金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

08

新聞購読のお申込み

ササヤマ 笹山勝社長に聞く コア業務に専念できる環境に【特集 攻める設備投資】

自動車のシートや骨格部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは金型の競争力を高めるため、金型づくりのDXとベトナム子会社のデータ製作力の強化に取り組む。デジタル技術で金型づくりを効率化し、ベトナム子会社を同社グループのデータエンジニアリングセンターにする。これにより今後の事業成長の原動力となるコア業務に技術者が専念できる環境をつくるという。笹山勝社長にその狙いを聞いた。

時代を先取りし投資、DXで生産効率上げる

当社は2023年8月、新中期経営計画をスタートした。目的は金型の競争力の再強化。ウルトラハイテン材用プレス金型など得意とする技術をさらに伸ばし、その一方で金型の製作期間を半減させる。

それによって技術力の優位性と短納期を武器に、国内そして海外での競争でも打ち勝てるようにする。その一環として今、取り組んでいるのが金型づくりのDXとベトナムでの加工データ製作力の強化だ。

本社で設計ソフトの講習を受ける
ダッシュボードで生産の進捗や設備の稼働率がわかる

DXで進めているのは金型生産の見える化。全ての材料にQRコードを貼り、工程を経るごとにそれを読み取り生産進捗を管理している。この記録を分析し金型の工期予測の確度を高め、プロセスやコストも改善していく。

DXのもう一つはシミュレーションソフトの活用によるトライ回数の削減。工学部卒の技術者が工学的視座から解析結果を分析し、それを金型設計にフィードバックする。それによってトライの初期段階の精度の乖離をできる限り減らしている。

ベトナムにデータエンジニアリングセンター

一方、昨年7月に設立したベトナムの子会社は切削や放電などの加工データの製作力を高める。本社や米国子会社で使うデータ製作をベトナムに移し、ここをデータエンジニアリングセンターにする。いずれは技術者を育成し、現地で中小型の金型を設計製作できるようにしたい。

DXとベトナムでのデータ製作。これらの目的は当社の事業成長の原動力となるコア業務に技術者が専念できる環境をつくるため。生産管理やトライをはじめ、AIや解析技術の活用、そして取引先への課題解決提案などにもっと力を使えるようにする。そうすることで、当社が得意とする金型の競争力を高めていきたい。

ベトナム子会社の責任者グエン・ヴァン・トゥアン氏

設備投資で重要なのは時代を先取りすること。少し先の未来を予想し勝ち残るために必要なものを揃える。ただ取り巻く環境の変化は激しく、当社のような中小企業にとって投資の負担は大きい。だから、走りながら、環境の変化に合わせて、柔軟に考えていく。

金型新聞 2025年3月10日

関連記事

金型部品3社、全社減収見通し

金型部品3社の2026年3月期業績予想は米国の関税措置などの影響により、全社減収を見込む。関税政策を巡る高い不確実性が続く中、設備投資の先送りなどが懸念され、各社需要が減少するとみている。 パンチ工業は、減収減益を見込む…

野宮産業 ブラシで金型メンテナンス【金型応援隊】

野宮産業は、工業用ブラシやブラシを使った自動機・洗浄機などを設計・製作するメーカー。顧客の要望に応じて作るオーダーメイド製作に強みを持つ。 同社の「金型清掃用ブラシ」は金型専用の毛材を使用しており、高温状態の金型を清掃で…

自動化で変わる人材 マルチ技術者を育成【自動化で変わる金型メーカー】

生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるた…

経産省素形材産業室 星野昌志室長が語る「素形材産業ビジョン」に込めた思い

経済産業省は3月28日、金型を始めとした日本の素形材産業が今後進むべき方向性についてまとめた「素形材産業ビジョン」を12年ぶりに公表した。3代目となる2025年版ビジョンでは、日本の素形材産業の現状や課題をまとめ、204…

ゲートジャパン 企業のDX化伴走支援を展開

部品調達システム「Genie-us」を開発 精密金型部品から金型設計・製作など幅広い事業を行うゲートジャパン(京都市伏見区、075・661・0360)はDXの先進事例として優秀と認めた企業を表彰する「KANSAI DX …

トピックス

関連サイト