金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

14

新聞購読のお申込み

変化対応できる体質への転換 春田善和氏(冨士ダイス社長)【この人に聞く】

今年1月、超硬合金製の耐摩耗工具や金型を手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、03・3759・7181)の新社長に春田善和氏が就任した。同氏は管理畑を歩み、財務部長や企画部長を歴任。海外拠点の立ち上げや、事業戦略の策定などに従事した。2024~26年度までの新たな中期経営計画をスタートさせ、新規事業の確立や海外事業の推進の他、情報の見える化など経営基盤の強化に取り組む。春田社長に抱負や今後の展開などを聞いた。

冨士ダイス社長 春田善和(はるた・よしかず)氏
1963年生まれ、神奈川県出身。87年慶應義塾大文学部卒業後、冨士ダイス入社。2015年取締役、18年常務、23年専務、24年社長に就任し、現在に至る。座右の銘は「明日は明日の風が吹く」、趣味はサッカー観戦。

情報の見える化、新規事業確立

どんな会社にしたいか。

当社の企業理念である「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」「人間尊重、人間中心の経営」を引き継ぐ。ここで言う「幸せな人」とは、「夢・挑戦」「感謝」「自立」「前向き」の4つの因子と心身の健康が備わった人のこと。こうした人たちが働く会社にしていきたいと考えている。

新中計で「変化に対応できる企業体質への転換」を掲げた理由は。

100年企業を目指して持続的な成長を実現するため。市場環境は常に変わっており、今後さらに激しい変化が予測される。当社は2015年に上場し、資本と経営を分離させた。この先も事業を続け、成長していくためには一人ひとりが変化に対応できる企業体質にならないといけない。そのための取り組みを進めていく。

具体的には。

一つは社内の見える化。これまで個人に依存していた情報を社内で共有化できる仕組みを構築する。そのためには、ITツールの導入はもちろんだが、個人の意識を変革する必要がある。これまでのように成果主義による評価だけでなく、プロセスもきちんと評価し、情報を共有化する習慣を根付かせていく。将来的には蓄積したデータをもとに、個人に依存せずとも意思決定ができる組織にしたいと考えている。

その他には。

新規事業の確立だ。24年7月に新規事業組織を発足させた。今までも新規事業の開拓に向けたチームを組織することはあったが、一時的なもので継続性がなかった。本格的な専門組織を設けることで、将来の種まきを具体化させていく。

「海外事業の飛躍」も掲げている。

国内市場が縮小傾向にある中、海外市場の深耕は欠かせない。特にインドは輸出ベースで伸び始めており、今後に期待している。現在休眠中の拠点を復活させ、底上げを図っていくつもりだ。また、中国や東南アジアにも注力していく。特にタイは生産能力が向上し、海外生産の中核地にすることも検討している。将来的には海外比率を25%まで引き上げたい。

そのためには。

ブランドイメージを浸透させる。当社は創業以来、75年の長きにわたって日本のものづくりを支えてきたが、海外での知名度は高いとは言えない。100年企業に向けて、ブランディングを確立し、新たな冨士ダイスとして歩み出していくつもりだ。

金型新聞 2024年9月10日

関連記事

スワニー 耐久性高い金型、協業で製造【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

5万個の部品生産可能に 製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷…

切削加工の領域を拡大 矢野雄介氏 (碌々スマートテクノロジー社長)【この人に聞く】

微細加工機メーカーの碌々スマートテクノロジー(東京都港区、03・3447・3421)は昨年、「碌々産業」から社名を変更した。創立120周年を迎え、これまで標榜してきた「微細加工機のリーディングカンパニーへ」から「微細加工…

短時間でプレス解析 南工【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

トライ後の改修減らし生産性アップ 自動車の骨格部品などのプレス金型を手掛ける南工は昨年、解析速度の速いプレスシミュレーションソフトを導入した。短期間で高精度の塑性変形予測を割り出し、設計品質を高め、トライ後の改修時間も短…

キヤノンモールド 技能育伝推進課長 植武 春彦さん(56) 〜ひと〜

育成のプロ、名匠塾の塾長  社内の技術者に研削や切削など加工の基礎を教える「名匠塾」の塾長。塾生は10年間で全社員の3分の1に当たる168人。同社のものづくりを支える育成のプロだ。  入社時は「おシャカ製造機」と言われる…

小林工業 佐藤正樹新社長インタビュー、利益向上し夢を持てる会社に

粉末冶金金型メーカーの小林工業(秋田県由利本荘市)は、今年の6月に社長を交代。新社長として、佐藤正樹氏が就任した。佐藤社長に今の意気込みや注力していくこと、今後の目標などを聞いた。 ―これまでの経歴を教えてください 代表…

トピックス

関連サイト