金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

10

新聞購読のお申込み

ツバメックス 多田羅晋由社長インタビュー【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

昨今、顧客の課題解決につながるソリューションやサービスなどを提供する金型メーカーが増えている。なぜ、従来の金型づくりだけでなく、自社が保有する技術を生かしたソリューションや、AI・IoTを活用したサービスなどを提供するのか。金型メーカーでありながら、製造現場のデジタル変革(DX)を支援する事業を展開し、コト売り戦略に取り組むツバメックス(新潟市西蒲区)の多田羅晋由社長に聞いた。

ツバメックス社長 多田羅晋由(たたら・くによし)氏
1959年生まれ、大阪府出身。82年サンスター技研に入社、2005年同社代表取締役、19年2月ツバメックス代表取締役に就任し、現在に至る。サンスターグループでは数件のM&Aを手掛けた。また、オランダでMBA(経営学修士)を取得した他、シンガポールやスイスに駐在するなど豊富な海外経験も持つ。

収益構造多角化し、変化に対応

コト売りに取り組む理由、意義とは。

今後、モノ売りだけで付加価値を最大化したり、人生産性を高めて生産高を増やしたりするのは限界がある。従来のモノ売りによる収益力に頼るだけでなく、コト売りによって収益構造を多角化し、変化への対応力を強化することが必要になっている。

当社でも今後はモノではなく、進化を感動とともにお客様に提供していくことを考えている。お客様が早く簡単に片付けたいと思っている仕事を無くすことに貢献することがコト売りの意義だと思う。

貴社がDX支援事業に取り組み始めた経緯は。

当社の主力事業は自動車部品用プレス金型の製造販売とプレス加工および樹脂成形の量産加工ビジネスの2本柱。40年前から金型づくりの業務を見える化、標準化し、プロセスをデジタル化するシステムを社内で構築し運用してきた。このシステムを外販し、製造現場の課題解決につながるソリューションを提供するビジネスを3本目の事業の柱にしたいと考えた。

セミナーでは座学や工場見学の他、参加者からの相談に対して具体的なソリューションを提案する。

現状は。

当社が運用しているシステムの機能を抜き出して販売している。人や設備の稼働状況をクラウド上で一元管理できる「Tsubamex MM Dashboard」や、生産現場の進捗状況を把握できる「金型進捗管理システム」などが一例だ。また、当社の試行錯誤の歴史が多くの企業の参考になればと思い、セミナーやコンサルティングも実施している。セミナーでは座学や工場見学の他、参加者からの相談に対して具体的なソリューションを提案する。

コト売りの課題は。

モノ売りと大きく異なるのは品質保証だろう。当社で言えば、サイバーセキュリティは大きな問題。目に見えないコトやサービスを提供していくには、新たなリスクを低減できる人材育成や仕組みづくりが重要となる。

コト売りに取り組む上で必要なことは。

限られた資源の中で新しい取り組みを進めるには、競争領域と協調領域の見極めが重要。本当に競争しなければいけない領域に投資するためにもオープンイノベーションは必要だ。業界内での水平的な仲間づくりと、お客様や仕入先様との垂直的な仲間づくりを進めていきたい。

金型新聞 2024年2月10日

関連記事

【この人に聞く】三菱電機産業メカトロニクス事業部事業部長・清水則之氏「生産性高めるサービスを提供する」

 高精度、高性能な放電加工機で金型産業に貢献してきた三菱電機(東京都千代田区、03-3218-2111)。近年は、機械だけでなく、遠隔地からのメンテナンスサービスやAI技術の活用など金型づくりの高度化に対応するサービスや…

アクスモールディング 押出成形金型の設計簡易化【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

廃棄部分の再利用も可能に 高機能フィルムの製造に適した押出成形金型「Tダイ」などの設計を手掛けるアクスモールディング。同社は、今年の3月にソディックの金属3Dプリンター「LPM325S」を導入。押出成形金型の設計の簡易化…

ソディック 古川 健一 新社長に聞く<br>「できないと言わない」ソディックらしさを継承

ソディック 古川 健一 新社長に聞く
「できないと言わない」ソディックらしさを継承

この人に聞く 2018  ソディックは今年1月、創業者の古川利彦氏が名誉会長に、金子雄二社長が会長に就く人事を発表。3月29日付で、古川名誉会長の子息でもある古川健一副社長が社長に就任した。「顧客の要望に『できない』と言…

多様な技能伝承サポートツール【特集:技能伝承最前線】

人手不足が叫ばれる昨今において、現場における新人教育を効率化し、技能伝承を推進させるデジタルサービスが数多く登場している。技能伝承のみならず教育プロセスの省人化・DX化に貢献し、現場全体の生産性も向上させる各社の製品を紹…

東海エンジニアリングサービス カルコゲナイドガラスレンズの成形技術を確立 直径40㎜超を成形【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

解析を駆使、成形機も開発 東海エンジニアリングサービスは、直径40㎜超のカルコゲナイドガラスレンズの成形技術を確立した。CAEを駆使し、独自のノウハウを取り入れた成形機を開発して実現した。直径40㎜超は過去に例がなく、航…

トピックス

関連サイト