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ムトー精工 AM金型の冷却水管を自動設計【特集:尖った技術を使いこなせ】
熟練技術を標準化し設計品質向上
ムトー精工は射出成形を主力に、金型製造から組み立てまでを一貫して手掛ける。主に車載部品や電子機器など精密な樹脂製品を製造する「金型が作れる成形メーカー」として、20年以上にわたり金属3Dプリンタを活用したAM金型の開発に取り組んできた。同社は今回、オートデスクのCAEソフト「Moldflow Insight」を導入し、熟練設計者の経験に依存していた冷却水管設計の標準化に取り組んだ。
AM金型の水管設計について、同社で金型技術開発を担う門屋博人次長は「設計者のセンスに依る部分が大きく、正解もない。人によって最適解が異なる世界」と属人的な点を課題に挙げる。

そこで導入したのが「Moldflow Insight」の「冷却水管最適化機能」だ。同機能は成形サイクルにおけるキャビティ表面温度の分布を解析し、金型全体を均一に冷却できる水管レイアウトを自動生成するもの。金型部品を事前に定義することで干渉を回避した設計も可能で、約48時間でレイアウトを作成。CAD出力後も必要に応じて修正を加えることで、より実用的な設計へ仕上げられる。
今回、この機能を活用したのは電子基板用モジュールボックス金型の入れ子部分。箱形状で均一な冷却による反り抑制が重要となる製品であり、肉厚の異なる複雑形状では従来、水管を十分に配置することが難しかった。

実際にこの機能を使い、門屋次長は「設計の自動化で誰が使っても同じ形になり、人による設計品質のばらつきをなくせる」と設計工程の標準化を評価する。また、「解析結果が設計の裏付けとなり、顧客への確かな説明材料としても有効になる」と、客観的なデータを提示できる点も利点に挙げた。これまで一発勝負になりがちだった設計を事前にシミュレーションできるようになったことも大きいという。
ムトー精工はこの6月で創業70周年を迎えた。熟練技能とデジタル技術を融合し、付加価値の高いAM金型づくりを追求していく。「会社がこれからも存続していくには、今以上に幅広い分野への展開が必要になる。新たな技術を積極的に取り入れ、さまざまな金型に対応できる力を磨いていきたい」(門屋次長)。
会社概要
- 本社:岐阜県各務原市鵜沼川崎町1-60-1
- 電話:058・371・1100
- 代表者:田中 肇社長
- 従業員:263人
- 事業内容:プラスチック製品の成形・金型製造
金型しんぶん2026年7月10日号
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