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【金型の底力】富窪精機 高精度、高難度の部品加工に挑戦

高精度と5軸で高度な金型
培った技術生かし量産部品へ

 ゴム金型を主力に、月産30~40型を生産する富窪精機。試作用金型から量産用金型までトータルでサポートする。主要顧客は自動車の防振ゴムや吸気マニホールド、燃料ホースなど。国内メーカーはもとより海外自動車メーカー向けの金型も手がける。事業規模拡大、事業ウェイトのバランス化に向けて高精度・高難度の部品加工にも挑戦中だ。

富窪 俊一 社長

 富窪俊一社長は「当社の強みの一つは、高精度加工」という。工場内に±1℃に温度管理をする恒温精密加工室を設け、牧野フライス製作所の5軸制御立形マシニングセンタ「D500」と微細精密マシニングセンタ「iQ500」、安田工業のジグボーラ「YBM950V」を設置。燃料電池車(FCV)の燃料電池用セパレータ金型(ゴムシール用)はじめ超精密部品も製作している。

得意の高精度5軸加工
挑戦している精密円筒部品

 セパレータ金型では従来、ヘール加工が採用されていたが、溝深さ1㎜±5μmの高精度加工を「iQ500」と12万回転の高速スピンドルを使ってミリング加工に置き換えた。加工に汎用性を持たせることができ、工具コストも削減できる。

 一方、「ゴム金型の難しいところは、ゴムが柔らかいこと」という。金型が逆テーパになっていても、ゴムを変形させれば離型できる。金型コストを抑えるため、金型を分割せず一体で作るとアンダーカットを多用することになる。

 そこで必要になるのが5軸加工。同社のもう一つの強みは、5軸加工機を使いこなせること。現在、牧野フライス製作所の5軸制御MC、D500(恒温室内)とD800を擁し、フル稼働している。CAMは、CAM‐TOOL(C&Gシステムズ)とhyperMILL(OPEN MIND Technoligies)を用途・目的に応じて使い分ける。

 高精度な5軸加工機にスリムで高バランスの焼きバメ式工具ホルダを採用することで、工具長を短くでき、干渉による加工制限域を減らし、アンダーカット部を難なく加工できる。「回転時のバランスが良く、安定して高精度な加工ができる」という。精緻なCAMデータも威力を発揮する。結果、加工条件を上げることができ、納期短縮にも貢献している。

 現在、樹脂蛇腹ホース用金型に取り組んでいる。要求溝幅は0.2㎜。極小径エンドミルと焼きバメホルダを駆使し、5軸制御MCでエンドミルの当たる角度を正確に制御する必要がある。

5軸MC「D800」の前で、後列右が富窪社長

 もう一つ挑戦は、円筒の内面にスプライン加工など微細・高精度な加工を施す特殊部品だ。従来のスロッターでの加工をマシニングセンタに置き換える。CAMを駆使し、5軸加工機による切削工具の角度制御と、ワーク干渉回避で高精度に追い込む。「干渉との闘いですよ」と製造1課林雅典リーダーは笑う。

 今後は、金型以外の部品加工にも注力したい考えだ。受注の波を避けられない金型だけでなく「量産部品にも進出したい」と富窪社長。金型以外の売上高ウェイト20%を目指す。培った5軸制御加工と微細高精度加工のノウハウが、顧客を拡げようとしている。

会社概要

  • 本社:愛知県春日井市牛山町1238
  • 電話:0568-31-2520
  • 代表者:富窪俊一社長
  • 創業:1977年
  • 従業員:34人
  • 事業内容:ゴム用金型の設計製造、超精密部品加工。

Q・人材育成で何に取り組んでいるか。

多能工の育成を

 作業効率の向上に向けて、多能工育成に取り組んでいる。ある工程に仕事量が集中し、バランスが崩れるケースがある。そんなボトルネックの発生を防ぐためだ。コロナ禍の影響で仕事量が減少した昨年から、金曜日の午後に育成時間を設けた。チーム或いは個人個人にテーマを設定し、教わる側と教える側に分かれて研修・実習をする。徐々に効果が出てきている。

金型新聞 2021年5月14日

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