金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

29

新聞購読のお申込み

東亜成型 キャンプ用品を販売

培った技術活かす

自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えており、医療関連や半導体関連ではこれまで以上に部品の複雑化や微細化が進んでいる。多くの金型メーカーが、こうした変化をチャンスと捉え、自社の高い金型技術や加工技術などを生かし、新しい需要を上手く取り込もうと動き始めている。新規設備に投資したり、独自の商品や技術を開発したり、その取り組みは様々だ。政府も補助金などの支援制度を設け、金型メーカーの新分野の開拓を後押ししている。金型メーカーの新分野はどこにあるのか。“ニューフロンティア”を目指す各社の挑戦に迫る。

東亜成型 グリルQ

一つで多様な料理ができる

BtoC向け開拓に力

浦竹重行社長

当社は自動車のシートなどの金型を手がけています。金型メーカーはどこもそうだと思いますが当社も受注の波が激しく、不況時には一気に暇になってしまう。自動車を作らない状況では、いくら営業を頑張ったとして売り上げにつなげることは難しい。そんな中で売上の分散のため、不況時でも自社の努力で売ることができるBtoC向けの製品開発は、以前から考えていました。

その中で初めて商品として完成したのが、バーベキュー用の料理器具「グリルQ」です。アイデアは、「たこ焼きを作りながらお好み焼きも焼きたい」という家庭内でのちょっとした会話から生まれ、試作品を作っては自宅で試しながら、ようやく完成しました。

焼く、煮る、揚げる、蒸すといった4つの調理法に対応しており、自宅でもキャンプでも使えるように設計しています。

自社製品を売り出す上で大切なのは、何ができて何ができないかを見極めることだと思います。例えばグリルQのPR。自社だけで行っても効果は薄いと考え、広報用のWEBサイト作りは専門業社に、SNSでの拡散は会社として付き合いのある学生さんに依頼するなど、必要ならば費用を払ってでもプロや、慣れている人に任せることにしました。一方、比較的簡単な広報サイトの記事の更新作業などは、自社で行っています。

自社でできることは自社で、それが無理なものは外部に任せる。それだけで、無駄にお金をかけることも本業をおろそかにすることもなく、効率的な製品開発や広報活動ができます。

今後もBtoC向け製品の開発には注力していく予定です。グリルQのカスタム品は既に構想がありますが、それ以外にも一般顧客向けの金属部品製造も考えています。例えばバイクのカスタム部品。専用品がなく汎用品も適合しない車種は、装備を諦めるしか自作するしかない。バイク用品に限らず、そういった「欲しいけど存在しない」商品は、BtoCビジネスの中に埋もれているはず。そういった見えない需要に対して、上手く受注システムを整えるなどすれば、さらに多様な市場に挑むことができると考えています。

会社概要

  • 本社:大阪府大阪市西淀川区中島2-11-98
  • 電話:06-6474-5688
  • 代表者:浦竹重行社長
  • 従業員数:15人
  • 事業内容:自動車・バイク用ウレタン発泡金型、厚物真空成型型の製造、販売

金型新聞 2022年3月10日

関連記事

金型メーカー座談会 若手経営者が語る<br>ー業界の魅力高めるためには 第三部ー

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第三部ー

人材育成の要諦 デジタルとアナログを融合 金型メーカー座談会 若手経営者が語るー業界の魅力高めるためには 第二部ー 最終回となる今回のテーマは「連携」と「人材育成」。戦略云々よりも、経営者同士の感性や考え方が合った連携の…

【鍛造金型特集】<br>日本鍛造協会 八木議廣会長に聞く<br>熱間鍛造の動向

【鍛造金型特集】
日本鍛造協会 八木議廣会長に聞く
熱間鍛造の動向

 鍛造は大きく熱間と冷間に分かれるが、重量ベースでは圧倒的に熱間が多い。成形品が比較的大きいことも理由の一つだ。一方で、金型はコストや納期の問題から圧倒的に内製率が高いという。自らも熱間鍛造部品を手掛ける、日本鍛造協会の…

特集〜世界需要をどう取り込む
どう取り込む 変わる金型の世界地図

 国際金型協会(ISTMA)の統計によると、2008年以降の10年近くで金型生産額は約3割増加した。新興国の経済発展に伴う消費財の需要増や、自動車の生産台数の増加などを背景に金型需要が拡大したからだ。ただ、かつて日本が金…

金型メーカーの新分野展開が加速する

事業再構築補助金を活用 金型メーカーの新分野展開、業態転換が加速している。コロナ禍や、自動車の電動化などによって事業環境が大きく変化する金型業界。多くの金型メーカーが2021年からスタートした「事業再構築補助金」を活用し…

金型メーカーが考える次世代の匠とは?

金型メーカーアンケート  次世代の匠に必要な技は? 熟練の金型職人が持つ「匠の技」を機械に行わせたり数値化したりする取り組みは広がり続けている。新技術が登場する中、「匠」に求められる能力に変化はあるのか。それを…

トピックス

関連サイト