金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

02

新聞購読のお申込み

ワークス 直径0.1㎜のガラスレンズ金型を開発

ワークス(福岡県遠賀町、093-291-1778)は、直径0・1㎜のガラスレンズ金型を開発した。独自の微細なナノ多結晶ダイヤモンド工具で加工し実現した。これまでの最小径は0.5㎜で、世界最小クラスという。従来は難しい超小型の医療機器や通信機器向けに需要を見込む。

φ0.1mm非球面ガラスレンズ

医療や通信、車に需要

開発した金型は超硬製で、大きさは約6×6㎜。レンズの形状は非球面で、その表面粗さはナノレベル。ダイヤモンド砥石の約2倍の強度といわれるナノ多結晶ダイヤモンド工具でミーリング加工や旋削加工をして、仕上げた。

ガラスレンズはガラスの素材を、300℃に熱した金型で挟んで成形する。成形時の高温に耐えるため金型には超硬が用いられる。そのためダイヤモンド砥石で研削加工するが、加工の過程で砥石が摩耗するため微細なR形状を加工できず、直径0.5㎜が限界だった。

直径0.1㎜を実現するカギとなったナノ多結晶ダイヤモンド工具は自社開発した。ナノ秒レーザーで形状を加工し研磨加工で微細な刃をつけた。市販の工具は1本約40~50万円するが製作費を約10~20万円に抑えることができたという。

この金型開発は2019年、戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)で採択を受けて始めた。福岡工業大学が考案した加工技術を応用しワークスが確立した。アルプスアルパインやエヌジェーエス、住田光学ガラスなどがアドバイザーとして参加した。

ガラスレンズはプラスチックレンズと比べ耐熱性に優れ、透過性が高い。そのため高度なセンサや通信機器に用いられる。現在実用レベルのレンズの最小径は1㎜。それが0.1㎜にできれば製品を小型化でき、設計の幅も広がる。例えば医療用の内視鏡や小型のドローン、次世代自動車向けなどに需要があるという。

光学系の企業などからすでにニーズがあり、売上高を2022年度に1680セット/1億6800万円、26年度に3600セット/3億6千万円を見込む。ただ、「想定外のあらゆる分野に需要が潜在する可能性があり、目標を上回って増えるかもしれない」(三重野計滋社長)。

三重野計滋社長に聞く 超精密を目指す理由

世界最小クラスのガラスレンズの金型。なぜ微細の極みを目指すのか。三重野計滋社長に聞いた。

中台寄せ付けない技術力

かつて日本の金型は技術力や生産力などあらゆる分野で世界のナンバーワンだった。しかし中国や台湾は日本の生産技術を取り入れ、量や価格では日本を上回る。それらの分野でいまや日本は競争をするのが難しい。

だから日本が目指すべきは、中国や台湾を凌駕する技術力。中国や台湾の企業が手の届きようもない超越した技術を常にリードして開発する。そうすれば日本の金型は勝ち残れる。

日本の金型メーカーのほとんどは中小企業。資金力による競争では太刀打ちできない。そうではなく最先端技術の分野で先をいく。そうすることで、その技術が欧米などの企業から注目されることもあり得る。

金型新聞 2022年6月9日

関連記事

ヴェロソフトウェア VISI、WORKNCの新版を発売

ヘキサゴングループ(スウェーデン)のヴェロソフトウェア(東京都千代田区、03-6275-0871)はこのほど、CAD/CAM/CAEソリューション「VISI」と、CAD/CAM ソリューション「WORKNC」の新バージョ…

大同特殊鋼 工具鋼2~5%値上げ

9月契約分から 生産能力上回る需要 大同特殊鋼は9月契約分から、全ての工具鋼製品で2~5%の値上げを実施する。今年1月契約分からも値上げを実施したが、それに続く2回目となる。 スクラップの高騰が続いていることに加え、自動…

大同特殊鋼 金型メーカーにアンケート

金型材で困りごとは? 11月まで 大同特殊鋼は8月から日本全国の金型メーカーらを対象としたアンケート調査を実施する。金型材の使用状況や、困りごとなどをヒアリングし、材料開発につなげる。 本紙発刊の「金型工場名鑑」のデータ…

沖電線 還元率を引き上げ

沖電線(川崎市中原区、044-766-3171)はこのほど、ワイヤ電極線のリサイクルサービスの還元率を引き上げた。使用済みのワイヤ電極線を60㎏返却すると、新品のワイヤ電極線が20㎏還元される(一部製品を除く)。ワイヤ購…

製造プロセス研修開催<br>中産連

製造プロセス研修開催
中産連

生産シミュレータを活用  中部産業連盟はこのほど、金型製造プロセスデジタル設計人材育成講座を、中産連ビル(名古屋市東区)で開催する。  受講対象者は製造部門や生産技術部門、生産管理部門の従業者。バーチャル工場を構築できる…

関連サイト