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金型現場の課題を解決する最新技術 インターモールド2022

金型製造現場は現在、様々な課題を抱えている。それは、人手不足やグローバル競争の激化、自動車の電動化などといった各分野にまたがる。「インターモールド2022」では、これらの課題を解決する機械や工具を始めとした金型製造技術の最先端が集結する。

進化する自動化・省人化技術

特に注目すべきテーマの一つは自動化、省人化技術。人手不足への対応や生産性のさらなる向上のため、人手をなるべく介さない金型製造技術が求められている。機械や周辺機器メーカー各社は、ロボットを活用したワーク搬送の自動化や、治具レス提案などを披露する。また、ソフトウェアでも加工プログラムを自動的に生成できるCAD/CAMなどが展示される。その他、段取り不要で多面加工が可能な5軸加工も見どころだ。5軸制御マシニングセンタなどの機械に加え、5軸加工に適した工具や治具、ソフトウェアなども登場する。

現場のデジタル化を推進

あらゆる産業で進むデジタル化。金型産業も例外ではなく、製造効率や付加価値の向上を図るものとして、より重要になっている。これまで把握することが難しかった機械の稼働状況や加工中のワークや工具の状態が数値化できる計測技術、これまで以上に高精度化が進むシミュレーションソフトウェア、現場のデータを収集し分析できるデータ管理システムなど、現場のデジタル化を推進する技術が披露される。

現場で収集した様々なデータをコンピュータ上に再現するデジタルツインは、現実に近いシミュレーションを可能にする。手戻りが減り、開発期間の短縮やコスト削減につなげることができる。今回も3Dスキャナやセンサなどとなどを組み合わせた提案などが見られるはずだ。

拡大する微細化需要

自動車の電動化や次世代通信規格「5G」の普及などによって、需要が急速に拡大している半導体や電子部品。こうした金型に求められるのが微細加工技術だ。今回のインターモールドでもこの微細加工に対応する高精度なマシニングセンタや極小径の切削工具、超高精度な計測技術などが数多く登場する。また、難削材や高硬度材加工に対応した加工技術にも注目だ。

金属AMも進化

近年、新しい製造技術として注目を集め続ける金属AM(Additive Manufacturing)も進化を遂げている。装置や材料の技術革新に加え、用途開発の研究も進み、これまで以上に活用できる領域が広がっている。金属AMで造形したサンプルワークなども出品され、金型製造現場の金属AM技術を使った新しい挑戦をサポートする展示が見られそうだ。

脱炭素化への対応

脱炭素社会の実現に向けた機運が急速に高まりつつある中、金型製造技術でも脱炭素化を推進する機械や装置などが登場している。従来からの使用エネルギーを削減する機能や加工効率を向上させる機械性能の進化だけでなく、二酸化炭素(CO2)排出量を見える化し、分析・改善できる機能や、機械が自律的に判断し、アイドルストップを行う機能、IoT技術を活用したリモートサービスなど、新しい機能やサービスが提案される。

現場環境の改善ツールにも注目

人材の多様化が進み、働きやすい職場づくりが求められる現在の金型製造現場。こうした現場の環境を改善する機器や工具にも注目だ。コロナ禍を背景に需要が増加している空気環境を改善する空調機器、作業者の作業負担を軽減する安全機器や工具などが出品される。「3K(きつい・汚い・危険)」から脱却し、従業員の安全確保と、新たな人材の獲得につなげたい。

金型新聞 2022年3月29日

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