金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

27

新聞購読のお申込み

ササヤマ 笹山勝社長に聞く コア業務に専念できる環境に【特集 攻める設備投資】

自動車のシートや骨格部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは金型の競争力を高めるため、金型づくりのDXとベトナム子会社のデータ製作力の強化に取り組む。デジタル技術で金型づくりを効率化し、ベトナム子会社を同社グループのデータエンジニアリングセンターにする。これにより今後の事業成長の原動力となるコア業務に技術者が専念できる環境をつくるという。笹山勝社長にその狙いを聞いた。

時代を先取りし投資、DXで生産効率上げる

当社は2023年8月、新中期経営計画をスタートした。目的は金型の競争力の再強化。ウルトラハイテン材用プレス金型など得意とする技術をさらに伸ばし、その一方で金型の製作期間を半減させる。

それによって技術力の優位性と短納期を武器に、国内そして海外での競争でも打ち勝てるようにする。その一環として今、取り組んでいるのが金型づくりのDXとベトナムでの加工データ製作力の強化だ。

本社で設計ソフトの講習を受ける
ダッシュボードで生産の進捗や設備の稼働率がわかる

DXで進めているのは金型生産の見える化。全ての材料にQRコードを貼り、工程を経るごとにそれを読み取り生産進捗を管理している。この記録を分析し金型の工期予測の確度を高め、プロセスやコストも改善していく。

DXのもう一つはシミュレーションソフトの活用によるトライ回数の削減。工学部卒の技術者が工学的視座から解析結果を分析し、それを金型設計にフィードバックする。それによってトライの初期段階の精度の乖離をできる限り減らしている。

ベトナムにデータエンジニアリングセンター

一方、昨年7月に設立したベトナムの子会社は切削や放電などの加工データの製作力を高める。本社や米国子会社で使うデータ製作をベトナムに移し、ここをデータエンジニアリングセンターにする。いずれは技術者を育成し、現地で中小型の金型を設計製作できるようにしたい。

DXとベトナムでのデータ製作。これらの目的は当社の事業成長の原動力となるコア業務に技術者が専念できる環境をつくるため。生産管理やトライをはじめ、AIや解析技術の活用、そして取引先への課題解決提案などにもっと力を使えるようにする。そうすることで、当社が得意とする金型の競争力を高めていきたい。

ベトナム子会社の責任者グエン・ヴァン・トゥアン氏

設備投資で重要なのは時代を先取りすること。少し先の未来を予想し勝ち残るために必要なものを揃える。ただ取り巻く環境の変化は激しく、当社のような中小企業にとって投資の負担は大きい。だから、走りながら、環境の変化に合わせて、柔軟に考えていく。

金型新聞 2025年3月10日

関連記事

ヤマシタワークス ひょうごオンリーワン企業に認定

薬剤金型など高度な技術 薬剤用の金型や鏡面磨き装置を手掛けるヤマシタワークス(兵庫県尼崎市、06-4868-8477)はこのほど、兵庫県から2021年度「ひょうごオンリーワン企業」の認定を受けた。 同賞は兵庫県が世界に飛…

加工全体をCAE解析、開発リードタイムを短縮[プレス加工技術最前線]

自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…

共立精機(大連) ギガキャストで進む大型化【特集:進む設備の大型化】

12000tの金型に対応 大型のダイカストマシンで、アルミ部品を一体鋳造する「ギガキャスト」。トヨタ自動車やリョービが参入を表明し、注目を集めている。ただ、国内でギガの量産金型を手掛けた企業はほとんどない。 三重県の共立…

【鳥瞰蟻瞰】由紀ホールディングス 代表取締役社長・大坪正人 氏「中小製造業をグループ化、優れた技術守り次代につなげる」

中小製造業のグループ化事業に集中できる環境を整備優れた技術守り次代につなぐ 2006年に金型ベンチャー企業から父が経営するねじメーカーの由紀精密に入社しました。そこで感じたのは企業規模が小さすぎて、あらゆる機能が無さすぎ…

米山金型製作所が「微細成形ラボ」を設立するワケ

微細成形ラボを設立 量産化までの支援サービスを提供 自動車や医療などの精密プラスチック射出成形用金型を手掛ける米山金型製作所は今年9月、微細成形技術が提供可能な「微細成形ラボ」を設立する。既存設備よりも大型の射出成形機を…

トピックス

関連サイト