金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

09

新聞購読のお申込み

共立精機(大連) ギガキャストで進む大型化【特集:進む設備の大型化】

12000tの金型に対応

大型のダイカストマシンで、アルミ部品を一体鋳造する「ギガキャスト」。トヨタ自動車やリョービが参入を表明し、注目を集めている。ただ、国内でギガの量産金型を手掛けた企業はほとんどない。

三重県の共立精機(林裕社長)の中国子会社、共立精機(大連)はすでにギガ向けの量産金型の製作実績を持つ。「自動車や建築部品など6000t~12000tクラスの金型の製作ができる。入れ子だけの製作も多数の実績がある」(孟強董事長)。

ギガキャストに対応

そんな共立精機大連がギガに参入したのは2年前。2022年完成の二期工事の際に「中国でギガが増える」と判断し、10億円を投資した。

設備は当然大型化しいている。親子クレーン120/50tを設置。オークマの門型マシニングセンタや、牧野フライス製作所の2ヘッドの大型彫放電加工機を購入した。冷却の深穴が必要になることから、5軸のガンドリルマシンも導入した。

設備の大型化の一方、ギガで指摘される輸送の難しさも工夫を凝らした。現地の材料メーカーに工場に同居してもらい、材料から加工、熱処理、組立まで全サプライチェーンを同一工場内で構築。さらに、材料分析ができる研究機関の誘致も内定しており、品質向上につなげる考えだ。

競争激しく、 協業や開発強化

こうした体制強化を急ぐのは、競争が激しいためだ。孟董事長によると、中国でギガを手掛ける金型メーカーは現在、22社あるという。「来月はもっと増えている可能性もある」ほど競争は激しい。

このため、研究開発にも力を注ぐ。解析技術を活用し、軽量化や電動車の車体構造部品の金型づくりを進めている。さらに、各プロセスを可視化するための製造実行システム(MES)やAIの活用に加え、世界中のどこからでも金型づくりを確認できるような仕組みの構築を急いでいる。

同じ工場内に協力先も入居し、熱処理も可能

ギガの開発動向について、孟董事長は「安定した大型材料の調達が難しいため、分割型が主流だ」と話す。「10~14分割が多い。入れ子の重量は2~4tクラスで、大型化に加えて、入れ子の数も増えている」という。

ただ、これらはすべて中国の話で、日本は見極めの段階。林社長は「現時点で、共立精機(日本)でクレーンなどギガ向けの金型を作る設備を導入する予定はない。とはいえ、日系メーカーも開発を急いでいる。まずは中国でノウハウを蓄積し、今後に備えたい」とし、国内の動向に注視している。

会社概要

  • 本社:大連経済技術開発区大地街1号
  • 電話:0411・3926・8311
  • 代表者:史宏莹 総経理
  • 設立:1996年
  • 従業員:95人
  • 事業内容:ダイカスト金型の設計製作、補修。

金型新聞 2024年3月10日

関連記事

三井ハイテック 組織・人事

三井ハイテック 2月1日付 組織 金型事業本部・金型営業統轄部 営業業務部を金型営業統轄部 営業企画部に改称。 人事(敬称略・カッコ内旧職) 金型事業本部金型営業統轄部営業企画部長(金型事業本部金型営業統轄部海外営業部長…

【金型の底力】カワマタ・テクノス 顧客深耕と成形事業を強化

顧客深耕と成形事業強化事業承継に未来図  ゴム金型の製造から成形まで手掛けるカワマタ・テクノスは事業承継を進めるため、事業改革に取り組んでいる。高い金型技術と成形を知る強みを活かし、既存顧客へのコンサルティング活動を強化…

【特集】匠の技を手に入れろ

金型はこれまで、金型職人の頭の中で製品形状や金型設計を描き、経験やノウハウで調整し、製造してきた。そして金型の「匠」の技は「背中」を見て学ぶもので、習熟への時間はとても長かった。しかし近年では、工作機械やCAD/CAMと…

SUBARU 仮想的合力とゲームエンジン活用しスクラップ落下をシミュレーション

スクラップ落下率は90.7%から97.1%に向上、金型設計も変革 SUBARUはシミュレーションを活用し、プレスラインのスクラップ落下不良を削減するための仕組みを考案した。「スクラップの落下不良は金型の破損などを引き起こ…

【特集】日本の金型業界に必要な4つの課題 -取引適正化-

PART4 日本金型工業会 専務理事・中里栄氏に聞く「取引適正化」 取引ガイドラインを改定 イコールパートナーに  ユーザーの意識にも変化 現在、春先に公表予定の「金型取引ガイドライン」の改定版の策定に取り組んでいます。…

トピックス

関連サイト