金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

02

新聞購読のお申込み

【特集:技能レス5大テーマ】2.機械制御

AI活用し、自動で最適制御

放電加工機やマシニングセンタなどによる加工は加工が進むにつれて状況が変化する。切削加工では切削工具の摩耗や欠損、びびり(加工振動)、熱変位、放電加工では電極の消耗、加工深さや板厚・ノズル離れ量の変化などが発生している。

これまでの金型加工ではこうした加工時の変化に対し、熟練技能者が自らの経験や感覚などをもとに加工の状況、工具の状態、位置などを見ながら判断し、加工パラメータの調整や機械の制御などを行っていた。少子高齢化などによって、経験豊富なオペレータが減少する中、これまで熟練技能者が行っていたこうした作業を自動化する技術の開発が進んでいる。

一つは熱変位補正技術。室温や回転速度、切削加工液の温度の変化などによって発生する熱変位を正確に制御することができる機械が登場している。機械に搭載されたセンサなどの情報から熱変位量を演算し、自動で補正を加え、安定した加工精度を実現する。

AI(人工知能)を活用した自動化技術も進化している。切削加工機では、工具のチッピングやびびりなどの加工状態を判断し、最適制御につなげる機能の開発が進められている。CNCや各種センサなどの情報からAIが加工状態を推定し、最適な機械制御につなげることができる。

また、ワイヤ放電加工ではリアルタイムに板厚を検出し、加工量が一定となるように自動で制御を行い、加工の安定化を図ることができる技術が実用化されている。また、ワイヤ線径以下の微小コーナなどに対して自動で最適な制御を行い、高い形状精度を実現できるようにもなっている。形彫放電加工機でも電極の摩耗量や加工量の変化に応じて制御の最適化を図る技術などが開発されている。

AIやセンシング技術は日進月歩。今後もこうした技術や機能が実装された工作機械の開発が進むはずだ。

金型新聞 2024年7月10日

関連記事

松村精型 見積効率化や戻りない金型づくり【特集:デジタル活用術】

作業を細分化し、デジタル管理 低圧鋳造やダイカスト金型を手掛ける松村精型は、加工や設計などの作業単位を細分化し、コード化して管理している。作業ごとの分析や改善を徹底し、手戻りのない金型づくりを進めるほか、コードに製造コス…

サンエール 3層放電ワイヤを発売

高精度・超高速加工 サンエールは、世界初の3層亜鉛構造を採用し、高精度・超高速加工を実現する放電加工ワイヤ「SPW+ε(イプシロン)」を3月から発売する。 真鍮を芯線としε—γ—βの3層からなる非常に厚い高濃度亜鉛層を有…

シー・アイ・エム総合研究所 Dr.工程とAIカメラを連携

作業実績の入力が不要に シー・アイ・エム総合研究所(東京都目黒区、03・5745・1181)はこのほど、作業実績などを自動で収集し、生産管理システムへ連携できるソリューション提案を開始。同社の工程管理システム「Dr.工程…

油仕様のワイヤ放電
三菱電機

小〜中物の加工に対応  三菱電機はこのほど、油加工液仕様のワイヤ放電加工機「MX900」を発売した。XY軸の移動量が300×300㎜で、モータコア向け金型などの中物から電子部品などの小物まで幅広い加工領域を1台で対応する…

電極線製品をリニューアル
沖電線

真円度4分の1  沖電線(川崎市中原区、044-766-3171)はこのほど、電極線製品を全面リニューアルした。電極線全製品の真円度を現行品の4分の1の0・25μmまで抑えたほか、パッケージも一新。5月から国内販売を開始…

トピックス

関連サイト