2021年1月16日(土)

特集 : 金型づくりを変える6大テーマ
関連技術編

注目技術7選!!

放電加工機を遠隔保守
三菱電機  iQ Care Remote4U(アイキューケアリモートフォーユー)

 IoT技術を活用して、放電加工機の様々な情報を収集・蓄積し、遠隔地からリアルタイムで確認・診断するリモートサービス。稼働情報(加工進捗・作業状況など)をリアルタイムで確認できる「ダッシュボード機能」や、同社サービスセンターから加工機の状況を遠隔診断する「リモート診断機能」などを搭載する。

 また、稼働状況のレポートを自動配信する機能や、NC画面をリアルタイムで見られるビューワー機能など、ユーザーの用途に合わせたオプションも豊富に揃えている。

遠隔地から試験状況を確認
三菱マテリアル リモート切削試験

 加工技術センターの「MTEC埼玉(さいたま市大宮区)」、「MTEC岐阜(岐阜県安八郡)」では、遠隔地でも切削試験の状況が確認できるサービスを実施している。顧客と同社の営業担当や製品開発担当、加工提案を行うソリューションエンジニアをオンラインで接続し、試験内容や試験結果を確認できる。

 加工試験中の様子は、ビデオカメラで撮影し、リアルタイムで確認可能なほか、工具の摩耗状態やワークの加工面なども映像や画像で見ることができる。

プログラム〜加工を全自動
岡本工作機械製作所 全自動研削システム「MAP研削」    

 「MAP研削」は、機上測定によって、搭載されたワークの位置や寸法などの情報を取得し、最も取り代の多い部分から加工するプログラムを自動で作成し、加工まで行うことができるソフトウェア。

 ワークに穴が開いている場合は測定ポイントを省く機能や、反っているワークをエアカットレス(最短の加工プログラム作成)で加工する機能、自動補正研削プログラム機能なども搭載。生産現場のオペレータ不足解消や加工時間短縮による生産性向上に貢献する。

大型金型を効率加工
オークマ 門形MCで高精度機上計測

 門形MCで加工した大型金型を機上計測することは搬送作業削減などメリットが大きい。

 そこで、加工機の空間精度を校正する「3Dキャリブレーション」、熱変位を高精度に補正する「サーモフレンドリーコンセプト」、加工機の精度状態を見える化する「精度安定診断機能」を開発。組合わせて高精度加工と加工時間短縮を実現する。

 「3Dキャリブレーション」は、タッチプローブを用いて精度基準となる精度マスタを半自動計測することで加工機の空間精度を校正する。

高速・高精度に自動測定
大昭和精機 光学式ラインセンサ方式工具測定器「ダイナライン」

 ダイナラインは、光を電圧に変換する素子を直線状に並べたラインセンサを使用して、マシニングセンタ内での機内工具を測定する。画像センサと比べ処理速度が速く、回転中の工具測定に最適。

 工具径測定用のX軸センサと工具長測定用のZ軸センサ、2つのセンサを配置したT型ラインセンサを開発。測定工具径範囲は、φ0.05~32㎜、測定最大周速は400m/分。センサ中心から工具の先端位置の距離を測定するため、工具測定時の位置決めにかかる時間を軽減する。

高精度・高能率に側面仕上げ
ダイジェット工業 ミラーバレル「KRM形」

 加工工程の集約、複雑な形状加工、加工精度向上のニーズの高まりを背景に5軸加工の普及が進んでいる。ミラーバレル「KRM形」は5軸に最適な高精度加工や3軸での高能率加工が可能。ピックフィードを大きく取り、加工能率を向上する。

 主な特長は、①外周大R形状の高精度刃先交換式バレル工具、②立壁・傾斜面の高能率仕上げ加工、底面の超仕上げ加工を実現、③インサート材種は高硬度材用「DH102」や一般鋼、プリハードン鋼加工用「JC8015」をラインナップ。

荒〜仕上げを高能率・安定加工
オーエスジー アディティブ・マニュファクチャリング用エンドミル「AM-EBT」「AM-CRE」  

 レーザー溶融法などの金属3Dプリンターによる「アディティブ・マニュファクチャリング(金属積層造形)」に対応するボールエンドミル「AM-EBT」とラジアスエンドミル「AM-CRE」。

 3次元ネガ形状の刃形と高硬度鋼向け新被膜「DUROREY」コーティングとの組み合わせにより、積層造形の高硬度かつ切削代が不安定となる被削材においても、高い耐チッピング性を発揮する。荒から仕上げまで高能率で安定した加工を実現する。

記者の目

 今回の取材中に、ある金型メーカーの熟練技能者に、過去40年近くの自らの金型づくりの経験で、最大の技術革新は何だったかと聞いたところ「CAD/CAMの登場」と即答した。曰く「デジタルで金型づくりが大きく変わった」。このデジタル化の流れは今も加速している。今回取り上げた6つのテーマにはハードの進化も当然あるが、デジタル技術がそれを支えている。

 デジタル技術のアップデートは恐ろしく早い。デジタルの重要度が増す金型づくりにおいて、製品や技術の開発スピードはさらに加速してくはずだ。今回は6つの技術に絞って取り上げたが、来年にはまた新たな技術がここに加わるかもしれない。新たな技術は常に注視する必要がある。

6大テーマに関する解説はこちら

金型新聞 2020年12月10日

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