金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

SEPTEMBER

28

新聞購読のお申込み

金型メーカーに「働き方改革」は実現できるのか

課題多き働き方改革

働き方改革関連法案の施行から4年。金型業界でも労働時間短縮や生産性の向上など、働き方改革は進んでいるのか。現状を調べるため、本紙ではアンケートを実施した。調査からは、改革には前向きに取り組んでいるものの、8割以上の回答者が何らかの課題を抱えていることが明らかになった。繁閑の差が激しすぎることや、ユーザーの意向に左右されたり、見積もりの手間が増えたりするなど、構造的な問題から、働き方改革を進める難しさが浮き彫りになった。

受注産業ならではの壁も

アンケートは3月下旬にネットを使い、約400社に送付し、41社から回答を得た。まず聞いたのは、働き方改革に取り組んでいるか否か。1社を除き全社が取り組んでいると回答。取り組みを進める意思は強い。

続いて聞いたのが取り組み内容(グラフ参照)。自動化や設備投資による生産性向上が最も多く、有給休暇や残業の制限などと続く。製造現場が必要なため、在宅勤務などへの対応は少なかった。

問題はこれらの取り組みが上手く進んでいるのかどうかだ。「部署ごとにグラフ化し有給休暇を推奨している」や「ワークシェアで残業削減につなげている」などうまく進んで回答も見られた。

しかし「うまく進んでいない」、「改善できない項目もある」との回答が85%を超えた。「改革は必要だが、コストや人材面でハードルが高い」というように、進めたいがうまくいかないというのが本音のようだ。

繁閑の差と構造的問題への対応必要

うまく行かない理由について聞いたところ、最も多かったのが「繁閑の差の激しさ」だ。「受注の波が大きい上、タイトな納期で受注し、仕事が集中するため、一時的に残業が集中してしまう」との意見が大半だった。

こうした問題に対し、前述のように、自動化投資や多能工化で対策は進めている。しかし「投資効果が低い」、「(業務効率化のための)デジタルに長けた人材不足」といった答えや「働き方改革で一般社員の休日が増える一方、穴埋めで管理職の残業で対応せざるを得ない」という意見も。

もう一つ多かった回答が、顧客都合に依存せざるを得ない構造的な問題だ。「発注側の出図遅れも多く、無理せざるを得ない」や「デジタル化が遅れているユーザーのしわ寄せがきている」などの意見も多かった。精度が必要な見積の数の多さや、そこに係る手間などから「見積の有料化が必要」とする声もあった。構造的な問題に対して「金型業界だけでなくサプライチェーン全体で取り組まないと変わらない」とする主張が大半だった。

では、こうした状況下で、改革を進めるにはどうすべきか。2面以降では、課題を抱えながらも、改革を進める企業を紹介する。

金型新聞 2022年4月10日

関連記事

進む自動化・見える化 複数の加工工程を集約する生産システムの構築【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】

金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…

トヨタの型づくりはどう変化していくのか?モビツー・大澤部長×モノエン・堀田部長インタビュー【変わるトヨタの型づくり】

PART4:モノエン・モビツーのトップに聞く金型メーカーに期待すること 技能絶やさぬ取り組み / 型にとらわれぬ柔軟な視点 人の動き、 カンコツを定量化 次世代車の中でも、やはり電動化へのインパクトは大きい。金型への影響…

自動化で年4400万円のコスト減 月平均600時間稼働【自動化で変わる金型メーカー】

生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるた…

金型メーカー新春座談会(第2部)<br>5氏が語る〜中核人材どう育てる〜

金型メーカー新春座談会(第2部)
5氏が語る〜中核人材どう育てる〜

 第1部では、必要な人材像や育成について方法について議論してもらい「顧客の要望に合わせて柔軟に考えられる人」、「社長を補佐する中核的人材」などが求められていることがわかった。一方、育成では「外部からの刺激」や「任せて、考…

リョービ、新田真部長インタビュー 解析駆使し開発期間短縮【特集:ダイカスト最前線】

金属3D積層で水管自在 リョービはダイカスト金型の開発で、ダイカストプロセス解析技術の向上や、金属3D積層埋め子(入れ子)の活用を進めている。金型の設計・製作期間を短縮し、またギガキャストなど次代の製品の金型を開発にも活…

トピックス

AD

「安かろう悪かろう」を覆す「Autodesk® Fusion®」の実力 応用技術(株)がウ...

応用技術株式会社(大阪市北区、06・6373・0440)は7月8日、ウェビナーイベント「Fusion DAY」を開催した。 応用技術はオートデスク代理店の最上位資格である「... 続きを読む

関連サイト