粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…
新日本工機・中西 章社長「ものづくり力向上を支援」
「30年間お客様とものづくりを改善し続けられる存在でありたい」—。そう話すのは一昨年に新日本工機の社長に就任した中西章氏。ライフサイクルの長い大型機械が強みなだけに、「長期間にわたって、顧客のものづくりをサポートするのは当然」だからだ。そのために、機械だけでなく、ソフト、制御を通じ、改善し続ける仕組みを構築している。4月に開かれるインターモールドでは「金型メーカーの課題をお聞きしたい」と話す、中西社長に同社の取り組みなどを聞いた。

なかにし・あきら
1981年生まれ、東京都出身。慶応義塾大学経済学部卒業後、横浜ゴム入社。経営共創基盤を経て、新日本工機入社。2020年社長就任。
30年間改善し続けられる存在に
顧客と長期的な関係を重視する理由は。
当社の大型機械は30年以上稼働する製品も多い。それだけ長く使って頂くのだから、その間、改善提案を続けるのは当然だ。そのために長期的な信頼関係も欠かせない。例えば、機械が保証精度内に入っていても、お客様の加工でNGがあるなら徹底的に改善に取り組む。顧客が満足できるものづくりを実現できなければ、我々の機械に価値はないと思っている。
大変ですが、加工技術の向上につながりますね。
金型加工機「DC—L」がその例の一つだ。ある顧客と10年以上かけて課題に向き合った。コストや性能を勘案しながら、X軸をリニア駆動に置き換えて課題を解決した。今後は機械技術だけでなく、デジタル技術も重要になってくる。
具体的に教えて欲しい。
金型づくりの課題は設計からトライまでのプロセス全体のリードタイムを短くすることだと認識している。それを実現するには、今まで見えなかったプログラムから加工状態までの変数を有機的に「見える化」することが重要になる。それにより金型づくりのプロセス全体の精度向上にアプローチができるようになる。
どう対応するのか。
当社の機械には「インテリジェントPC」という機能を搭載しており、加工中のあらゆるデータが収集できる。プログラム解析結果との比較や、設計データとの比較を通じて、より高い精度を追求していく。設計データから加工実績までの誤差を最小化し、金型づくりのプロセスに多数存在する変数を少しでも減らすことに貢献したい。
制御はどうでしょうか。
金型加工に特化した制御システム「DCS—Ⅷ」を搭載している。設計データを崩すことなく、速く、きれいに加工するための独自の制御システムだ。自動車デザインで重要視されているキャラクターラインをしっかり出す加工を実現する機能も追加している。
初めてインターモールドに出展します。
機械、ソフト、制御の三位一体で、金型で求められる「高速」、「高精度」、「高面品位」を実現する技術をお伝えしたい。展示も重要だが、インターモールドは金型メーカーさんの困りごとを聞く場でもあると考えている。大型金型加工に関する課題をお聞かせ頂きたい。
金型新聞 2022年3月10日
関連記事
今年6月の日本金型工業会の総会で、3期6年会長を務めた小出悟氏(小出製作所社長)に代わり、新たに会長に就任した山中雅仁氏(ヤマナカゴーキン社長)。「金型づくりはもっとワクワクできる魅力的な仕事のはず。ワクワクするために儲…
この人に聞く 2018 ソディックは今年1月、創業者の古川利彦氏が名誉会長に、金子雄二社長が会長に就く人事を発表。3月29日付で、古川名誉会長の子息でもある古川健一副社長が社長に就任した。「顧客の要望に『できない』と言…
「お客様が求める油を作りたい」と語るのは、サンコーオイルの菅大祐専務。同社ではユーザーが求める価格帯や性能、さらには環境への影響まで考慮し、オーダーメイドで切削油の製造を行い、好評を得ている。 切削油のオーダーメイド…
各種工業用ヒーターや金型均熱システムなどを手掛ける平和電機(愛知県一宮市、0586-77-4870)は独自のエンジニアリング力を強みに、金型メーカーの様々なニーズに応える。近年はSDGsなど循環型社会への貢献を目指し、新…


