金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

26

新聞購読のお申込み

インターモールド2022大阪総集編 -AM-

拡がる金型での金属3Dプリンタ

部品造形や金型補修

技術的に難しいとされてきた金属3Dプリンが金型づくりでも徐々に広がりつつある。今回のインターモールドでは、金属3Dプリンタで広く使SKD61相当材の粉末材料が登場。ダイカスト型の部品製作での採用も広がる。ワイヤ材をレーザーで溶融するワイヤ方式の金属3Dプリンタの新機種も発表され、金型補修での活用方法などが披露された。

SKD61相当材

写真① ソディックの金属3DプリンタLPM
写真② SVMで造形したワーク

AM専用の粉末材料「SVM」(Sodick Versatile Steel For Mold)を発表したのはソディック。SKD61相当材で、ダイカスト金型の部品造形などでの活用を提案した。

レーザーで積層するタイプの金属3Dプリンタ「LPMシリーズ」(写真①)とセットで活用する。LPMシリーズは、定期的に応力を開放し、歪みを抑制する独自の「SRT工法」を採用。この方式でSVMを使うことで、200㎜角を超の大型ワークでも反りを抑制した造形ができる(写真②)。

ダイカスト金型に適用も

耐ヒートチェックと耐溶損性では、SKD61よりも改善し、熱伝導性では同等を確保。熱処理すれば、HRC42~52まで調整でき、ダイカスト型以外にも樹脂型での採用も可能だ。また、導入のハードルとなっていた材料価格も現時点では1㎏当り1万円と大幅に安価に設定した。

金属粉末やワイヤ材活用など造形方法も多様に

写真③ 欠けや摩耗の補修サンプル
写真④ 金属3Dプリンタ「AZ600」

三菱電機は今年発売したばかりの金属3Dプリンタ「AZ600」(写真④)を披露した。ワイヤ材をレーザー光の入熱制御で溶融するワイヤ方式を採用した。既存のパウダー方式に比べ、造形速度が速いのが特長で、約1.5~2.0 倍の速度で造形できる。また、ワイヤ材を活用するため、粉末タイプで課題の一つされる粉じん被害がないため、作業者の健康リスクが少なく、安全に使用することが可能だ。

母材に造形していく用途が主で、金型では補修での用途を見込む。今回のインターモールドでは、欠けや摩耗の補修サンプル(写真③)を展示していた。異種金属の接合などにも活用できる。

対応材種は、SUS、チタン、ハステロイ、マルエージング鋼、SKD 相当材、インコネルなどで、その他の材種についても順次開発していくという。 幅広く活用するという段階ではないが、着実に金型づくりに金属3Dプリンタは浸透し始めている。

金型新聞 WEB限定

関連記事

第5回プレス・板金・フォーミング展 MF–Tokyo 2017<br>今回の見どころは?

第5回プレス・板金・フォーミング展 MF–Tokyo 2017
今回の見どころは?

ハイテン、CFRPの加工技術 IoTや計測機器も 塑性加工に関する最新技術が一堂に集まる「MF-Tokyo 2017第5回プレス・板金・フォーミング展」が7月12日から15日まで、東京ビッグサイトで開かれる。主催は日本鍛…

型技術協会 型技術者会議2021

オンラインで 10月12〜15日 型技術協会は10月12~15日にウェブ上で「型技術者会議2021オンライン会議」を開くと発表した。 オンライン会議システム「Teams」で開催する。参加人数200人。申し込み締め切り日は…

2年に1度の専門展「2022日本ダイカスト展示会」開幕 見どころをピックアップ

ダイカスト関連技術が一堂に会する「2022日本ダイカスト会議・展示会(j-dec2022)」が11月10日から12日までの3日間、パシフィコ横浜(横浜市西区)で開催される。主催は日本ダイカスト協会。展示会にはダイカストマ…

インターモールド・オンライン展開催<br>9月23日 から3カ月

インターモールド・オンライン展開催
9月23日 から3カ月

400社が最新の金型加工技術 セミナー、チャット商談も  コロナ禍で開催中止となった「インターモールド」(主催:日本金型工業会)がオンライン展を開催する。出展予定だった企業・団体が、特設サイトで最新の金型加工技術を披露す…

AM技術の専門展示会「AM EXPO 名古屋」出展者募集

2024年6月26~28日、ポートメッセなごやで開催 AM(アディティブマニュファクチャリング)技術の専門展示会「AM EXPO 名古屋」(主催:日本AM協会)が2024年6月26~28日、ポートメッセなごや(名古屋市港…

トピックス

関連サイト