金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

07

新聞購読のお申込み

東亜成型 キャンプ用品を販売

培った技術活かす

自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えており、医療関連や半導体関連ではこれまで以上に部品の複雑化や微細化が進んでいる。多くの金型メーカーが、こうした変化をチャンスと捉え、自社の高い金型技術や加工技術などを生かし、新しい需要を上手く取り込もうと動き始めている。新規設備に投資したり、独自の商品や技術を開発したり、その取り組みは様々だ。政府も補助金などの支援制度を設け、金型メーカーの新分野の開拓を後押ししている。金型メーカーの新分野はどこにあるのか。“ニューフロンティア”を目指す各社の挑戦に迫る。

東亜成型 グリルQ

一つで多様な料理ができる

BtoC向け開拓に力

浦竹重行社長

当社は自動車のシートなどの金型を手がけています。金型メーカーはどこもそうだと思いますが当社も受注の波が激しく、不況時には一気に暇になってしまう。自動車を作らない状況では、いくら営業を頑張ったとして売り上げにつなげることは難しい。そんな中で売上の分散のため、不況時でも自社の努力で売ることができるBtoC向けの製品開発は、以前から考えていました。

その中で初めて商品として完成したのが、バーベキュー用の料理器具「グリルQ」です。アイデアは、「たこ焼きを作りながらお好み焼きも焼きたい」という家庭内でのちょっとした会話から生まれ、試作品を作っては自宅で試しながら、ようやく完成しました。

焼く、煮る、揚げる、蒸すといった4つの調理法に対応しており、自宅でもキャンプでも使えるように設計しています。

自社製品を売り出す上で大切なのは、何ができて何ができないかを見極めることだと思います。例えばグリルQのPR。自社だけで行っても効果は薄いと考え、広報用のWEBサイト作りは専門業社に、SNSでの拡散は会社として付き合いのある学生さんに依頼するなど、必要ならば費用を払ってでもプロや、慣れている人に任せることにしました。一方、比較的簡単な広報サイトの記事の更新作業などは、自社で行っています。

自社でできることは自社で、それが無理なものは外部に任せる。それだけで、無駄にお金をかけることも本業をおろそかにすることもなく、効率的な製品開発や広報活動ができます。

今後もBtoC向け製品の開発には注力していく予定です。グリルQのカスタム品は既に構想がありますが、それ以外にも一般顧客向けの金属部品製造も考えています。例えばバイクのカスタム部品。専用品がなく汎用品も適合しない車種は、装備を諦めるしか自作するしかない。バイク用品に限らず、そういった「欲しいけど存在しない」商品は、BtoCビジネスの中に埋もれているはず。そういった見えない需要に対して、上手く受注システムを整えるなどすれば、さらに多様な市場に挑むことができると考えています。

会社概要

  • 本社:大阪府大阪市西淀川区中島2-11-98
  • 電話:06-6474-5688
  • 代表者:浦竹重行社長
  • 従業員数:15人
  • 事業内容:自動車・バイク用ウレタン発泡金型、厚物真空成型型の製造、販売

金型新聞 2022年3月10日

関連記事

リョービ、新田真部長インタビュー 解析駆使し開発期間短縮【特集:ダイカスト最前線】

金属3D積層で水管自在 リョービはダイカスト金型の開発で、ダイカストプロセス解析技術の向上や、金属3D積層埋め子(入れ子)の活用を進めている。金型の設計・製作期間を短縮し、またギガキャストなど次代の製品の金型を開発にも活…

加工全体をCAE解析、開発リードタイムを短縮[プレス加工技術最前線]

自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…

年間500型以上を生産する工場長が実践する現場のスケジュール管理、最適化術【特集:工場長の条件】

時には経営者、時には教え諭す教育者—。工場長には多様な役割が必要だ。こうしたマルチタスクをこなすために、どのようなことを意識しながら、責務を果たしているのか。現役工場長に、工場長としての哲学を聞いた。 工程管理の見える化…

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

掛け金率選択制に 税控除など利点大きく 社員の第2の人生豊かに 日本金型工業厚生年金基金は昨年11月2日、いったん解散し「日本金型工業企業年金基金」として生まれ変わった。高い予定利率などの旧制度の課題を解決するとともに、…

豊田自動織機が金属AMのコスト増を吸収した方法とは

金型や部品の造形で金属AMを活用する際、必ず指摘されるのがコスト。装置の価格はもとより、粉末材料が高価なことに加え、設計や解析などに多くの工数が発生するため、どうしても製造コストは高くなる。一方で、高い冷却効果による生産…

トピックス

関連サイト