金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

16

新聞購読のお申込み

東亜成型 キャンプ用品を販売

培った技術活かす

自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えており、医療関連や半導体関連ではこれまで以上に部品の複雑化や微細化が進んでいる。多くの金型メーカーが、こうした変化をチャンスと捉え、自社の高い金型技術や加工技術などを生かし、新しい需要を上手く取り込もうと動き始めている。新規設備に投資したり、独自の商品や技術を開発したり、その取り組みは様々だ。政府も補助金などの支援制度を設け、金型メーカーの新分野の開拓を後押ししている。金型メーカーの新分野はどこにあるのか。“ニューフロンティア”を目指す各社の挑戦に迫る。

東亜成型 グリルQ

一つで多様な料理ができる

BtoC向け開拓に力

浦竹重行社長

当社は自動車のシートなどの金型を手がけています。金型メーカーはどこもそうだと思いますが当社も受注の波が激しく、不況時には一気に暇になってしまう。自動車を作らない状況では、いくら営業を頑張ったとして売り上げにつなげることは難しい。そんな中で売上の分散のため、不況時でも自社の努力で売ることができるBtoC向けの製品開発は、以前から考えていました。

その中で初めて商品として完成したのが、バーベキュー用の料理器具「グリルQ」です。アイデアは、「たこ焼きを作りながらお好み焼きも焼きたい」という家庭内でのちょっとした会話から生まれ、試作品を作っては自宅で試しながら、ようやく完成しました。

焼く、煮る、揚げる、蒸すといった4つの調理法に対応しており、自宅でもキャンプでも使えるように設計しています。

自社製品を売り出す上で大切なのは、何ができて何ができないかを見極めることだと思います。例えばグリルQのPR。自社だけで行っても効果は薄いと考え、広報用のWEBサイト作りは専門業社に、SNSでの拡散は会社として付き合いのある学生さんに依頼するなど、必要ならば費用を払ってでもプロや、慣れている人に任せることにしました。一方、比較的簡単な広報サイトの記事の更新作業などは、自社で行っています。

自社でできることは自社で、それが無理なものは外部に任せる。それだけで、無駄にお金をかけることも本業をおろそかにすることもなく、効率的な製品開発や広報活動ができます。

今後もBtoC向け製品の開発には注力していく予定です。グリルQのカスタム品は既に構想がありますが、それ以外にも一般顧客向けの金属部品製造も考えています。例えばバイクのカスタム部品。専用品がなく汎用品も適合しない車種は、装備を諦めるしか自作するしかない。バイク用品に限らず、そういった「欲しいけど存在しない」商品は、BtoCビジネスの中に埋もれているはず。そういった見えない需要に対して、上手く受注システムを整えるなどすれば、さらに多様な市場に挑むことができると考えています。

会社概要

  • 本社:大阪府大阪市西淀川区中島2-11-98
  • 電話:06-6474-5688
  • 代表者:浦竹重行社長
  • 従業員数:15人
  • 事業内容:自動車・バイク用ウレタン発泡金型、厚物真空成型型の製造、販売

金型新聞 2022年3月10日

関連記事

進化する超硬加工ー特集ー

進化する超硬加工ー特集ー

切削は高速、研削は高効率  超硬合金を金型材料として使う動きが広がりつつある。これまでは長寿命化などのメリットはあるが、加工しづらいことがボトルネックとなり、一部の金型でしか利用されていなかった。しかし近年、切削加工がで…

熟練の技生かし金型の修正を減らす方法【変わるトヨタの型づくり】

PART2:匠の技をデジタルに帰す 金型の修正ゼロへ 匠がデジタル技術を駆使すれば金型の修正を減らせないか—。モビリティツーリング部は、そんな取り組みにチャレンジしている。熟練の技を生かし、デジタルの金型モデルでトライと…

【新春特別インタビュー】時代をリードする8人

 「CASE」による自動車業界の大変革は金型メーカーに大きな変化を迫ってきた。そして昨年から続くコロナ禍。リモート環境への対応やデジタルツールの活用など、変化せざるを得ない状況はさらに加速している。こうした混迷の時代に合…

【特集】どうする、金型人材の確保と育成

目次PART1:日本工業大学専門職大学院専任教授 小田恭市氏インタビューPART2:人材確保編PART3:人材確保編PART4:金型経営者に10の質問PART5:あの指導が成長につながったPART6:記者の目 PART1…

【鍛造金型特集】鍛造型、好調を持続<br>その背景や今後は

【鍛造金型特集】鍛造型、好調を持続
その背景や今後は

自動車生産台数の増加 EV化への対応も必要  鍛造金型が好調を持続している。経済産業省の機械統計によると、2016年の鍛造金型の生産金額は307億円とリーマンショック前の200億円を大幅に上回る。数量では減少傾向にあるこ…

関連サイト