インターネットなどのネットワークを経由してソフトを提供する「SaaS(サース)」。ファイル共有サービスやビジネスチャットツールなど、さまざまなソフトで普及が進む中、金型設計などで活用するシミュレーションソフトでもクラウド…
東亜成型 キャンプ用品を販売
培った技術活かす
自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えており、医療関連や半導体関連ではこれまで以上に部品の複雑化や微細化が進んでいる。多くの金型メーカーが、こうした変化をチャンスと捉え、自社の高い金型技術や加工技術などを生かし、新しい需要を上手く取り込もうと動き始めている。新規設備に投資したり、独自の商品や技術を開発したり、その取り組みは様々だ。政府も補助金などの支援制度を設け、金型メーカーの新分野の開拓を後押ししている。金型メーカーの新分野はどこにあるのか。“ニューフロンティア”を目指す各社の挑戦に迫る。
東亜成型 グリルQ

BtoC向け開拓に力

当社は自動車のシートなどの金型を手がけています。金型メーカーはどこもそうだと思いますが当社も受注の波が激しく、不況時には一気に暇になってしまう。自動車を作らない状況では、いくら営業を頑張ったとして売り上げにつなげることは難しい。そんな中で売上の分散のため、不況時でも自社の努力で売ることができるBtoC向けの製品開発は、以前から考えていました。
その中で初めて商品として完成したのが、バーベキュー用の料理器具「グリルQ」です。アイデアは、「たこ焼きを作りながらお好み焼きも焼きたい」という家庭内でのちょっとした会話から生まれ、試作品を作っては自宅で試しながら、ようやく完成しました。
焼く、煮る、揚げる、蒸すといった4つの調理法に対応しており、自宅でもキャンプでも使えるように設計しています。
自社製品を売り出す上で大切なのは、何ができて何ができないかを見極めることだと思います。例えばグリルQのPR。自社だけで行っても効果は薄いと考え、広報用のWEBサイト作りは専門業社に、SNSでの拡散は会社として付き合いのある学生さんに依頼するなど、必要ならば費用を払ってでもプロや、慣れている人に任せることにしました。一方、比較的簡単な広報サイトの記事の更新作業などは、自社で行っています。
自社でできることは自社で、それが無理なものは外部に任せる。それだけで、無駄にお金をかけることも本業をおろそかにすることもなく、効率的な製品開発や広報活動ができます。
今後もBtoC向け製品の開発には注力していく予定です。グリルQのカスタム品は既に構想がありますが、それ以外にも一般顧客向けの金属部品製造も考えています。例えばバイクのカスタム部品。専用品がなく汎用品も適合しない車種は、装備を諦めるしか自作するしかない。バイク用品に限らず、そういった「欲しいけど存在しない」商品は、BtoCビジネスの中に埋もれているはず。そういった見えない需要に対して、上手く受注システムを整えるなどすれば、さらに多様な市場に挑むことができると考えています。
会社概要
- 本社:大阪府大阪市西淀川区中島2-11-98
- 電話:06-6474-5688
- 代表者:浦竹重行社長
- 従業員数:15人
- 事業内容:自動車・バイク用ウレタン発泡金型、厚物真空成型型の製造、販売
金型新聞 2022年3月10日
関連記事
高張力鋼板(ハイテン材)の増加や、自動車の電動化で必要となるプレス部品の精密化などにより、プレス金型は高度化している。金型はプレス機の精度や剛性に倣ってしまうため、これまで以上に金型とプレス機の両方の知見が重要になってい…
ササヤマが今期スタートした新中期経営計画「SAIMS247」。その中核事業となるのが金型製作期間の半減だ。デジタル技術や経験を駆使し金型づくりの大改革が進む。 全ての部品をQRで管理 材料に書かれたシリアルナンバー。入力…
前号では、日本金型工業厚生年金基金の制度移行に伴い、年金を退職金化することで得られるメリットなどを紹介した。では、そうした場合に加入者にはどの程度の負担や効果があるのか。より分かりやすく解説するために、モデルケースをも…
金型はこれまで、金型職人の頭の中で製品形状や金型設計を描き、経験やノウハウで調整し、製造してきた。そして金型の「匠」の技は「背中」を見て学ぶもので、習熟への時間はとても長かった。しかし近年では、工作機械やCAD/CAMと…


