金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

16

新聞購読のお申込み

変化対応できる体質への転換 春田善和氏(冨士ダイス社長)【この人に聞く】

今年1月、超硬合金製の耐摩耗工具や金型を手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、03・3759・7181)の新社長に春田善和氏が就任した。同氏は管理畑を歩み、財務部長や企画部長を歴任。海外拠点の立ち上げや、事業戦略の策定などに従事した。2024~26年度までの新たな中期経営計画をスタートさせ、新規事業の確立や海外事業の推進の他、情報の見える化など経営基盤の強化に取り組む。春田社長に抱負や今後の展開などを聞いた。

冨士ダイス社長 春田善和(はるた・よしかず)氏
1963年生まれ、神奈川県出身。87年慶應義塾大文学部卒業後、冨士ダイス入社。2015年取締役、18年常務、23年専務、24年社長に就任し、現在に至る。座右の銘は「明日は明日の風が吹く」、趣味はサッカー観戦。

情報の見える化、新規事業確立

どんな会社にしたいか。

当社の企業理念である「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」「人間尊重、人間中心の経営」を引き継ぐ。ここで言う「幸せな人」とは、「夢・挑戦」「感謝」「自立」「前向き」の4つの因子と心身の健康が備わった人のこと。こうした人たちが働く会社にしていきたいと考えている。

新中計で「変化に対応できる企業体質への転換」を掲げた理由は。

100年企業を目指して持続的な成長を実現するため。市場環境は常に変わっており、今後さらに激しい変化が予測される。当社は2015年に上場し、資本と経営を分離させた。この先も事業を続け、成長していくためには一人ひとりが変化に対応できる企業体質にならないといけない。そのための取り組みを進めていく。

具体的には。

一つは社内の見える化。これまで個人に依存していた情報を社内で共有化できる仕組みを構築する。そのためには、ITツールの導入はもちろんだが、個人の意識を変革する必要がある。これまでのように成果主義による評価だけでなく、プロセスもきちんと評価し、情報を共有化する習慣を根付かせていく。将来的には蓄積したデータをもとに、個人に依存せずとも意思決定ができる組織にしたいと考えている。

その他には。

新規事業の確立だ。24年7月に新規事業組織を発足させた。今までも新規事業の開拓に向けたチームを組織することはあったが、一時的なもので継続性がなかった。本格的な専門組織を設けることで、将来の種まきを具体化させていく。

「海外事業の飛躍」も掲げている。

国内市場が縮小傾向にある中、海外市場の深耕は欠かせない。特にインドは輸出ベースで伸び始めており、今後に期待している。現在休眠中の拠点を復活させ、底上げを図っていくつもりだ。また、中国や東南アジアにも注力していく。特にタイは生産能力が向上し、海外生産の中核地にすることも検討している。将来的には海外比率を25%まで引き上げたい。

そのためには。

ブランドイメージを浸透させる。当社は創業以来、75年の長きにわたって日本のものづくりを支えてきたが、海外での知名度は高いとは言えない。100年企業に向けて、ブランディングを確立し、新たな冨士ダイスとして歩み出していくつもりだ。

金型新聞 2024年9月10日

関連記事

【金型応援隊】ジーシステム 改善重ね導き出した生産システム

多台持ちで生産効率化 ジーシステムはプレス金型用プレートなどの研磨加工を手掛ける。車の電動化や5Gの広がりを背景に電子部品向けの需要が拡大している。於保信一郎社長は、「さらに効率化して生産性を高め、需要に応えていきたい」…

【インタビュー】日本金型工業会会長(小出製作所社長)・小出悟氏「日本の金型の強みは細やかさと対応力」

天性の細やかさ数値で語る力が必要  経済産業省の工業統計によると、2018年の日本の金型生産額は1兆4752億円。生産量こそ中国に抜かれて久しいが、新素材の登場や部品の複合化、微細化が進み、依然として日本の高度な金型技術…

ジヤトコエンジニアリング<br>永倉 均社長に聞く CVT技術を磨く

ジヤトコエンジニアリング
永倉 均社長に聞く CVT技術を磨く

この人に聞く 2018 電気自動車(EV)の登場で部品点数が減少したり、エンジンがなくなったりするのではないかといった金型への影響を危惧する声は絶えない。オートマチックトランスミッション(AT)や無段変速機(CVT)など…

三光化成 エアと水のハイブリッド冷却【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

ラティス構造を採用し、材料費と造形時間を削減 自動車関連を中心に6000品目を超える樹脂成形部品を生産する三光化成。ソディックの金属3Dプリンタ「OPM350L」を活用し、水とエアを冷却媒体として活用する「ハイブリッドコ…

この人に聞く
東京鋲螺工機 高味寿光社長

国際競争に負けない型づくり  冷間鍛造金型メーカーの東京鋲螺工機(埼玉県新座市、048・478・5081)はこの10年間で、売上規模を倍増させた。リーマンショック後の急激な落ち込みから、超硬合金の直彫り加工技術の開発や顧…

トピックス

関連サイト