コネクタメーカーを始め、全国の金型ユーザーから補修の依頼が舞い込む。50μmという微細な肉盛り溶接ができるからだ。あまりに微細なため、溶加棒も自社製というこだわりを持つ。 また微細溶接だけではなく、ダイカスト金型等のボリ…
仕事は基本に忠実で 深見克彦氏(エムエス製作所)【この人に聞く】
自動車のウェザーストリップなどゴム金型を手掛けるエムエス製作所(愛知県清須市)は人材育成に力を入れ、『現代の名工』や『あいちの名工』、国家検定資格の1級技能士を多数輩出している。2023年にNC旋盤工で『現代の名工』を受賞した深見克彦氏もその1人で、特級技能士を2つ(金型製作、機械加工)、1級技能士も6つを取得。現在は『仕上げ』の特級技能士を目指し猛勉強中の深見氏に、技能検定を目指したきっかけや若手に伝えたいことを聞いた。

1965年生まれ、京都市出身。2002年にエムエス製作所に入社し、機械加工や治工具製造、リーダー兼海外生産技術課長を経て、2017年に開発技術支援部・技術長として現在に至る。
NC旋盤で現代の名工を受賞されましたが、旋盤一筋ではなかったと。
旋盤を始めたのは紆余曲折を経て、当社に入社してから。以前の職場で治具製作も手掛けた経験があり旋盤やフライスなど幅広く経験した。
技能検定を目指した背景は。
当時社長だった迫田幸博会長から「何ができるのか」と問われ、経験はあっても証明できるものがなく、技能士の取得を奨められたのがきっかけ。当社は技能士取得を推進しており、取得すると給料アップにもなる。当時は1級技能士を5個持つ人もいなかったので取ろうと頑張った。
数多くの資格を得るのに実践したことは。
治工具製作は様々な機械加工を知る機会となり、良い経験だったと思うが、大事なことはヒアリングではないだろうか。当社には機械の種類ごとに特化した人も多く、足りない部分は先輩に聞いて知識やアドバイスを頂いた。
それは仕事に通ずるものですか。
部品加工を仕事にすると、金型のどの部位になるのか知らずにこなすことも多いが、金型内でどのように使われるか興味を持ち、知ることが重要。見たり、聞いたりすることで自分の知識になる。その部品の重要度が分かると過剰品質にならないよう工夫や提案もでき、段取りも効率化できる。
若手に伝えたいことは。
全体の仕事の流れを知ることはもちろん、趣味で何かモノを作る、異業種を見るなどを推奨し、幅広く興味を持つことで知恵やひらめきが得られると説いている。私も加工で出た廃材を使って、日本金型工業会のバッチをイメージしたゴルフマーカーを作るなど、仕事の中で何か出来ないかと常日頃から考えている。
モノづくりは『気づき』が大切と言いますね。
社内でも『2S(整理・整頓)』に取り組んでいる。いくら加工を教えても、バイスが汚れていては優れた加工は出来ない。技能検定の実技も前準備(状況確認など)が大事なように、機械メンテナンスなど掃除を疎かにせず、基本に忠実でやってもらいたい。
今後の目標は。
3つ目(仕上げ)の特級技能士の取得に向けて勉強に励んでいる。特級は業務内容だけでなく管理、監督の知識など幅広い知識が求められるため非常に難しい。今回がラストチャンスと捉え、どこまでやれるのか自分の限界を試したい。
金型新聞 2024年7月10日
関連記事
金型製作工程を短縮 設備強化で需要に対応 イワタツール(名古屋市守山区、岩田昌尚社長)が2010年に発売したトグロンハードドリルは焼入れ鋼用穴加工ドリルとして、ここ数年需要が急増し供給が追いついていない状況だ。同社の岩…
Mastercamの世界販売1位を記録するジェービーエムは今年、創業50周年を迎えた。同社は近年、CAD/CAMのほか、ロボットシミュレーション、計測、積層技術など幅広い分野のソフトウェアを拡充し、生産現場の自動化・省…
今年5月、日本金型工業会東部支部の若手経営者や後継者で組織される天青会の第50代会長に就任した。「つながりを創る」をスローガンに掲げ、コロナ禍で希薄化した会員同士のつながりや、海外とのつながりを強化する活動に取り組む。 …
大学を上手く活用し、技術開発につなげる場に 強み見つけ、競争力を強化 金型は集積技術です。機械加工や表面処理、材料、最近ではITなど、色々な技術が上手く組み合わさることによって、はじめて良い金型が出来上がる。大学では、…


