金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

19

新聞購読のお申込み

ツバメックス 多田羅晋由社長インタビュー【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

昨今、顧客の課題解決につながるソリューションやサービスなどを提供する金型メーカーが増えている。なぜ、従来の金型づくりだけでなく、自社が保有する技術を生かしたソリューションや、AI・IoTを活用したサービスなどを提供するのか。金型メーカーでありながら、製造現場のデジタル変革(DX)を支援する事業を展開し、コト売り戦略に取り組むツバメックス(新潟市西蒲区)の多田羅晋由社長に聞いた。

ツバメックス社長 多田羅晋由(たたら・くによし)氏
1959年生まれ、大阪府出身。82年サンスター技研に入社、2005年同社代表取締役、19年2月ツバメックス代表取締役に就任し、現在に至る。サンスターグループでは数件のM&Aを手掛けた。また、オランダでMBA(経営学修士)を取得した他、シンガポールやスイスに駐在するなど豊富な海外経験も持つ。

収益構造多角化し、変化に対応

コト売りに取り組む理由、意義とは。

今後、モノ売りだけで付加価値を最大化したり、人生産性を高めて生産高を増やしたりするのは限界がある。従来のモノ売りによる収益力に頼るだけでなく、コト売りによって収益構造を多角化し、変化への対応力を強化することが必要になっている。

当社でも今後はモノではなく、進化を感動とともにお客様に提供していくことを考えている。お客様が早く簡単に片付けたいと思っている仕事を無くすことに貢献することがコト売りの意義だと思う。

貴社がDX支援事業に取り組み始めた経緯は。

当社の主力事業は自動車部品用プレス金型の製造販売とプレス加工および樹脂成形の量産加工ビジネスの2本柱。40年前から金型づくりの業務を見える化、標準化し、プロセスをデジタル化するシステムを社内で構築し運用してきた。このシステムを外販し、製造現場の課題解決につながるソリューションを提供するビジネスを3本目の事業の柱にしたいと考えた。

セミナーでは座学や工場見学の他、参加者からの相談に対して具体的なソリューションを提案する。

現状は。

当社が運用しているシステムの機能を抜き出して販売している。人や設備の稼働状況をクラウド上で一元管理できる「Tsubamex MM Dashboard」や、生産現場の進捗状況を把握できる「金型進捗管理システム」などが一例だ。また、当社の試行錯誤の歴史が多くの企業の参考になればと思い、セミナーやコンサルティングも実施している。セミナーでは座学や工場見学の他、参加者からの相談に対して具体的なソリューションを提案する。

コト売りの課題は。

モノ売りと大きく異なるのは品質保証だろう。当社で言えば、サイバーセキュリティは大きな問題。目に見えないコトやサービスを提供していくには、新たなリスクを低減できる人材育成や仕組みづくりが重要となる。

コト売りに取り組む上で必要なことは。

限られた資源の中で新しい取り組みを進めるには、競争領域と協調領域の見極めが重要。本当に競争しなければいけない領域に投資するためにもオープンイノベーションは必要だ。業界内での水平的な仲間づくりと、お客様や仕入先様との垂直的な仲間づくりを進めていきたい。

金型新聞 2024年2月10日

関連記事

平和電機 工業用ヒーターの技術集団[金型応援隊]

射出成形機や押出成形機、各種金型に欠かせないもの、それは工業用ヒーターだ。バンドヒーターやマイクロシーズヒーター、カートリッジヒーターなど工業用ヒーターを手掛ける平和電機は長年培ってきたノウハウを活かし、顧客の課題解決に…

型から成形まで一貫生産<br>コガネイモールド 村田 隆 常務

型から成形まで一貫生産
コガネイモールド 村田 隆 常務

この人に聞く2018  今年4月に樫山金型工業から社名を変更した「コガネイモールド」。携帯電話を中心としたプラスチック金型で一時代を築いた同社だったが、スマートフォンの登場によって需要が激減。しかし、一昨年に空圧機器メー…

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第一部ー

変貌する経営環境 順応の精神がカギ 座談会出席者(50音順) エムアイモルデ 宮城島 俊之社長  ヘッドライトなど自動車関連が主力のプラスチック金型メーカー。従業員は5人。本社は静岡県富士市だが工場は中国蘇州にあり、日本…

新春金型メーカー座談会
〜女性の活躍を考える〜

 製造業において、人手不足は深刻な問題となっている。困難な採用環境、熟練者の高齢化などに加え、働き方改革関連法の完全施行もあり、金型メーカー各社も対応に苦慮している。特に人手不足への対応は、生産性の向上はもとより、女性の…

成形不良を出さない生産システムの確立
岐阜大学 王志剛副学長に聞く、スマート金型開発の行方

 岐阜大学が2018年に3カ年の研究開発である「スマート金型開発拠点事業」を始めた。労働人口減少時代を想定し、従来にはない高効率な生産システムの確立を目指し、金型を使った量産システムの不良率ゼロを目標に掲げる。同事業は文…

トピックス

関連サイト