金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

30

新聞購読のお申込み

データ・デザイン メタデータ活用によるデータ管理の効率化

金型は大量生産の治具から個別少量生産へとシフトしたことで、高品質な「個の量産」技術が求められている。そこで必要になるのが膨大に増えるデータの適切な管理や共有。本稿では新たなデータ連動テクノロジー「メタデータ」を活用し、製造に関する諸データを紐付け連動させることで、ビッグデータ活用や、IoT連携、産業クラスターも視野に入れた情報共有の仕組みづくりを紹介する。

「フォルダ管理」の限界

Windowsエクスプローラに統合されたメタデータ・プラットフォーム

金型製造業の上流から下流までデジタルツールが使われ始め、個人や部門で生成されるデジタルデータは急激に増えている。こうした状況で、保存先を物理的な絶対位置で指定する「フォルダ管理」には限界がきている。特に、ナレッジ共有や個人や部門間のコミュニケーション、技能伝承などにおいて、データ管理や共有の不備で解決できていない課題が多い。

さらに、金型製造には個人ノウハウが集約されているが、近年はそのノウハウを数値化するためにビッグデータやIoTデータを集め、AIに活用しようと考えている企業も増えている。ここでも重要となるのがデータの管理や共有だ。

新たなデータ活用法「メタデータ管理」

このような課題を解決するための新たなデータ活用手法として、「メタデータ管理」が欧米で注目されている。メタデータは物理的な保存場所ではなく、デジタルデータの実態を示す属性情報を付加したもので、柔軟にデータ間の関連性を構成し直すことができる。

「データのためのデータ」とも表現されている、メタデータを活用することで、「フォルダ管理」では一方通行であったデータの共有や検索の煩雑さを排除できる。これにより、任意の条件で必要なデータを360度からリアルタイムに抽出することが可能になる。

「メタデータ」を採用した「MetaConnect」

「MetaConnect」は、メタデータを上位システムや社内のデータベースと同期し、取引先、受注、製品、部品、工程などの情報を属性データとして、簡単にタグ付けできるメタデータ活用のプラットフォームである。

デジタルデータの生成状況を元にした進捗管理のイメージ

例えば、取引先の種類や客先指定納期、受注品の難易度、製品・部品の特徴や関連設備など、ユーザーが分類したい項目群を一つにまとめたものをメタデータ・セットと呼び、ワン・クリックでそれぞれのファイルに関連づけることができる。メタデータが付与されたファイルは、1対1ではなく1対多の関連性を保持することになり、指定したメタデータによってファイル同士の連動が実現する。

抽出条件の違う個々の仮想フォルダにアクセスすると、特定のメタデータが付与されているデータが自動抽出される。ダイナミックに変化する進捗、承認状況などをメタデータとして与えることで、生成されたデジタルデータをベースとした進捗管理を行うことも可能になる。

また、ユーザーサイドで自由に追加や機能拡張ができるため、ベンダーが用意した「箱」に準ずる必要はない。ユーザーサイドで特別なプログラミングなしで、直感的に独自の仕組みを構築することができる。業務プロセスを理解している現場担当者であれば、誰でも自社に最適なデータ活用システムを構築することが可能になる。

今後の展開

新たなデータ活用手法である「メタデータ管理」によって、「フォルダ管理」では解決できなかったデジタルデータの整理だけでなくプロセスの連動、ナレッジの共有を加速させることが可能になる。

設計情報と製造情報を紐づけたり、仕掛品の状態をリアルタイムに把握したりすることができる。また、生産設備に関連した人的リソースを可視化できるようになるなど、これまで分断していた情報ギャップを埋めてプロセスを動的につなげることができる。

弊社からは、「MetaConnect」を活用した、仕組み構築に必要なソフトウェアナレッジやトレーニングサービスを提供する。さらに、メタデータ・セットのテンプレートや、プラットフォームのフレームをユーザーサイドで定期的な見直しや機能改善ができる環境をサポートする。

新たなデータ管理手法であるメタデータを活用することで、データの検索や管理に要する時間を削減し、新たな気づきやアイデアの創出につなげて頂きたい。

データ・デザイン

  • セールスユニット企画グループ 今田 智秀氏
  • 愛知県名古屋市中区錦3-4-6
  • TEL:052-953-1588

金型新聞 2022年5月10日

関連記事

ジェービーエムエンジニアリング 積層専用CAMに条件パラメータを自動制御できる機能を追加

  高速・高精密積層加工を実現 ジェービーエムエンジニアリング(大阪府東大阪市、06-6744-7331)は積層専用CAM「ADDITIVE MASTER LUNA」に、新機能「リアルタイムプロセスコントール」を追加した…

入野機工が内面研削の新機種を発売

初心者でも使い易い汎用機 内面研削盤メーカーの入野機工(埼玉県川口市、046・874・7444)はこのほど、「汎用精密内面研削盤IIGシリーズ」を発売した。累積販売台数が3100台超の実績を誇る「YIGシリーズ」をリニュ…

Breakthrough!「AM用金属粉末」

金属AMによる造形で重要な要素となるのが金属粉末。近年では、造形しやすいマルエージング鋼だけでなく、ステンレス鋼や、ダイカスト金型での応用が期待されるSKD61相当材など、多様な粉末材料が登場している。こうした粉末の進化…

日比野工業 積層造形ダイカスト金型の冷却水路に防錆めっき処理【金型テクノラボ】

金属積層造形法により作製されるアルミダイカスト金型はその内部冷却の設計自由度の高さから注目され、実用展開されつつある。しかし、積層造形金型では内部冷却水路の腐食や表面粗さが課題となっている。本稿では積層造形金型の水路に防…

小径サイズを大幅に拡充 高硬度向けやCBN
ユニオンツール

 ユニオンツールは高硬度材向けやCBNエンドミルの小径サイズを大幅に拡充する。焼入れ鋼などを高効率に加工できる「HMGCOAT」のシリーズや、CBNのエンドミルの小径サイズを増やす。  高硬度材に加工に適した、新開発のコ…

トピックス

関連サイト