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北日本金型工業が年間8社の新規開拓を実現、目指す姿はプラスチック総合メーカー

プラスチック金型から成形、組立までの一貫生産体制を強みとする北日本金型工業(福島県会津若松市、小椋庄太社長)。40~350tクラスの製品を得意とし、精密機器や産業機器、防災、衛生、医療ロボットなど多岐に渡る製品を手掛ける。「新規開拓」による営業エリアの拡大、金型と成形部門間での「業務シェア」による全体の最適化など、同社が注力する取り組みに迫った。

展示会やオンライン活用し、年間約8社を新規開拓

同社は東北、関東地方を中心に営業活動していたが、数年前から中部地方まで範囲を拡大。直近では年間約8社の新規開拓を実現した。営業範囲を広げるきっかけの一つとなったのが「IPF Japan2023(国際プラスチックフェア)」の出展だ。「量産品質で困っている顧客は多く、想定より反響が大きかった。高精度と実用性(メンテナンス、調整容易)を併せ持つ型設計構想に加え、成形や組立の治具開発までを提案し、新規の受注につながった」(小椋社長)。また、受注につながった要因として小椋社長は「金型から成形、組立までの一貫した量産体制に加え、品質や納期管理を行う間接部門を持っている。型設計製作だけではなく、付随する品質書類作成などのフィードバックも含め、モノづくり全体の納期対応力を評価してもらった」と話す。同社はIPF Japan2023をきっかけに中部地方の展示会にも出展。中部地方の新規開拓を順次進めた。

金型から成形、組立までの一貫した量産体制に加え、品質や納期管理を行う間接部門も保持する

営業範囲を拡大する際、有効な手段となったのがオンラインの活用だ。「営業は訪問するという固定概念があったが、コロナ禍でオンラインを活用できると気付いた。中部地方の顧客に対し、福島県から毎回訪問するのは難しいが、訪問しなければいけない要件以外は、技術打ち合わせ、工場案内などもオンラインで対応する営業手法を確立できた」(小椋社長)。 新規開拓を拡充する背景について小椋社長は「様々な要因で既存の仕事が急減するケースがあるため、新規開拓は常に行う必要がある。自社の営業方針は、特定の分野だけに注力しないこと。幅広い顧客から仕事を受注し、その技術と“勘所”を多く身に着けていくことで、特定分野での需要が落ち込んでも、売上利益の減少幅を少なくできる」と話す。

金型、成形部門で業務シェアし全体を最適化

同社は金型と成形で部署が分かれているが、事業部の垣根を超えた業務シェアを推進。例えば、金型は受注の波があるため、稼働が少ない時は成形部門の支援をする。一方、金型の稼働率が高い場合は成形部門から支援を行う。「単なる作業支援に留まらず、金型で実施している試作検証や測定技術を成形部門と共有するなど、互いのスキルアップにつながるようにしている」(小椋社長)。業務支援以外でも、人材を部門間で異動することもあるという。「金型と成形は一体となってその品質をつくり上げるものなので、同時に最適化を目指すのが望ましい。そのためには事業部間の垣根を超えて、互いの仕事を理解することが必要。全体を俯瞰で見れる人間が増えることで、工場全体の稼働率向上につながる」(小椋社長)。また、業務シェアを進める理由の一つとして、特定分野に留まらず、自身の可能性を広げて欲しいという狙いもある。「職務領域を広げることで、新しい適正が見つかるケースがある。自社では金型から成形、組立といったさまざまな仕事ができるので、色々なことにチャレンジし、成長につなげてもらいたい」(小椋社長)。

金型で実施している試作検証や測定技術を成形部門と共有するなど、互いのスキルアップにつなげる

同社は設備投資も毎年実施。新しい仕事をこなすために設備投資するケースもあるが、近年は老朽機の更新が主な目的という。小椋社長は「同じ機械を十数年使っていると、技術の進歩に気が付かなくなり、新しい世界が広がらない。最新の機械に触れることで、モチベーション維持にもつながる」と話す。 今後、設備投資を進める上で課題となるのが、工場内のスペースが手狭になってきている点だ。小椋社長は「自動化なども検討しているが、ラインを導入するスペースの余裕がない。今後新たな開拓分野も見据えており、工場の拡張整備や設備投資も動向を見て検討していきたい」と話した。

毎年設備投資を実施、新たな開拓分野も見据えている

理想の姿は「プラスチック総合メーカー」

同社の目指す理想像は「プラスチック総合メーカー」だ。小椋社長は「顧客に良質なプラスチック部品を納めるのが最終目的。金型や成形はそれを実現するための手段に過ぎない」と話す。業務シェアによる全体最適化もこのような理想像を意識した取り組みの一つだという。「受注から金型製作、試作、量産管理までをつなげた一気通貫のシステム作りを進めていく。自社では独自の生産管理システムを構築しているが、金型や成形などの各部門内の最適化に留まり、全体がうまくつながっていない。全体の業務の流れを『見える化』した上で最適のシステムを作り、より速く、良質なプラスチック部品を納める体制を築いていく」(小椋社長)。

小椋庄太社長

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