金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

29

新聞購読のお申込み

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】5.デジタル技術

シミュレーション、AIで効率化

デジタル変革(DX)の実現は近年の金型製造現場における最大の関心事の一つ。労働人口が減少する中で生産性を向上させるためには、人工知能(AI)やシミュレーションなどのデジタル技術を活用することが不可欠になっている。金型メーカーが利用できる製品やサービスも多く登場している。

その一つがシミュレーション。すでに多くの金型製造現場で利用されている技術だが、精度向上や機能強化によって、これまで以上にさまざまな課題を解決できるようになっている。また、サブスクリプション(定額課金)で手軽に利用できる製品も増加。幅広い企業で導入しやすい環境になりつつある。

シミュレーションソフトは精度向上、機能強化が進んでいる

AIを活用した製品も増えている。加工機に実装し、これまで熟練作業者にしかできなかった加工条件の設定や加工プログラムの作成などを自動化できる製品の他、機械や工具の異常検知といった熟練作業者でも難しい不具合を検出することができる機能なども登場している。また、工場のIoT化によって収集した生産現場のデータを活用し、生産性の向上につなげる提案も目立つ。

AIを搭載し、自動で最適な加工制御を可能にする

こうしたデジタル技術活用は、部品調達でも適用される。その一つがオンライン部品調達サービス。部品の3Dデータをアップロードすることで、即座に価格や納期が表示され、これまで多くの時間を要していた調達を効率化できる。板金や切削加工だけでなく、金属3Dプリンタで造形した部品に対応するサービスも登場している。

デジタル技術の進化は日進月歩。金型製造現場でも今後さらなる活用が進むはずだ。

金型新聞 2023年12月10日

関連記事

藤木孝弘専務に聞く 新中期計画のもう一つの目的 【ササヤマ challenge!Next50

「SAIMS247」の推進役、藤木孝弘専務はその目的の一つに「次の50年を担う人材の育成」があるという。自らの体験を振り返りつつ、思いを語ってもらった。 金型の魅力をもっと社員に知って欲しい SAIMS247のもう一つの…

スコープ3の対応進む【特集:カーボンニュートラルに向けたはじめの一歩】

2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル(CN)」の実現を目指す動きが加速している。欧州の規制強化などに伴い、サプライチェーン(供給網)全体でのCO2排出量を示す「スコープ3」への対応を進める…

新需要獲得に向け技術開発強化【特集:プレス加工の未来】

日本でのプレス加工の歴史が始まって約150年。日本の製造業の発展とともに、プレス加工は進化を続けてきた。近年では最大の需要先である自動車産業でEVシフトが活発化していることから、新しい需要獲得に向けた開発や事業に取り組む…

金型メーカー座談会
経営者5人が語る、どうなる2015年 最終回

金型産業 発展へ 日本金型工業会 5つの施策   出席者   エムエス製作所社長 迫田 幸博氏 小出製作所社長 小出 悟氏 長津製作所会長 牧野 俊清氏 日進精機相談役 加藤 忠郎氏 野田金型社長 堀口 展男氏 2月号で…

サブスク、クラウドで手軽にシミュレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

インターネットなどのネットワークを経由してソフトを提供する「SaaS(サース)」。ファイル共有サービスやビジネスチャットツールなど、さまざまなソフトで普及が進む中、金型設計などで活用するシミュレーションソフトでもクラウド…

トピックス

関連サイト