金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

04

新聞購読のお申込み

【特集:技能レス5大テーマ】2.機械制御

AI活用し、自動で最適制御

放電加工機やマシニングセンタなどによる加工は加工が進むにつれて状況が変化する。切削加工では切削工具の摩耗や欠損、びびり(加工振動)、熱変位、放電加工では電極の消耗、加工深さや板厚・ノズル離れ量の変化などが発生している。

これまでの金型加工ではこうした加工時の変化に対し、熟練技能者が自らの経験や感覚などをもとに加工の状況、工具の状態、位置などを見ながら判断し、加工パラメータの調整や機械の制御などを行っていた。少子高齢化などによって、経験豊富なオペレータが減少する中、これまで熟練技能者が行っていたこうした作業を自動化する技術の開発が進んでいる。

一つは熱変位補正技術。室温や回転速度、切削加工液の温度の変化などによって発生する熱変位を正確に制御することができる機械が登場している。機械に搭載されたセンサなどの情報から熱変位量を演算し、自動で補正を加え、安定した加工精度を実現する。

AI(人工知能)を活用した自動化技術も進化している。切削加工機では、工具のチッピングやびびりなどの加工状態を判断し、最適制御につなげる機能の開発が進められている。CNCや各種センサなどの情報からAIが加工状態を推定し、最適な機械制御につなげることができる。

また、ワイヤ放電加工ではリアルタイムに板厚を検出し、加工量が一定となるように自動で制御を行い、加工の安定化を図ることができる技術が実用化されている。また、ワイヤ線径以下の微小コーナなどに対して自動で最適な制御を行い、高い形状精度を実現できるようにもなっている。形彫放電加工機でも電極の摩耗量や加工量の変化に応じて制御の最適化を図る技術などが開発されている。

AIやセンシング技術は日進月歩。今後もこうした技術や機能が実装された工作機械の開発が進むはずだ。

金型新聞 2024年7月10日

関連記事

ヤマハ発動機 安価で実用的な機上計測システムの構築【金型テクノラボ】

加工を行った工作機械上で製品の測定を行うことを「機上計測」と言う。タッチプローブとCAMの計測オプションを活用することで工作機械を三次元測定機のように使用することが可能となる。本稿では、仕組みの全体像と導入のために必要な…

類似のCADを検索<br>NTTデータエンジニアリングシステムズ

類似のCADを検索
NTTデータエンジニアリングシステムズ

金型向けクラウド新版  NTTデータエンジニアリングシステムズ(東京都大田区、03-5711-5331)はこのほど、金型向けのクラウドサービス「Manufacturing—Space(MS)」の最新版のサービスを開始した…

フォーバンド 類似図面をAIで検索【特集:尖った技術を使いこなせ】

勘や経験など属人化を解消 モータコア用スロットパンチや研削加工などを手掛けるフォーバンド(福岡県直方市)は見積作成や図面管理業務の効率化を図るため、テクノアが展開する『AI類似図面検索』を導入。簡単に類似図面の検索や図面…

【ウェブ限定】大型ワイヤ放電加工機―ソディック

【ウェブ限定】大型ワイヤ放電加工機―ソディック

高速、高精度な機能充実 SodickIoTも標準対応に  ソディックは大型金型向けのワイヤ放電加工機「AL800G」を発売し好評を得ている。スマートフォンなど精密金型で好評を得ている高速・高精度な「ALシリーズ」を大型の…

海外で28年間工場長を務める明和製作所の常務 「工場長の役割は成果(利益)を出すこと」【特集:工場長の条件】

時には経営者、時には教え諭す教育者—。工場長には多様な役割が必要だ。こうしたマルチタスクをこなすために、どのようなことを意識しながら、責務を果たしているのか。現役工場長に、工場長としての哲学を聞いた。 役割は成果を出すこ…

トピックス

関連サイト