精密金型の製造では、エンドミルでの切削やワイヤー放電加工の後に成型研削を行うのが一般的。しかし、研削量が少なく加工に時間がかかるのが課題だった。本稿では、ワンパスでミリ単位の材料除去を可能とする「クリープフィード研削技術…
【特集:技能レス5大テーマ】2.機械制御
AI活用し、自動で最適制御
放電加工機やマシニングセンタなどによる加工は加工が進むにつれて状況が変化する。切削加工では切削工具の摩耗や欠損、びびり(加工振動)、熱変位、放電加工では電極の消耗、加工深さや板厚・ノズル離れ量の変化などが発生している。
これまでの金型加工ではこうした加工時の変化に対し、熟練技能者が自らの経験や感覚などをもとに加工の状況、工具の状態、位置などを見ながら判断し、加工パラメータの調整や機械の制御などを行っていた。少子高齢化などによって、経験豊富なオペレータが減少する中、これまで熟練技能者が行っていたこうした作業を自動化する技術の開発が進んでいる。

一つは熱変位補正技術。室温や回転速度、切削加工液の温度の変化などによって発生する熱変位を正確に制御することができる機械が登場している。機械に搭載されたセンサなどの情報から熱変位量を演算し、自動で補正を加え、安定した加工精度を実現する。
AI(人工知能)を活用した自動化技術も進化している。切削加工機では、工具のチッピングやびびりなどの加工状態を判断し、最適制御につなげる機能の開発が進められている。CNCや各種センサなどの情報からAIが加工状態を推定し、最適な機械制御につなげることができる。
また、ワイヤ放電加工ではリアルタイムに板厚を検出し、加工量が一定となるように自動で制御を行い、加工の安定化を図ることができる技術が実用化されている。また、ワイヤ線径以下の微小コーナなどに対して自動で最適な制御を行い、高い形状精度を実現できるようにもなっている。形彫放電加工機でも電極の摩耗量や加工量の変化に応じて制御の最適化を図る技術などが開発されている。
AIやセンシング技術は日進月歩。今後もこうした技術や機能が実装された工作機械の開発が進むはずだ。
金型新聞 2024年7月10日
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