金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

07

新聞購読のお申込み

【この人に聞く】三井精機工業社長・加藤欣一氏「”高精度”生かし、金型加工に適した機械を提供」

三井精機工業(埼玉県川島町、049-297-5555)が、金型分野に注力している。今春、新型の微細加工機と、ジグ研削盤を発売。今後需要の拡大が期待される電気自動車(EV)や電子部品関連の金型加工向けを中心に売り込んでいく。「当社最大の強みである“高精度”を活かして、これからの金型加工に適した機械を提供していくことが必要」と話す加藤欣一社長に、金型加工向け新機種の特長や注力する理由、今後の展開などについて聞いた。

かとう・きんいち
1956年生まれ、山梨県出身。79年慶應義塾大学工学部機械科卒業後、三井精機工業入社。精機(工作機械)部門の営業副本部長や生産本部長、事業企画本部長などを経て、19年社長に就任し、現在に至る。

この春、金型加工向け新機種を発売した。

2機種を発売した。一つは、プレシジョンセンタ「PJ303X」だ。いわゆる微細加工機と呼ばれる機種で、高い寸法精度、面精度が要求される加工に適している。5Gの普及やスマホの進化などで、これからさらに需要が増えそうな精密電子部品やカメラレンズなどの金型加工向けに開発した。

もう一つは。

高精度ジグ研削盤「J750G」だ。テーブル移動量1530㎜、サドル移動量1020㎜と、国内外のジグ研削盤で最大のストロークを誇る。自動車の電動化で市場が拡大しているモータコア用金型のプレート加工に適しており、近年の大型化ニーズに対応する。

なぜ金型分野に注力するのか。

当社の機械は航空機部品や試作部品など一品一葉で高い精度が要求される加工を得意としてきた。金型もその内の一つで、15年ほど前に市場投入した5軸制御立形マシニングセンタ「Vertex」シリーズなどは、多くの金型企業に導入してもらっている。一方で、今後EVや5Gなどによって、金型加工に要求されるニーズも変化していくことが考えられる。こうしたニーズに対して、当社の最大の強みである“高精度”を生かし、これからの金型加工に適した機械を提供していくことが必要だと考えた。

どのように変化するか。

例えば現在、加工の高精度化が進み、切削と研削の境目がなくなりつつある。マシニングセンタで研削盤の加工領域をカバーするなど、1台の機械に求められる領域が広がっている。鏡面や超精密加工が可能な「PJ303X」はそうしたニーズに対応できる機械と言える。

微細加工機は競合メーカーも多いが、今後どのように提案していくか。

「PJ303X」はX、Y、Zの各直線軸にリニアモータを採用している。当社は20年以上前からリニアモータを搭載した機械を開発、販売しており、機械の精度と品質には大きな自信がある。それだけでなく、機上測定やIoTなどのアプリケーションも含めて提供していきたいと考えている。自動化システムもその一つ。なるべく人が介在しなくても高精度な加工を可能にする提案を行っていきたい。

金型新聞 2021年6月10日

関連記事

己が戦力知り戦略
日本金型工業会学術顧問 /日本工業大学客員教授
横田 悦二郎氏に聞く

〜世界の需要どう取り込む〜  世界の金型需要を取り込むには何が必要か—。世界各地の金型工業会の設立に関わり、世界中の金型業界をよく知る日本金型工業会学術顧問の横田悦二郎氏は「コロナで世界の金型需要は高まるが、需要を確保す…

次世代車で変わる型作り
冨山 隆アライアンス・グローバルダイレクターに聞く

 厳しくなる世界各国の燃費規制に対応するため電気自動車(EV)を始めとする、次世代自動車の浸透スピードは加速している。加えて、自動運転も次世代技術として注目を集めている。こうした自動車の変化は金型にどう影響するのか。電動…

この人に聞く2016 <br>C&Gシステムズ 塩田 聖一社長

この人に聞く2016
C&Gシステムズ 塩田 聖一社長

開発やサポートを強化 金型業界を支え続ける存在に  金型用CAD/CAMメーカー、C&Gシステムズの業績が回復を続けている。グラフィックプロダクツとコンピュータエンジニアリングが合併してから6年間の年平均成長率が9%を超…

小林工業 佐藤正樹新社長インタビュー、利益向上し夢を持てる会社に

粉末冶金金型メーカーの小林工業(秋田県由利本荘市)は、今年の6月に社長を交代。新社長として、佐藤正樹氏が就任した。佐藤社長に今の意気込みや注力していくこと、今後の目標などを聞いた。 ―これまでの経歴を教えてください 代表…

【金型の底力】日本精機 金属3Dプリンタの技術や知見を蓄積

ダイカスト金型メーカーの日本精機は金属3Dプリンタを活用した金型づくりに本格的に乗り出す。7月に金属3Dプリンタ2台を導入した。きっかけはSKD61相当材で造形が可能になり、金型への適用領域の可能性が広がってきたこと。ま…

トピックス

関連サイト