材料費や電気代の高騰が続き値上げが不可避の中、金型メーカーのユーザーへの価格転嫁は進んでいるのか。本紙はその実態を調べるため、金型メーカーにアンケートを実施した。結果から、値上げが受け入れられるようになりつつあるものの道…
日本精機 AM造形部品の品質を保証【特集:尖った技術を使いこなせ】
Ⅹ線CT解析ソフトを活用
採用が増えている金属AMによる金型の入れ子部品。ただ、明確な品質保証データがないことが採用への大きな壁となることは多い。造形後のワークからだけでは内部の巣の有無や、密度などの数値データを把握するのが難しいためだ。
立上げから3年半で700個以上のAM入れ子の納入実績を持つ日本精機はHexagonのX線CTデータ解析ソフト「VGSTUDIO MAX」を活用し、客観的データに基いたワークの品質を保証している。

同ソフトはX線CTのワーク解析で使われてきた技術。成形後の鋳物などをX線CTスキャンで撮像し、巣の有無、形状、密度などを解析する。
日本精機はこの技術をAM部品の品質保証に転用した。具体的には、造形中にリアルタイムで、高精度カメラで撮像した画像データを蓄積し、ワークをモデル化。そのモデルを基に巣や形状、密度などを計測する。それらのデータを品質保証として顧客に提出している。

その精度について、松原雅人常務は「解析したデータと実際のワークを検査したところ、差異はほぼゼロだった」という。また、「(現状、保証データを出している企業はないので)安心して使ってもらえる。割れが発生した際にそのデータをもとに顧客と品質に関する議論を進めている」と信頼性向上にも役立てている。
同社がAM造形に参入したのは4年近く前。当初から、AM入れ子を採用してもらうには、品質保証は絶対に欠かせない要素の一つだったという。「材料や部品はミルシートなどのデータが求められているのに、『AM入れ子のデータはありません』では採用が進むわけがない」(松原常務)。
現在はVGSTUDIO MAXを活用し、AM入れ子の品質を保証している同社だが、次に狙うのが品質保証の規格化だ。2025年度には岐阜大学らと共同で、AMに関するプロジェクトをスタートさせる計画で、そこでは品質保証に関する部会も設置する予定だ。
「現在はあくまで当社の規格。外部機関と連携することで、その規格をISOなどのように一般化させていく。そうすることで、AM入れ子をもっと当たり前に採用してもらえるようにしたい」(松原常務)。
会社概要
- 本社:愛知県名古屋市守山区中志段味2799
- 電話:052・736・0611
- 代表者:辻村正稔社長
- 創業:1920年
- 従業員数:62人
- 事業内容:ダイカスト金型の設計製作、金属AM部品製造など
金型新聞 2025年2月10日
関連記事
4月19〜22日、東京ビッグサイト青海展示棟で開催された国内最大の金型加工技術展「インターモールド2019」。注目を集めたのは、自動化や3Dプリンティング、IoTやAIなどより進化した次世代の技術だ。かつては夢物語だっ…
トヨタ自動車の豊田章男社長(現会長)が「自動車業界が百年に一度の変革期にある」と指摘して早5年。ここにきて、自動車メーカーの変化が加速してきた。トヨタは、大型アルミ部品を一体成形する「ギガキャスト」に参入すると発表。全個…
金型の売上高7・7%増 ニチダイ(京都府京田辺市、0774・62・3481)の2024年3月期の金型事業の売上高は、前年同期比7・7%増の51億1000万円だった。国内の主力ユーザー向けや海外向けが増加した。 精密部品事…
顧客の生産立ち上げ支援 プレス金型やプラスチック金型などを手掛けるサンワ金型(愛知県安城市、0566・92・6150)は社内のトライセンターにある300tトライ用プレス機に材料送り装置を導入。ニーズが増えている小ロット試…
