金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

SEPTEMBER

10

新聞購読のお申込み

金型でも金属AM技術の活用が広がる理由

コスト低減、用途開発進む

国際規格の策定も進む

金型分野でも金属粉末を使った付加製造(AM)技術の活用が広がりつつある。背景には、装置を始めとしたAM技術の進化やユーザーの改善などによって、これまで課題とされていた製造コストが低下していることが挙げられる。また、製造コストに見合った用途開発が進み、費用対効果の高い活用方法を見出す企業が増えていることも一つだ。今後のさらなる適用範囲拡大が期待される。

支援企業、団体も増加

金属AMの市場規模は拡大傾向にある。昨年、日本能率協会総合研究所が発表した資料によると、世界の金属3Dプリンタ市場の規模は2019年の1300億円から25年には約2倍の2500億円まで拡大するとみられている。航空機や医療、自動車分野などで導入が進んでおり、金型分野での活用も広がっている。

電子部品などを手掛ける南信精機製作所(長野県飯島町)は樹脂製自動車部品の金型に金属AMを適用する。豊田自動織機(愛知県刈谷市)では金属AM装置を導入し、カーエアコン用コンプレッサのダイカスト金型部品を製造している。

こうした企業が増えているのは、これまで課題とされていた製造コストが低下していることが大きい。あるドイツの調査会社によると、1㎤の製造コストは、13年は3・14ユーロ(約420円)だったが、18年には1・6ユーロ(約210円)に半減し、23年には1・1ユーロ(約150円)まで低下するという。

ある金属AM装置メーカーは「装置の性能が向上し、生産性が向上していることに加え、普及に伴い、材料価格も低下する可能性がある」と話す。またあるソフトウェアメーカーは「シミュレーション精度が向上し、失敗や手戻りが減っていることもコスト低下の要因になっている」と指摘。

ユーザーでもコスト低減に向けた取り組みが進む。豊田自動織機ではAM造形部を減らしたり、機械稼働率を向上させたり、設計工数を削減したりすることで、製造コストを低減している。

一方で、単なる従来工法からの置き換えではコストメリットは得にくい。そこで重要となるのが、適した用途の見極めだ。金型分野では冷却効率を改善するためにAM技術を活用する事例が目立つ。南信精機製作所は「複雑形状で冷却に課題のある製品を中心に適用範囲を広げていきたい」とする。

最近では用途開発を支援する企業や団体なども増えている。また、国際規格の策定なども進んでおり、金属AMを活用しやすい環境が整いつつある。今後、金型分野でもさらに活用する企業が増えそうだ。

金型新聞 2022年5月10日

関連記事

コガネイモールド 鏡面仕上げを手磨きから機械加工に【特集:工法置換で生産性向上】

深さ80㎜のワークを鏡面加工 プラスチック金型メーカーのコガネイモールドは、金型の鏡面仕上げを手磨きから機械加工へ置き換えた。同社は昨年11月に5軸加工機を導入。これを活用し、深さ80㎜の金型の鏡面仕上げを機械加工のみで…

匠の技を自動化し、技能を伝承【特集:自動車メーカーの金型づくり】

自動化と人材育成—。自動車産業に関わらず、あらゆる製造現場において共通の課題となっている。人手不足は深刻化しており、課題解消に自動化、省力化は欠かせない。いかに若手に技能を伝承していくかも喫緊の課題となっている。一方で、…

ゼノー・テック AIで切削条件の選定支援【特集:尖った技術を使いこなせ】

最適な条件探索や人材育成 金型メーカーのゼノー・テックはC&Gシステムズ(CGS)の3次元CAD/CAM「CAMTOOL」の「AI切削条件決定支援システム」を活用し、最適な切削条件の探索や若手技能者の育成につなげ…

【特集】最新技術の使いこなし術

工作機械や工具、ソフトウェアなど金型づくりを支えるツールの進歩はすさまじい。こうしたツールの進化によって、加工精度は飛躍的に向上した。加工速度や微細化、自動化、計測技術なども数年前とは比較にならないほど性能や機能が進化し…

【特集】型材・部品

精密、高精度、短納期 ニーズに応える 高精度や超精密、複雑形状—。日本の金型の強みはこうした高難度な部分にある。その強みは金型メーカーの設計や生産技術による部分が大きい。しかし金型は部品の集合体で、高難度な金型づくりには…

トピックス

AD

「安かろう悪かろう」を覆す「Autodesk® Fusion®」の実力 応用技術(株)がウ...

応用技術株式会社(大阪市北区、06・6373・0440)は7月8日、ウェビナーイベント「Fusion DAY」を開催した。 応用技術はオートデスク代理店の最上位資格である「... 続きを読む

関連サイト