脱炭素社会に向けた取り組みがものづくりで加速し、金型業界でもその動きが広がりつつある。先手を打つ金型メーカーの対応には大きくは2つの方向性がある。一つは、太陽光パネルの設置や設備の省エネ化などによる自社の生産活動でCO2…
共立精機(大連) ギガキャストで進む大型化【特集:進む設備の大型化】
12000tの金型に対応
大型のダイカストマシンで、アルミ部品を一体鋳造する「ギガキャスト」。トヨタ自動車やリョービが参入を表明し、注目を集めている。ただ、国内でギガの量産金型を手掛けた企業はほとんどない。
三重県の共立精機(林裕社長)の中国子会社、共立精機(大連)はすでにギガ向けの量産金型の製作実績を持つ。「自動車や建築部品など6000t~12000tクラスの金型の製作ができる。入れ子だけの製作も多数の実績がある」(孟強董事長)。

そんな共立精機大連がギガに参入したのは2年前。2022年完成の二期工事の際に「中国でギガが増える」と判断し、10億円を投資した。
設備は当然大型化しいている。親子クレーン120/50tを設置。オークマの門型マシニングセンタや、牧野フライス製作所の2ヘッドの大型彫放電加工機を購入した。冷却の深穴が必要になることから、5軸のガンドリルマシンも導入した。
設備の大型化の一方、ギガで指摘される輸送の難しさも工夫を凝らした。現地の材料メーカーに工場に同居してもらい、材料から加工、熱処理、組立まで全サプライチェーンを同一工場内で構築。さらに、材料分析ができる研究機関の誘致も内定しており、品質向上につなげる考えだ。
競争激しく、 協業や開発強化
こうした体制強化を急ぐのは、競争が激しいためだ。孟董事長によると、中国でギガを手掛ける金型メーカーは現在、22社あるという。「来月はもっと増えている可能性もある」ほど競争は激しい。
このため、研究開発にも力を注ぐ。解析技術を活用し、軽量化や電動車の車体構造部品の金型づくりを進めている。さらに、各プロセスを可視化するための製造実行システム(MES)やAIの活用に加え、世界中のどこからでも金型づくりを確認できるような仕組みの構築を急いでいる。

ギガの開発動向について、孟董事長は「安定した大型材料の調達が難しいため、分割型が主流だ」と話す。「10~14分割が多い。入れ子の重量は2~4tクラスで、大型化に加えて、入れ子の数も増えている」という。
ただ、これらはすべて中国の話で、日本は見極めの段階。林社長は「現時点で、共立精機(日本)でクレーンなどギガ向けの金型を作る設備を導入する予定はない。とはいえ、日系メーカーも開発を急いでいる。まずは中国でノウハウを蓄積し、今後に備えたい」とし、国内の動向に注視している。
会社概要
- 本社:大連経済技術開発区大地街1号
- 電話:0411・3926・8311
- 代表者:史宏莹 総経理
- 設立:1996年
- 従業員:95人
- 事業内容:ダイカスト金型の設計製作、補修。
金型新聞 2024年3月10日
関連記事
ムトー精工はこのほど、岐阜県各務原市の本社工場の近くに新工場向けの用地を落札したと発表した。増加する電動車向けの受注増加に対応する。工場の着工や規模などは今後詰める。 岐阜県各務原市が進めている工業団地の用地2万2724…
成形の一貫生産で活路新工場で車部品やマグネット製品 三嶋彫刻は今から55年前、金型刻印のメーカーとして創業した。彫刻の精密加工技術を生かし、金型部品や金型、成形も手掛け、事業を伸ばした。しかし近年、日本の金型には強い向…
自動車シートなどウレタン発泡用金型やアルミ鋳造を手掛ける東亜成型(大阪市西淀川区、06・6474・5688)は自社製品であるグリルプレート『グリルQ』に続き、『マッスルジョッキ』が大阪市のふるさと納税返礼品に認定された。…
車載・電子部品に対応 プレス金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所(三重県四日市市、059・364・7111)はプレス工場を増設し、新たに受注した車載・電子部品に対応する順送プレス加工ラインを新設。プレス加工から洗浄、検査…


