大学発ベンチャーとしてBESTOWSを設立した、神戸大学工学部助教。製造AIの研究開発や産業機械・専用機などの設計・製作を手がけるアルムのCTOも務めており、AIが加工プログラムを自動で作成する「アルムコード1」の開発に…
【金型の底力】サムテック 結果や成果を出し切ることが重要
熱間鍛造の一貫生産 社員と共に成長へ


「挑戦は常に行っているが、挑戦すると失敗もある。それを皆で共有し、次へ進むことが重要だ」と話すのはサムテックの阪口直樹専務。熱間鍛造事業を主力に、型設計・製作、鍛造ライン(羽曳野工場など国内14ライン・海外5ライン)を持ち、月間420万ピースの鍛造品を生産。主に、ホイールハブユニットベアリングや四輪駆動用カップリング、クラッチハブやプーリーなどトランスミッションから伝導装置、足回り部品の丸物に特化した鍛造品を手掛け、年間生産量は8万トン(国内)、売上高は230億円(海外含む)を超え、自動車産業を支える企業の1つだ。
同社の特長は自社開発した閉塞熱間鍛造などの精密鍛造技術で、ホイールハブユニットベアリング外輪の鍛造では外バリを出さず、材料歩留まりを向上させ(10~15%)、大幅にコストダウンするなど技術の開発に注力。直近はプロペラシャフトやハブユニットベアリングの仕上げ切削を行い、型製作から鍛造、仕上げまで一貫生産体制を構築。これまで見えなかった鍛造の課題解決に取り組み、自動車メーカーなどから受注も増加。プレス機の増設や金型設備の強化など成長に結びつけている。
「自動車業界は休むと誰かが抜いていく。常に新製品や改善に取り組まないと続けられない」と阪口専務は業界の厳しさ、向上心の重要性を語る。熱間鍛造の大きな課題は金型費と型寿命。寿命を延ばすには鍛造時の荷重軽減が1つの方法で、熟練技能者の絶妙な荷重加減や金型の工夫が大きい。「荷重が20tに変われば型寿命も変わる」と、解析技術の活用や金型加工の技術強化を図る。

そこで、ジェイテクト製マシニングセンタを計13台導入。最適な工具選定や切込み量を増やすなど加工パスの見直し、多数個を同時加工できる治具開発を行ったほか、機上の工具計測も取り入れ、工具の折損検知・摩耗状況を把握し、加工の安定化を実現。休日の無人稼働やダウンタイム削減など生産性向上や稼働率30%向上を目指す。さらに、複雑な金型原価管理のシステム構築や5軸加工機導入も視野に入れる。
「結果や成果を出し切ることが重要。その力がまだ弱い」と阪口専務はKPIをベースに、人材育成プロジェクトを始動。部門別損益や製造原価低減、型寿命向上など製造、営業、業務担当の各自に目標を持たせ、面談しながら成果が出せるようにフォローする。例えば、4S活動で改善を行うも、時間が経つと元の状態に戻ることはよくあるが、目印による場所の指定など考えなくてもできる仕組みが重要だ。「大事なことは問題の本質を見極めること。人ではなく解決するシステムがカギだ」と細かい所まで目を配り、仕組みで改善方法を探す。「現状を否定し、課題を見つけ、解決する好循環を作れば、モチベーションも高まる」と全社員のチームワークを結集することが次の成功へ導く原動力となる。「製造業は人が主役。少し前にあった納期問題も全社員が情報を共有することで段取りも良くなり改善してきた。社員の総合力を出すことができれば、出来ないことはない」と中期経営計画では売上高250億円を掲げ、活気ある会社を目指す。
金型新聞 2021年10月10日
関連記事
自動車向け大型プラスチック射出成形用金型メーカーのTMWが、金型製造の効率化に向けた取り組みを進めている。販売代理店も務めるクランプシステムや、5軸加工に対応した最新の切削工具などを活用し、加工時間や段取り工数の短縮、5…
とんでもない良い会社に 超精密のナガセインテグレックス(岐阜県関市)で画期的なイグタープ(IGTARP)デザインの導入など開発部門を率いてきた新藤良太常務が、昨年10月、代表取締役社長COOに就任した。長瀬幸泰社長は、代…
コロナをチャンスに 「金型メーカーとして、コロナ禍で何かできることはないかと思ったのです」。そう話すのは、金型技術を活かし、フェイスシールドを作成した城南村田(東京都大田区、03-5744-3555)の青沼隆宏社長。 …
微細加工の大型化に対応 工作機械の「マザーマシン」として世界で高い評価を得ている安田工業。近年、金型業界でもニーズが高まる微細加工向けとしてJIMTOF2016で「YMC650」を発表し微細加工分野の開拓に努めている。…


