育成のプロ、名匠塾の塾長 社内の技術者に研削や切削など加工の基礎を教える「名匠塾」の塾長。塾生は10年間で全社員の3分の1に当たる168人。同社のものづくりを支える育成のプロだ。 入社時は「おシャカ製造機」と言われる…
仕事は基本に忠実で 深見克彦氏(エムエス製作所)【この人に聞く】
自動車のウェザーストリップなどゴム金型を手掛けるエムエス製作所(愛知県清須市)は人材育成に力を入れ、『現代の名工』や『あいちの名工』、国家検定資格の1級技能士を多数輩出している。2023年にNC旋盤工で『現代の名工』を受賞した深見克彦氏もその1人で、特級技能士を2つ(金型製作、機械加工)、1級技能士も6つを取得。現在は『仕上げ』の特級技能士を目指し猛勉強中の深見氏に、技能検定を目指したきっかけや若手に伝えたいことを聞いた。

1965年生まれ、京都市出身。2002年にエムエス製作所に入社し、機械加工や治工具製造、リーダー兼海外生産技術課長を経て、2017年に開発技術支援部・技術長として現在に至る。
NC旋盤で現代の名工を受賞されましたが、旋盤一筋ではなかったと。
旋盤を始めたのは紆余曲折を経て、当社に入社してから。以前の職場で治具製作も手掛けた経験があり旋盤やフライスなど幅広く経験した。
技能検定を目指した背景は。
当時社長だった迫田幸博会長から「何ができるのか」と問われ、経験はあっても証明できるものがなく、技能士の取得を奨められたのがきっかけ。当社は技能士取得を推進しており、取得すると給料アップにもなる。当時は1級技能士を5個持つ人もいなかったので取ろうと頑張った。
数多くの資格を得るのに実践したことは。
治工具製作は様々な機械加工を知る機会となり、良い経験だったと思うが、大事なことはヒアリングではないだろうか。当社には機械の種類ごとに特化した人も多く、足りない部分は先輩に聞いて知識やアドバイスを頂いた。
それは仕事に通ずるものですか。
部品加工を仕事にすると、金型のどの部位になるのか知らずにこなすことも多いが、金型内でどのように使われるか興味を持ち、知ることが重要。見たり、聞いたりすることで自分の知識になる。その部品の重要度が分かると過剰品質にならないよう工夫や提案もでき、段取りも効率化できる。
若手に伝えたいことは。
全体の仕事の流れを知ることはもちろん、趣味で何かモノを作る、異業種を見るなどを推奨し、幅広く興味を持つことで知恵やひらめきが得られると説いている。私も加工で出た廃材を使って、日本金型工業会のバッチをイメージしたゴルフマーカーを作るなど、仕事の中で何か出来ないかと常日頃から考えている。
モノづくりは『気づき』が大切と言いますね。
社内でも『2S(整理・整頓)』に取り組んでいる。いくら加工を教えても、バイスが汚れていては優れた加工は出来ない。技能検定の実技も前準備(状況確認など)が大事なように、機械メンテナンスなど掃除を疎かにせず、基本に忠実でやってもらいたい。
今後の目標は。
3つ目(仕上げ)の特級技能士の取得に向けて勉強に励んでいる。特級は業務内容だけでなく管理、監督の知識など幅広い知識が求められるため非常に難しい。今回がラストチャンスと捉え、どこまでやれるのか自分の限界を試したい。
金型新聞 2024年7月10日
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