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放電精密加工研究所 若狭工場 加工技術の中核拠点目指す【金型の底力】
柔軟な生産体制が強み
放電加工技術や表面処理による部品加工、金型、プレス機など幅広い事業を展開する放電精密加工研究所。国内に7つの製造拠点を持つ中、福井県若狭町に構える若狭工場では抜き型を中心としたプレス用金型の設計、製作などを行う。独自開発の工程管理システムを活用した柔軟な生産体制を強みとし、人材育成にも注力。同社における加工技術の中核拠点を目指す。
若狭工場は1996年に放電精密加工研究所のグループ会社によって設立。2019年に吸収合併された。プレス用金型の設計から製作、組立、トライ、メンテナンスまでを一貫して行い、顧客の図面に応じて製作する特殊製品だけでなく、通常のダイセット金型の構造を簡素化した「ハイセット金型」と呼ばれる規格製品なども手掛ける。主に自動車のシートフレームや建材などの製造に採用されている。

また、大和事業所(神奈川県大和市)で製造するサーボプレス機の部品や、他の製造拠点で使われる治工具なども手掛けている。旋盤やマシニングセンタ、放電加工機、研削盤といった多彩な加工設備を揃えており、さまざまな加工に対応できる。
こうした一品一様のものづくりを支えるのが独自開発した工程管理システムだ。設備の稼働状況、工程の進捗状況、製造原価、納期といった製造現場に必要なあらゆる情報を一元管理し、柔軟な生産を可能にしている。同システムでは設備のスケジュールを1分単位で管理できるようになっており、「状況に応じて細かく設備や人を組み替えることができる」(山本由和工場長)。

システム導入前もこうしたスケジュール管理を行っていたが、作業者が表計算ソフトを使って経験をもとに手作業で作成。多くの時間と手間を要するため、課題となっていた。同システムでは図面をもとに製造工程表を作成すると自動的にスケジュールが生成され、作業者の手間が大幅に削減されたという。
また、多様な設備を扱うことができる作業者が必要なため、人材育成にも力を入れている。若狭工場では加工に必要な工具の選定や加工条件なども各作業者に考えさせるようにしており、「ただ機械を操作できる人材ではなく、機械を使いこなして加工ができる人材を育てたい」(山本工場長)。

以前からスキルマップを導入し、従業員一人ひとりが保有する能力を可視化。また、5年ほど前からスキルマップを細分化し、作業や工程ごとに教育カリキュラムを作成する。動画マニュアルなどのデジタルツールも活用しながら、教育時間および作業習得時間の短縮につなげている。
こうした取り組みの一方で、自動化や省人化も進める。「ハイセット金型」の部品加工ではロボットを活用した自動化システムを導入している。将来的には夜間や休日の無人運転を増やし、稼働率向上を目指す。「まずは多数個加工など既存設備を有効活用し、無人運転に近づけていく」(山本工場長)。

若狭工場では今後、他の製造拠点で使う治工具や部品加工を強化していく考え。現在、各製造拠点に若狭工場が保有する技術力をアピールし、内製化を推進している。「当社における“加工技術センター”を目指していきたい」(山本工場長)。
会社概要
- 所在地: 福井県三方上中郡若狭町若狭テクノバレー1–5–3
- 電話: 0770・62・1810
- 代表者: 山本由和工場長
- 創立: 1996年
- 従業員: 32人
- 事業内容: プレス用金型の一貫製造(設計、製作、組立、トライ、メンテナンス)、金型周辺機器、治工具、試作部品の製造
金型新聞 2025年4月10日
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