「約40年前に動的精度測定器から始まり、プレス機械、プレス品、金型を守る製品を担っており、引き続き、現場へ『安心・安全』を訴求したい」と語るのは取締役営業技術部長の阪森進氏。同社はプレス加工時のカス上がり検出器や材料の送…
精工技研 UV硬化樹脂で大口径レンズ【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】
独自の成形、金型技術で実現
樹脂レンズの光学設計から金型、成形、組立までを手がける精工技研は、紫外線(UV)硬化樹脂を用いた大口径レンズを開発した。独自の成形技術や金型技術によって実現。熱可塑性樹脂やガラスでは要求が満たせないレンズへの適用が期待されている。
UV硬化樹脂は硬化時に300度近くまで発熱するため、レンズの体積が大きくなると熱の制御が課題だった。また、硬化時の内部応力由来の複屈折と呼ばれる光が異なる方向に異なる速度で進む現象が起こりやすく、鮮明な画像を妨げる要因となっていた。

同社は金型や成形機を内製し、複屈折が発生しにくい独自工法を確立。これまで困難とされていたUV硬化樹脂の大口径レンズの成形を実現した。試作では口径60㎜、厚さ0・8㎜のレンズ成形に成功したという。
開発を担当した平尾朋三担当課長は「紫外線の照射強度や時間、波長などを工夫し、高精度のレンズ成形を可能にした」と話す。

想定する用途はAR/VRゴーグルやウェブガイド、プロジェクションレンズなど。こうした分野では大口径レンズの需要が増加している他、ガラスや熱可塑性樹脂のレンズでは満たせない要求が増えているという。「大口径で高精度・低複屈折のレンズを求めるニーズはさまざまな分野であると思う」(平尾氏)。
同社がレンズ事業に取り組み始めたのは、2006年。光ディスクなどで培った高精度な金型・成形技術を生かし、光や熱などの硬化樹脂に特化したレンズの製造に着手した。当初は主に携帯電話やスマホのカメラ用レンズを手掛けていた。現在は医療用小型カメラや、センシングデバイスなどのレンズを主力とする。
熱硬化樹脂レンズでも独自工法を開発し、変形や内部応力の少ない高精度なレンズの成形を可能としている。粘度の低い樹脂でも成形が可能なため、既存の射出成形では不可能な超小径、薄肉のレンズも製造できる。直径0・3㎜のレンズや最小厚み0・04㎜のレンズを製造した事例もあるという。
今後はもともと強みだった硬化樹脂に加え、熱可塑性樹脂のレンズ開発も進めていく。また、将来的には二次加工や周辺部品を手掛けることも視野に入れる。「光学部品に関する話が来たときには、あらゆる方法で提案できるようなレンズメーカーを目指したい」(平尾氏)。

会社概要
- 本社:千葉県松戸市松飛台296‐1
- 電話:047・311・5111
- 代表者:上野淳社長
- 創業:1972年
- 従業員:936人(連結)
- 事業内容:精密金型・精密成形品および光関連製品の開発・製造・販売
金型しんぶん2025年9月10日号
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