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東海エンジニアリングサービス カルコゲナイドガラスレンズの成形技術を確立 直径40㎜超を成形【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

解析を駆使、成形機も開発

東海エンジニアリングサービスは、直径40㎜超のカルコゲナイドガラスレンズの成形技術を確立した。CAEを駆使し、独自のノウハウを取り入れた成形機を開発して実現した。直径40㎜超は過去に例がなく、航空宇宙などの分野の需要を開拓したいという。

カルコゲナイドガラスレンズは可視光から14μmまでの波長の赤外線を透過する特長があり、監視カメラや車載カメラなどに使われる。しかしその一方、強度が低く、熱膨張率が大きく、熱伝導率が低いという特性も持っている。

金型(上)と直径40㎜超のカルコゲナイドガラスレンズ(下)

そのためレンズを成形する際、加熱し成形したガラスレンズを冷やす工程で、先に冷える外側とまだ暖かい内側の温度差による応力に耐え切れず割れてしまう。これまで成形できる直径の限度は約10㎜といわれてきた。

レンズ金型の開発は試作した金型でトライ成形し、レンズの割れや歪みから不具合の原因を探る。それをもとに金型を改良し、試作と金型改良のサイクルを回し品質を高めていく。ただカルコゲナイドガラスレンズのプリフォームは1枚数万円。コストが大幅にかかってしまう。

独自の成形機

そこでCAEを駆使した。これまでに培った経験やノウハウとこのガラスの物性値をもとにパラメータを検討。このガラスに詳しい技術者にも協力してもらい知恵を借りた。解析の精度を高め、最適な金型の形状や成形の温度設定を導いた。

ただ、金型で成形する際、加熱したプリフォームを冷却する温度管理が課題だった。従来の成形機は金型が温度の異なる7つのステージを経て成形する。そのためステージが変わるごとに温度が急に変わる。

そこで、開発を担当した生川遼太氏はより精密なヒートサイクルで成形する方法を考えた。「はじめは加熱から冷却まですべて手作業で試験を実施し、成形条件を模索した」。成形機メーカーに特注した専用機にはその機能を取り入れた。それにより直径40㎜超の量産を実現した。

東海エンジニアリングサービスは、次世代の製品に用いる新たなレンズの金型開発を得意とする。直径40㎜のカルコゲナイドガラスレンズもそのひとつ。直径が大きいほど遠くにある物を正確に捉えることができ、航空宇宙などの分野で今後需要の拡大を期待する。

井口祐介社長は、「これからも未踏のレンズ金型開発に挑戦していく。それは事業競争力を高めることに加え、次の時代のマーケティングにもつながる。高付加価値の金型開発を追求していく」。

井口祐介社長

会社概要

  • 本社:愛知県名古屋市北区黒川本通2‐27‐4
  • 電話:052・526・8092
  • 代表者:井口祐介社長
  • 設立:2001年
  • 従業員:23人
  • 事業内容:ガラスレンズ金型の設計・製作、CVD‐SiC金型材の開発・製造

金型しんぶん2025年9月10日号

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