金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

25

新聞購読のお申込み

冨士ダイス ものづくり賞、最優秀賞を受賞

ガラス用金型材と超精密加工技術

超硬合金製金型メーカーの冨士ダイス(東京都大田区、03・3759・7181)が、精密工学会主催の「2024年度(第8回)精密工学会ものづくり賞」で最高の「最優秀賞」を受賞した。熱膨張係数の大きいガラス成形に適した硬質材料を開発し、超精密加工技術を確立したことが評価された。

同賞は精密工学分野で社会的価値の高い製品や技術を開発した企業に贈られる。2017年に創設され、今回で8回目を迎える。同社が同賞を受賞するのは初めて。

贈賞式の様子(左から林佑樹氏、清水智行氏、篠宮護取締役)

受賞したのは「ガラス成形用高熱膨張新硬質材料の開発および超精密加工技術の確立」。熱による寸法変化量をガラスと同程度の従来比2倍に引き上げた新硬質材料「フジロイTR05/TR30」に対し、表面粗さ(Ra)10‌nm以下、形状精度(PV値)0・4μmの高精度加工を実現した。

焼結ダイヤモンド(PCD)工具の機上ツルーイング技術を確立したことで、新硬質材料への超精密加工を可能にした。近年需要が増加する自動運転用センサや監視カメラ、医療分野向けガラス精密加工製品などへの適用を見込んでいる。

開発を担当した先端加工開発部の林佑樹氏は「まさか受賞できるとは思ってなかったので、非常にうれしい」と喜びを語った。同じく開発を担当した清水智行氏は「加工精度をさらに上げ、微細化を進める。また、新しい用途も探していきたい」とさらなる意欲を示した。

金型新聞 2024年12月10日

関連記事

日本コーティングセンター 愛知に新工場

大型プレス金型を開拓 日本コーティングセンター(神奈川県座間市、046-266-5800)はこのほど、愛知県岩倉市に新工場を設立した。投資額は約9億円。金型やホブカッター、ピニオンカッターなどの表面処理を手掛ける。半導体…

DMG森精機 AMの受託加工サービスを開始

AM Lab&Fabを開設 DMG森精機は伊賀グローバルソリューションセンターに「アディティブマニュファクチャリング Laboratory&Fabrication(以下、AM Lab&Fab)を開…

東亜成型 自社製品『マッスルジョッキ』が大阪市ふるさと納税返礼品に認定

自社ECサイトで販売中 自動車シートなどウレタン発泡用金型やアルミ鋳造を手掛ける東亜成型(大阪市西淀川区、06・6474・5688)は自社製品であるグリルプレート『グリルQ』に続き、『マッスルジョッキ』が大阪市のふるさと…

金型部品3社、全社減収見通し

金型部品3社の2026年3月期業績予想は米国の関税措置などの影響により、全社減収を見込む。関税政策を巡る高い不確実性が続く中、設備投資の先送りなどが懸念され、各社需要が減少するとみている。 パンチ工業は、減収減益を見込む…

プロニクス 短納期・自動化で成長目指す【金型の底力】

常に新たなことへ挑戦 測定受託サービスや医療部品、光コネクタ部品などの金型設計・製作、成形を手掛けるプロニクスは、短納期・自動化で事業成長を目指す。昨年11月、ベトナムに切削部品の加工を行う部品工場を立ち上げた。またホー…

トピックス

関連サイト