営業力強化し、海外市場開拓 日本国内の市場が縮小傾向にあり、受注を待っているだけでは、金型メーカーは厳しい状況が続きます。現状を打破するためには、金型メーカーが自立して仕事を受注し、市場拡大を自ら成し遂げるのが理想です。…
サンワ金型 量試一貫のサポート体制構築【金型の底力】
シェアリングで新たなモノづくりを
プレス金型やプラスチック金型などを手掛けるサンワ金型は同じく安城市内に新工場を建設し、11月に稼働する予定だ。同社はプレスやプラスチック金型で培った高硬度材加工や3次元形状加工を強みに、コアプレートなどラジエーター部品やクーリングファン、水冷コンデンサなど自動車部品の金型を製作。今後は新工場を中心に需要増加が見込めるEV部品や未来を見据えたシェアリングファクトリー構想を掲げ、新たなモノづくりへの挑戦を始める。
「試作品作りから量産用金型まで量試一貫のサポート体制が当社の強み」と話すのは鈴木大輔社長。モノづくりの業界では試作品作りと量産用金型を分けて製作依頼することが一般的で、試作品と量産品で差異が出るなど再調整が必要な場合もある。

そこで試作品開発から量産用金型製作、トライ(立ち上げ)まで一気通貫のサポート体制を整え、試作時に課題を解決し、そのノウハウを量産型の製作に活かすことで金型の短納期化を実現。「これをクリエイティブサポート事業と呼ぶ。昨今は当社トライ機を用いた少ロットの生産依頼も多く、ライン立ち上げ前の生産サポートを行い、不具合の発見など量産前の課題解決に結びついている」。
さらに、トライ設備(プレス機:300t・80t・60t)を活用したエンジニアリングラボを開設。『顧客や仕入先と一緒にモノづくりをする』を念頭に、顧客の要望をその場でヒアリングし、異なる部品での試し打ちや他社製金型のトライ、金型のチューニングなど素早くニーズに対応する。「最終トライ前まで当社設備を活用してもらうことで細かなニーズに対応しやすい」と鈴木社長。また、メンテナンス事業や社内外ネットワークを活用した部品供給事業(オンラインサービス)も立ち上げ、製品試作、金型製作、メンテナンス、部品供給と多様化を図る。

11月に稼働する新工場(第1期)では需要が高まるEV部品を想定。セミナールームや優雅な休憩室・トイレ設備を設け、工場内は温度管理の行き届いた空間で、安田工業製マシニングセンタYBM950VやYMC650など高精度マシンを新設。従来、5~10μmだった加工精度を2~5μmまで高め、センサやモータなど高精度な金型加工に対応。「部品供給できる工場が2ラインになり金型レベルを高める」と語る鈴木社長は新工場にその先の未来も描く。

それが『シェアリングファクトリー構想』だ。顧客や仕入先、地域の協力企業など様々な企業が集まり、新しいモノづくり、技術開発を行うオープンイノベーションの拠点となる工場を目指す。工場内に部屋を用意し、設備をシェアしながら開発できる環境を整える。「イメージはファウンドリ工場。金型メーカーは設計や製作に長けているが、企画や販売は不得手。様々な企業と連携し、モノづくりの技術で貢献したい」と鈴木社長。世界中でEV車を含む新しいモノの開発が進んでおり、誰もが企画やアイデアをカタチにできる場所を作る。今後、5年以内に第2期、第3期の工場拡張を予定し、新たなモノづくりを加速させる。鈴木社長は「1社でモノづくりを完結させるのは困難。私自身、様々な人の教えを通じて今がある。これを恩と捉えているが、シェアリング構想は恩返しではなく、『恩送り』として地域のモノづくりの活性化につなげたい」。

会社の自己評価シート

会社概要
- 本社: 愛知県安城市和泉町大海古6-17
- 電話: 0566・92・6150
- 代表者: 鈴木大輔社長
- 創立: 1970年
- 従業員: 43人
- 事業内容: 量産精密プレス金型・量産モールド金型及び試作金型の設計製作、試作プレス製品製作。
金型新聞 2023年10月10日
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