日本金型工業会の会長など歴任 日本金型工業会や国際金型協会(ISTMA)、アジア金型工業会協議会(FADMA)の会長などを務め、日本のみならず世界の金型産業の発展に貢献し続けた黒田彰一氏(黒田精工最高顧問)が9月30日…
ギガでアルミのニーズ高まる 木村鋳造所 木村崇専務インタビュー
薄肉の低圧鋳造技術を強みとするドイツのグルネバルド社と提携し、砂型鋳造で、アルミの試作部品を手掛ける木村鋳造所。同社の木村崇専務は「アルミの大型試作部品は急増している」と話す。試作はいずれ量産に移行するため、金型の動向を左右する。ギガキャストでアルミ部品の大型化が進む中、自動車のアルミ化は進むのか。木村専務に現在の取り組みやグルネバルド社との提携について聞いた。
大型アルミ部品の試作増える

1997年4月木村鋳造所入社。2005年2月取締役。18年2月専務取締役営業統括。
技術提携しているグルネバルド社とは。
2㎜レベルの薄肉の精密な低圧鋳造技術と大型の機械加工が強みで、売上高は約30億円。20年以上前から、アウディなどに低圧鋳造で製作した大型のアルミの試作部品を納めている。フロントメンバや、サスタワー、リアサイドなど、2m角、高さ1・2m程度のアルミ試作部品の実績がある。
同社の技術は鋳造ながら、アルミダイカストと同等の機械特性が得られるのが特長。試作品で量産品と同等の試験をしたい自動車メーカーから評価が高い。
技術提携の流れは。
2020年に日本、中国、韓国の自動車メーカーに同社の部品を独占的に販売する契約を交わした。アジアのネットワークが弱い同社と試作ビジネスを強化したい当社の狙いが合致した。
アルミの試作部品のニーズは増えているか。
3年前は、エンジン関連の試作くらいで、引き合いはほとんどなかった。しかし、最近は自動車メーカーから、イーアクスル関連の試作や、ボディ、シャーシ、バッテリケースなど、アルミの構造体の試作部品の要求が急増している。
量産への参入は。
試作メーカーの立ち位置を変えるつもりはない。国内に多くのダイカスターがいるし、何より量産で、しかもギガキャストなどの大型化となると設備負担が大きすぎる。アルミの試作部品を通じて、自動車メーカーの技術革新のお手伝いをするのが当社の役目だ。
トヨタ自動車がギガキャストに参入するなど、アルミ部品の大型化が注目を集めている。
超大型のギガで一体成形するか、ダイカストマシンで4000tクラスの金型を組み合わせて大型化に対応するのか。自動車メーカーが判断することで、我々が関与することではない。
ただ、個人的に感じるのは、欧州の自動車メーカーは4000tクラスの金型で造形した部品を組み合わせる傾向にあるように思う。一方、北米や中国は1万トンクラスのギガにシフトしようとしている。ただ、ギガは投資コストがかさむのが、投資回収が大きな課題だと思う。
今後の取り組みは。
グルネバルド社との連携を深め、鋳造品の販売だけにとどまらず、数年内に日本での大型の試作部品を鋳造できるようにする計画だ。試作を通じ、自動車メーカーの開発を支援していきたい。
金型新聞 2023年10月10日
関連記事
限界を作りたくない生産工程を見える化 「様々な顧客ニーズに応えられる会社にしたい」と話すのは、山善金型の山下和也社長。同社は精密なプラスチック金型を武器に、日用品から自動車部品、医療機器など幅広い顧客を獲得。モットーは『…
生産性高める技術提案 シナジー生むプロ集団に 昨年10月、兄の憲一会長から経営のバトンを受け継いだ。歯車などの精密冷間鍛造金型を手掛けるアカマツフォーシスが取り引きするのは、自動車部品などのメーカー。「金型を通じて顧客…
今年4月、切削工具メーカーのMOLDINO(モルディノ)の社長に就任した金子善昭氏。親会社の三菱マテリアルで国内の営業企画や米国のマーケティング担当を務めた他、戦略部長や営業本部長を歴任した。金型加工に適した工具を多くそ…
若者の興味を引け 金型はものづくりの喜びがある広く知られる業界へ 若手を育てることは、金型メーカーにとって技術の伝承はもちろん、業界の活性化という点でも大切なことです。量産のものづくりがある限り、マザーツールである金型…


