金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

13

新聞購読のお申込み

サンワ金型 量試一貫のサポート体制構築【金型の底力】

シェアリングで新たなモノづくりを

プレス金型やプラスチック金型などを手掛けるサンワ金型は同じく安城市内に新工場を建設し、11月に稼働する予定だ。同社はプレスやプラスチック金型で培った高硬度材加工や3次元形状加工を強みに、コアプレートなどラジエーター部品やクーリングファン、水冷コンデンサなど自動車部品の金型を製作。今後は新工場を中心に需要増加が見込めるEV部品や未来を見据えたシェアリングファクトリー構想を掲げ、新たなモノづくりへの挑戦を始める。

「試作品作りから量産用金型まで量試一貫のサポート体制が当社の強み」と話すのは鈴木大輔社長。モノづくりの業界では試作品作りと量産用金型を分けて製作依頼することが一般的で、試作品と量産品で差異が出るなど再調整が必要な場合もある。

主力とするコアプレート・エンドプレート

そこで試作品開発から量産用金型製作、トライ(立ち上げ)まで一気通貫のサポート体制を整え、試作時に課題を解決し、そのノウハウを量産型の製作に活かすことで金型の短納期化を実現。「これをクリエイティブサポート事業と呼ぶ。昨今は当社トライ機を用いた少ロットの生産依頼も多く、ライン立ち上げ前の生産サポートを行い、不具合の発見など量産前の課題解決に結びついている」。

さらに、トライ設備(プレス機:300t・80t・60t)を活用したエンジニアリングラボを開設。『顧客や仕入先と一緒にモノづくりをする』を念頭に、顧客の要望をその場でヒアリングし、異なる部品での試し打ちや他社製金型のトライ、金型のチューニングなど素早くニーズに対応する。「最終トライ前まで当社設備を活用してもらうことで細かなニーズに対応しやすい」と鈴木社長。また、メンテナンス事業や社内外ネットワークを活用した部品供給事業(オンラインサービス)も立ち上げ、製品試作、金型製作、メンテナンス、部品供給と多様化を図る。

今年11月に稼働予定の新工場

11月に稼働する新工場(第1期)では需要が高まるEV部品を想定。セミナールームや優雅な休憩室・トイレ設備を設け、工場内は温度管理の行き届いた空間で、安田工業製マシニングセンタYBM950VやYMC650など高精度マシンを新設。従来、5~10μmだった加工精度を2~5μmまで高め、センサやモータなど高精度な金型加工に対応。「部品供給できる工場が2ラインになり金型レベルを高める」と語る鈴木社長は新工場にその先の未来も描く。

高精度な加工を実現するマシニングセンタ

それが『シェアリングファクトリー構想』だ。顧客や仕入先、地域の協力企業など様々な企業が集まり、新しいモノづくり、技術開発を行うオープンイノベーションの拠点となる工場を目指す。工場内に部屋を用意し、設備をシェアしながら開発できる環境を整える。「イメージはファウンドリ工場。金型メーカーは設計や製作に長けているが、企画や販売は不得手。様々な企業と連携し、モノづくりの技術で貢献したい」と鈴木社長。世界中でEV車を含む新しいモノの開発が進んでおり、誰もが企画やアイデアをカタチにできる場所を作る。今後、5年以内に第2期、第3期の工場拡張を予定し、新たなモノづくりを加速させる。鈴木社長は「1社でモノづくりを完結させるのは困難。私自身、様々な人の教えを通じて今がある。これを恩と捉えているが、シェアリング構想は恩返しではなく、『恩送り』として地域のモノづくりの活性化につなげたい」。

鈴木 大輔社長

会社の自己評価シート

 「技術力」「設備力」「チャレンジ精神」に高評価。新工場も完成し、「変化に対応する力」に最高得点。新たな設備で技術開発や「人材力」「チーム力」「営業力」を用いて、未来に向けた投資を進めている。課題に挙げた「PR・発信力」の強化に期待。

会社概要

  • 本社: 愛知県安城市和泉町大海古6-17
  • 電話: 0566・92・6150
  • 代表者: 鈴木大輔社長
  • 創立: 1970年
  • 従業員: 43人
  • 事業内容: 量産精密プレス金型・量産モールド金型及び試作金型の設計製作、試作プレス製品製作。

金型新聞 2023年10月10日

 

関連記事

【人事】三井ハイテック

三井ハイテック  3月1日付(敬称略・カッコ内旧職) ▽リードフレーム事業本部技術統轄部生産技術部長(リードフレーム事業本部技術統轄部要素技術部長)久保公彦▽リードフレーム事業本部技術統轄部装置技術部長(リードフレーム事…

金型補修の技術伝承を支援 岩倉義典氏(岩倉溶接工業所社長)【この人に聞く】

ステンレスを主体にアルミ、チタンなどの金属の溶接加工を手掛ける岩倉溶接工業所(静岡県島田市、0547・37・4585)は今年8月から、金型溶接の受託加工事業と金型溶接・仕上げの技術支援事業を開始した。金型補修における人手…

ルアーのプラスチックモデル作った金型メーカー社長【ひと】

マツキ 社長 鈴木 崇嗣さん(41) 昨年、初の自社商品としてルアーのプラスチックモデル「ルアープラモ」を発売した。クラウドファンディングサイトで目標金額の500%超を達成し、現在は全国のホビーショップや釣具店などで販売…

ボディ部品向け金型開拓へ 進恵技研が新工場設立で挑むこと[金型の底力]

自動車部品向けプレス金型メーカーの進恵技研は今年4月、本社工場に隣接する西工場に新棟を設立し、第7工場として稼働を開始した。門形マシニングセンタ(MC)5台や、40tクレーンなどを設備し、より大物加工に対応できる体制を構…

ワールド工業 西岡正幸社長に聞く 宇宙で使う金型開発

月の砂で月面基地部品 医療や自動車などのプラスチック金型を手掛けるワールド工業が、宇宙で用いる金型の開発に取り組んでいる。いま開発しているのが月の砂で月面基地の部材を成形できる金型。先駆けて開発し宇宙産業の市場開拓を考え…

トピックス

関連サイト