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国内事業を再整備 森久保哲司氏(パンチ工業 社長)【この人に聞く】
パンチ工業(東京都品川区、03・6893・8007)は今年、2025年3月期までの中期経営計画を発表し、最重点施策として「国内事業の再整備」を掲げた。販売拠点の統廃合や、連結子会社の解散などによる経営合理化を図り、特注品やFA事業の強化に取り組む。森久保哲司社長に狙いや、今後の展開などを聞いた。

1977年生まれ、東京都出身。2002年明治大学政治経済学部卒業後、03年パンチ工業入社、15年パンチ・インダストリー・マレーシア代表取締役、18年パンチ工業取締役、19年副社長、同年社長に就任、現在に至る。
特注品とFA事業に注力
国内事業を再整備する狙いは。
リーマン・ショック以降、国内事業は採算が取れていない状態が続いていた。この要因は採算性の低いカタログ品の生産を国内工場で抱えていたこと。現在遂行している国内事業の再整備は国内工場で付加価値の高い特注品に注力することがテーマだ。一方、カタログ品はベトナムや中国に生産移管する。強調したいのは、国内事業を縮小するのではなく、既存分野に加えて、高付加価値分野の需要も取り込んでいくための施策ということだ。
特注品の市場性は。
まだ伸びると考えている。今後、労働人口が減っていく中で、お客様も従来のように内製するのが難しくなるはず。当社であれば、数量問わず柔軟に対応できる。工場の負荷が高いとき、協力工場の一つとして使ってもらいたい。また、特注品はお客様によって仕様や要件が異なるため、すり合わせが重要となる。テストや打ち合わせを繰り返し、安心して切り替えてもらえるような営業活動を展開している。
海外工場への生産移管はどのように進めるか。
まずはベトナム工場で、パンチやダイなどのプレス部品の「カタログ品」(3日目発送)の生産品目を拡大する。来年度中までに予定している追加品目の移管を完了させる予定だ。その後、プラスチック金型部品に広げていく。一方、中国・大連工場には納期の長い製品を移管する。ただ、中国は地政学的リスクが高まっており、注視する必要がある。今後、中国からの生産移管も検討していくつもりだ。
FA事業は。
大きく育てていきたい。昨年子会社化したFA機器の設計、製造を手掛けるASCe(札幌市白石区)とともに事業を強化する。25年3月期までに売上高32億円を目指す。
今後の海外展開は。
インド市場の開拓を進める。当社は10年から進出しているが、金型は輸入が多く、販売できるのはメンテナンス部品ぐらいだった。ただ、ここ数年で徐々に金型生産量が増えており、30年には金型部品市場は倍増する見込みだという。事業拡大に向けて、協力工場の開拓や、販売製品の見直しなどに取り組む。
目指す姿は。
労働人口の減少や労働時間の短縮などによる人手不足は、今後ますます深刻化する。当社としては特注品とFA事業に注力し、金型を始めとした日本のものづくりに貢献していきたい。
金型新聞 2023年11月10日
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