金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

14

新聞購読のお申込み

【この人に聞く】三井精機工業社長・加藤欣一氏「”高精度”生かし、金型加工に適した機械を提供」

三井精機工業(埼玉県川島町、049-297-5555)が、金型分野に注力している。今春、新型の微細加工機と、ジグ研削盤を発売。今後需要の拡大が期待される電気自動車(EV)や電子部品関連の金型加工向けを中心に売り込んでいく。「当社最大の強みである“高精度”を活かして、これからの金型加工に適した機械を提供していくことが必要」と話す加藤欣一社長に、金型加工向け新機種の特長や注力する理由、今後の展開などについて聞いた。

かとう・きんいち
1956年生まれ、山梨県出身。79年慶應義塾大学工学部機械科卒業後、三井精機工業入社。精機(工作機械)部門の営業副本部長や生産本部長、事業企画本部長などを経て、19年社長に就任し、現在に至る。

この春、金型加工向け新機種を発売した。

2機種を発売した。一つは、プレシジョンセンタ「PJ303X」だ。いわゆる微細加工機と呼ばれる機種で、高い寸法精度、面精度が要求される加工に適している。5Gの普及やスマホの進化などで、これからさらに需要が増えそうな精密電子部品やカメラレンズなどの金型加工向けに開発した。

もう一つは。

高精度ジグ研削盤「J750G」だ。テーブル移動量1530㎜、サドル移動量1020㎜と、国内外のジグ研削盤で最大のストロークを誇る。自動車の電動化で市場が拡大しているモータコア用金型のプレート加工に適しており、近年の大型化ニーズに対応する。

なぜ金型分野に注力するのか。

当社の機械は航空機部品や試作部品など一品一葉で高い精度が要求される加工を得意としてきた。金型もその内の一つで、15年ほど前に市場投入した5軸制御立形マシニングセンタ「Vertex」シリーズなどは、多くの金型企業に導入してもらっている。一方で、今後EVや5Gなどによって、金型加工に要求されるニーズも変化していくことが考えられる。こうしたニーズに対して、当社の最大の強みである“高精度”を生かし、これからの金型加工に適した機械を提供していくことが必要だと考えた。

どのように変化するか。

例えば現在、加工の高精度化が進み、切削と研削の境目がなくなりつつある。マシニングセンタで研削盤の加工領域をカバーするなど、1台の機械に求められる領域が広がっている。鏡面や超精密加工が可能な「PJ303X」はそうしたニーズに対応できる機械と言える。

微細加工機は競合メーカーも多いが、今後どのように提案していくか。

「PJ303X」はX、Y、Zの各直線軸にリニアモータを採用している。当社は20年以上前からリニアモータを搭載した機械を開発、販売しており、機械の精度と品質には大きな自信がある。それだけでなく、機上測定やIoTなどのアプリケーションも含めて提供していきたいと考えている。自動化システムもその一つ。なるべく人が介在しなくても高精度な加工を可能にする提案を行っていきたい。

金型新聞 2021年6月10日

関連記事

【新春特別インタビュー⑤】稲垣金型製作所取締役・稲垣 武洋氏「イノベーションを起こし新しい収益モデルを創る」

常識にとらわれない金型 イノベーションを起こし新しい収益モデルを創る 〜新ビジネス〜  1975年生まれ、静岡県出身。98年立命館大学卒業後、富士通に入社し、システム販売などに従事。2004年稲垣金型製作所に入社、18年…

三菱重工工作機械 佐郷昭博氏に聞く<br>高精度金型向けマシン<br>段差ゼロ、誤差ゼロへ

三菱重工工作機械 佐郷昭博氏に聞く
高精度金型向けマシン
段差ゼロ、誤差ゼロへ

三菱重工工作機械が金型加工向け販売を強化している。小型機から5面加工機までラインアップを揃え、より高精度を求められている金型をターゲットに、最適ソリューションを提案する。その背景、今後の展開を佐郷昭博取締役トータルソリュ…

ユウワ CO2排出量の削減など環境負荷低減

脱炭素社会に向けた金型づくり スマートフォン向け電子部品などの微細精密モールド部品の金型から量産までを手掛けるユウワは、脱炭素社会の実現に向けた金型づくりを進めている。昨年7月から本社工場の全電力を再生可能エネルギー由来…

昭和精工 木田康隆社長 「社員の幸福を追求し、収益力の向上を目指す」

精密プレス金型メーカーの昭和精工(横浜市金沢区、045・785・1111)の社長に昨年11月29日付で就任。いとこである木田成人前社長から経営を引き継いだ。 入社から15年ほどはほぼ一貫して金型設計を担当していたが、20…

トヨタ紡織と技術協定<br>岩手大学

トヨタ紡織と技術協定
岩手大学

 今年3月、岩手大学と自動車部品メーカーのトヨタ紡織は生産技術開発を中心とした連携で包括協定を結んだ。両者は今後6年に渡り、生産技術のほか、幅広い分野で共同研究を進めていく。「大学全体で連携し、技術開発だけでなく、学生の…

トピックス

関連サイト