金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

07

新聞購読のお申込み

【特集:技能レス5大テーマ】2.機械制御

AI活用し、自動で最適制御

放電加工機やマシニングセンタなどによる加工は加工が進むにつれて状況が変化する。切削加工では切削工具の摩耗や欠損、びびり(加工振動)、熱変位、放電加工では電極の消耗、加工深さや板厚・ノズル離れ量の変化などが発生している。

これまでの金型加工ではこうした加工時の変化に対し、熟練技能者が自らの経験や感覚などをもとに加工の状況、工具の状態、位置などを見ながら判断し、加工パラメータの調整や機械の制御などを行っていた。少子高齢化などによって、経験豊富なオペレータが減少する中、これまで熟練技能者が行っていたこうした作業を自動化する技術の開発が進んでいる。

一つは熱変位補正技術。室温や回転速度、切削加工液の温度の変化などによって発生する熱変位を正確に制御することができる機械が登場している。機械に搭載されたセンサなどの情報から熱変位量を演算し、自動で補正を加え、安定した加工精度を実現する。

AI(人工知能)を活用した自動化技術も進化している。切削加工機では、工具のチッピングやびびりなどの加工状態を判断し、最適制御につなげる機能の開発が進められている。CNCや各種センサなどの情報からAIが加工状態を推定し、最適な機械制御につなげることができる。

また、ワイヤ放電加工ではリアルタイムに板厚を検出し、加工量が一定となるように自動で制御を行い、加工の安定化を図ることができる技術が実用化されている。また、ワイヤ線径以下の微小コーナなどに対して自動で最適な制御を行い、高い形状精度を実現できるようにもなっている。形彫放電加工機でも電極の摩耗量や加工量の変化に応じて制御の最適化を図る技術などが開発されている。

AIやセンシング技術は日進月歩。今後もこうした技術や機能が実装された工作機械の開発が進むはずだ。

金型新聞 2024年7月10日

関連記事

CGTech 切削最適化ソフトの最新版<br>積層エラーひと目で

CGTech 切削最適化ソフトの最新版
積層エラーひと目で

 CGTech(東京都豊島区、03・5911・4688)は5月末日、切削シミュレーションおよび最適化ソフトウェア「VERICUT」に、より使いやすい新機能を追加した「バージョン8.1」をリリースする(写真)。  新機能の…

【特集:新春金型座談会2026】日本の金型メーカーが勝ち残るカギは何か(Part3)

井口社長が考える勝ち残るカギ 「マーケットとプロダクトをフィット」 金型の価値にマッチする市場探す 司会 では井口社長が挙げたカギ、「マーケットとプロダクトをフィットさせる」はどういう意味でしょうか? 井口 マーケティン…

金型メーカー座談会 若手経営者が語る<br>ー業界の魅力高めるためには 第三部ー

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第三部ー

人材育成の要諦 デジタルとアナログを融合 金型メーカー座談会 若手経営者が語るー業界の魅力高めるためには 第二部ー 最終回となる今回のテーマは「連携」と「人材育成」。戦略云々よりも、経営者同士の感性や考え方が合った連携の…

JIMTOF総集編 PART2:DX、デジタルツイン
加工プログラムや解析、自動で

JIMTOF2022で次世代の技術としてひときわ注目を集めたのがデジタル技術だ。IoTやAI、クラウドなどを活用し機械の稼働状況監視や加工の不具合低減に生かす。金型づくりでもデジタルトランスフォーメーション(DX)が課題…

金型メーカー座談会
経営者5人が語る、どうなる2015年 最終回

金型産業 発展へ 日本金型工業会 5つの施策   出席者   エムエス製作所社長 迫田 幸博氏 小出製作所社長 小出 悟氏 長津製作所会長 牧野 俊清氏 日進精機相談役 加藤 忠郎氏 野田金型社長 堀口 展男氏 2月号で…

トピックス

関連サイト