金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

18

新聞購読のお申込み

【金型の底力】サムテック 結果や成果を出し切ることが重要

熱間鍛造の一貫生産 社員と共に成長へ

真中が阪口専務
金型加工技術の強化

「挑戦は常に行っているが、挑戦すると失敗もある。それを皆で共有し、次へ進むことが重要だ」と話すのはサムテックの阪口直樹専務。熱間鍛造事業を主力に、型設計・製作、鍛造ライン(羽曳野工場など国内14ライン・海外5ライン)を持ち、月間420万ピースの鍛造品を生産。主に、ホイールハブユニットベアリングや四輪駆動用カップリング、クラッチハブやプーリーなどトランスミッションから伝導装置、足回り部品の丸物に特化した鍛造品を手掛け、年間生産量は8万トン(国内)、売上高は230億円(海外含む)を超え、自動車産業を支える企業の1つだ。

同社の特長は自社開発した閉塞熱間鍛造などの精密鍛造技術で、ホイールハブユニットベアリング外輪の鍛造では外バリを出さず、材料歩留まりを向上させ(10~15%)、大幅にコストダウンするなど技術の開発に注力。直近はプロペラシャフトやハブユニットベアリングの仕上げ切削を行い、型製作から鍛造、仕上げまで一貫生産体制を構築。これまで見えなかった鍛造の課題解決に取り組み、自動車メーカーなどから受注も増加。プレス機の増設や金型設備の強化など成長に結びつけている。

「自動車業界は休むと誰かが抜いていく。常に新製品や改善に取り組まないと続けられない」と阪口専務は業界の厳しさ、向上心の重要性を語る。熱間鍛造の大きな課題は金型費と型寿命。寿命を延ばすには鍛造時の荷重軽減が1つの方法で、熟練技能者の絶妙な荷重加減や金型の工夫が大きい。「荷重が20tに変われば型寿命も変わる」と、解析技術の活用や金型加工の技術強化を図る。

マシニングセンタ加工ライン

そこで、ジェイテクト製マシニングセンタを計13台導入。最適な工具選定や切込み量を増やすなど加工パスの見直し、多数個を同時加工できる治具開発を行ったほか、機上の工具計測も取り入れ、工具の折損検知・摩耗状況を把握し、加工の安定化を実現。休日の無人稼働やダウンタイム削減など生産性向上や稼働率30%向上を目指す。さらに、複雑な金型原価管理のシステム構築や5軸加工機導入も視野に入れる。

「結果や成果を出し切ることが重要。その力がまだ弱い」と阪口専務はKPIをベースに、人材育成プロジェクトを始動。部門別損益や製造原価低減、型寿命向上など製造、営業、業務担当の各自に目標を持たせ、面談しながら成果が出せるようにフォローする。例えば、4S活動で改善を行うも、時間が経つと元の状態に戻ることはよくあるが、目印による場所の指定など考えなくてもできる仕組みが重要だ。「大事なことは問題の本質を見極めること。人ではなく解決するシステムがカギだ」と細かい所まで目を配り、仕組みで改善方法を探す。「現状を否定し、課題を見つけ、解決する好循環を作れば、モチベーションも高まる」と全社員のチームワークを結集することが次の成功へ導く原動力となる。「製造業は人が主役。少し前にあった納期問題も全社員が情報を共有することで段取りも良くなり改善してきた。社員の総合力を出すことができれば、出来ないことはない」と中期経営計画では売上高250億円を掲げ、活気ある会社を目指す。

金型新聞 2021年10月10日

関連記事

「世界のオギハラ」再建<br>-長谷川 和夫社長に聞くー

「世界のオギハラ」再建
-長谷川 和夫社長に聞くー

米に工場、生産力強化  自動車ボディ向けプレス金型を手掛けるオギハラの社長が今年1月に交代した。新社長はアメリカ現地法人副社長の長谷川和夫氏。製造部門を経験し、長く海外畑を歩み、海外自動車メーカーの金型調達や開発にも携わ…

この人に聞く
ツバメックス 山村福雄 社長

サンスターグループ傘下に  プレスやプラスチック金型を手掛けるツバメックス(新潟県新潟市、025-375-4945)は今年2月、オートバイ用部品などを手掛けるサンスター技研(大阪府高槻市、072・681・0351)に全株…

立形5軸MCによる自動化を提案 高橋章氏(安田工業 営業本部国内営業部 部長)【この人に聞く】

EV金型を高精度加工、自動化提案や技術向上に力 安田工業はこのほど、立形5軸マシニングセンタ(MC)の新機種「YBM Vi50」を発表した。立形5軸MCの中型機で、EV(電気自動車)部品の金型を高精度、高能率に加工できる…

この人に聞く2015 <br>製造業コンサルティング <br>O2(オーツー)松本 晋一社長

この人に聞く2015
製造業コンサルティング
O2(オーツー)松本 晋一社長

潜在する魅力引き出す 製造×サービスで価値を創造  プラスチック金型メーカーの安田製作所は今春、社名を「IBUKI」に変更した。昨年9月、同社を傘下に収めた、製造業向けのコンサルティング会社O2(東京都港区)の松本晋一社…

この人に聞く
DMG森精機 森 雅彦社長

 金型の大型化ニーズが進んでいる。電気自動車の開発や環境規制により車の軽量化を図るため、大型部品のアルミ化や樹脂化、超高張力鋼板の採用が増加しているからだ。工作機械メーカーの中でも、金型の動向から大型加工機に注力し始めて…

トピックス

関連サイト