金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

03

新聞購読のお申込み

ササヤマ 笹山勝社長に聞く コア業務に専念できる環境に【特集 攻める設備投資】

自動車のシートや骨格部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは金型の競争力を高めるため、金型づくりのDXとベトナム子会社のデータ製作力の強化に取り組む。デジタル技術で金型づくりを効率化し、ベトナム子会社を同社グループのデータエンジニアリングセンターにする。これにより今後の事業成長の原動力となるコア業務に技術者が専念できる環境をつくるという。笹山勝社長にその狙いを聞いた。

時代を先取りし投資、DXで生産効率上げる

当社は2023年8月、新中期経営計画をスタートした。目的は金型の競争力の再強化。ウルトラハイテン材用プレス金型など得意とする技術をさらに伸ばし、その一方で金型の製作期間を半減させる。

それによって技術力の優位性と短納期を武器に、国内そして海外での競争でも打ち勝てるようにする。その一環として今、取り組んでいるのが金型づくりのDXとベトナムでの加工データ製作力の強化だ。

本社で設計ソフトの講習を受ける
ダッシュボードで生産の進捗や設備の稼働率がわかる

DXで進めているのは金型生産の見える化。全ての材料にQRコードを貼り、工程を経るごとにそれを読み取り生産進捗を管理している。この記録を分析し金型の工期予測の確度を高め、プロセスやコストも改善していく。

DXのもう一つはシミュレーションソフトの活用によるトライ回数の削減。工学部卒の技術者が工学的視座から解析結果を分析し、それを金型設計にフィードバックする。それによってトライの初期段階の精度の乖離をできる限り減らしている。

ベトナムにデータエンジニアリングセンター

一方、昨年7月に設立したベトナムの子会社は切削や放電などの加工データの製作力を高める。本社や米国子会社で使うデータ製作をベトナムに移し、ここをデータエンジニアリングセンターにする。いずれは技術者を育成し、現地で中小型の金型を設計製作できるようにしたい。

DXとベトナムでのデータ製作。これらの目的は当社の事業成長の原動力となるコア業務に技術者が専念できる環境をつくるため。生産管理やトライをはじめ、AIや解析技術の活用、そして取引先への課題解決提案などにもっと力を使えるようにする。そうすることで、当社が得意とする金型の競争力を高めていきたい。

ベトナム子会社の責任者グエン・ヴァン・トゥアン氏

設備投資で重要なのは時代を先取りすること。少し先の未来を予想し勝ち残るために必要なものを揃える。ただ取り巻く環境の変化は激しく、当社のような中小企業にとって投資の負担は大きい。だから、走りながら、環境の変化に合わせて、柔軟に考えていく。

金型新聞 2025年3月10日

関連記事

自動化で変わる金型メーカー 背景に従業員、事業所の減少【自動化で変わる金型メーカー】

生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるた…

21年3月期決算
丸順

コロナ影響下、減収増益 ハイテン加工技術などに注力 丸順(岐阜県大垣市、0584-46-3191)の2021年3月期連結売上高は、前年同期比7.7%減の448億2100万円となった。営業利益は同2.8%増の44億6400…

金型産業の未来・トヨタ自動車<br>高見 達朗氏に聞く

金型産業の未来・トヨタ自動車
高見 達朗氏に聞く

粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…

―スペシャリスト―〈ヘラ絞り〉山村製作所〈ヘラ型〉田中鉄工<br>ものづくり支える匠の技

―スペシャリスト―〈ヘラ絞り〉山村製作所〈ヘラ型〉田中鉄工
ものづくり支える匠の技

ヘラ棒と呼ばれる工具を回転する金属の板に押しあてて、滑らかな曲面や艶やかな平面に加工するヘラ絞り。品質の良い製品をつくるには、ヘラ棒を操る卓越した技術もさることながら、匠の技を受け止めることができる金型が必要だ。ヘラ絞り…

「新たな壁に挑み突破できる組織作り」 大垣精工・松尾幸雄社長[この人に聞く]

プレス金型及び量産を手掛ける大垣精工(岐阜県大垣市、0584-89-5811)は今年3月、松尾幸雄氏が社長に就任し、新たな船出に乗り出した。同社は独自の技術で世界シェア№1を誇るハードディスクドライブ(HDD)部品をはじ…

トピックス

関連サイト