年の「八尾ものづくり達人」に選ばれた。金型の加工効率や品質を高め…

トピックス

関連サイト