金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

15

新聞購読のお申込み

【新社長に聞く】アカマツフォーシス 稲波 孝 社長

技術提案力磨き、生産効率高める

信頼されるパートナーに

いなみ・たかし
1968年生まれ、大阪府四条畷市出身。86年太成高校(現太成学院大学高校)卒、赤松合金工具に入社。2006年営業技術部長、19年総括本部長、20年12月代表取締役社長に就任。座右の銘「為せば成る、成さねばならぬ何事も」。

 アカマツフォーシスは自動車部品などの精密冷間鍛造金型を手掛ける。「より良い金型を生み出し量産する部品の品質や生産性を高める。そうすることで顧客からもっと信頼されるパートナーになりたい」と抱負を語る。

 そのためにさらに磨きをかけたいと感じているのが、長年強みとしてきた技術提案力。歯車などの鍛造部品は形状全てを鍛造成形するネットシェイプが注目される。だが場合によっては金型に負荷がかかり寿命が低下し、金型コストが増えてしまうこともある。

 「品質、コスト。何を最も顧客が求めているかを理解する。そのうえでそれを実現する最適な鍛造成形と後加工の組み合わせを提案することが大切」。

 自動車の電動化や軽量化に伴い鍛造部品はアルミやチタンなども使われ、高難度の形状が増えている。「技術は進化する。営業が情報を集め、技術を協力しその解を導く。常に技術力を高め続けたい」。

 一方、生産性向上にも取り組む。多数個をセッティングし加工したり、休日も無人運転したり。昨年12月の社長就任から推進し約20%生産性が高まった。ロボットも導入し、いずれ24時間フル稼働にしたいという。

 その背景にあるのは営業時代の経験だ。金型は一年を通じて受注に波があり、多いときに生産能力を超えることがあった。「生産性を上げることができれば、納期遅れなどを心配せず、顧客に迷惑をかけることもない」。

 技術提案力も生産性も、取り組む目的は顧客からの信頼を高めるため。「顧客の技術課題に寄り添い、ともに解決していきたい」。

金型新聞 2021年4月10日

関連記事

~ひと~
武林製作所 技術部 山中 慎也さん(39)

指先でミクロンとらえる磨きの達人  指先はミクロンの誤差をとらえる。神経を研ぎ澄まし、砥石に力を加え、鏡面に仕上げていく。その技能で「なにわの名工若葉賞」にも選ばれた。金型磨きの達人だ。  整備士として勤めていた車の販売…

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –アジア–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…

日本金型工業会 会長 小出 悟氏 (小出製作所社長)
〜鳥瞰蟻瞰〜

金型は量産の道具 理解するマスターが必要人材発掘が経営者の仕事  「金型は量産のための道具である」と長年言い続けています。金型というものの本質がそこにあると思うからです。お客様は金型が欲しいわけじゃない。金型を使って効率…

型から成形まで一貫生産<br>コガネイモールド 村田 隆 常務

型から成形まで一貫生産
コガネイモールド 村田 隆 常務

この人に聞く2018  今年4月に樫山金型工業から社名を変更した「コガネイモールド」。携帯電話を中心としたプラスチック金型で一時代を築いた同社だったが、スマートフォンの登場によって需要が激減。しかし、一昨年に空圧機器メー…

【鳥瞰蟻瞰】枚岡合金工具代表取締役社長・古芝義福氏 「3S活動のカギはぶれない姿勢とビジョン」

事業継続のために始めた3S人を変え、行動体質にカギはブレない姿勢とビジョン  当社は冷間鍛造金型や文書・図面管理ソフト『デジタルドルフィンズ』、教育事業を手掛け、従業員数は23名です。社内のフリーアドレス化、リモートワー…

トピックス

関連サイト