金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

28

新聞購読のお申込み

「新たな壁に挑み突破できる組織作り」 大垣精工・松尾幸雄社長[この人に聞く]

プレス金型及び量産を手掛ける大垣精工(岐阜県大垣市、0584-89-5811)は今年3月、松尾幸雄氏が社長に就任し、新たな船出に乗り出した。同社は独自の技術で世界シェア№1を誇るハードディスクドライブ(HDD)部品をはじめ、HV車やEV車向けの車載用リレー部品、排ガス浄化用のハニカム金型など高難易度なモノづくりを行う。「中国など他国の技術力も上がり、一歩先へ行くには技術力を上げる必要がある」と松尾社長は次世代を見据えた組織作りを始めた。

新たな壁に挑み突破できる組織作り

まつお・ゆきお
1953年生まれ、岐阜県出身。関西大学工学部卒。1977年に同社入社し、2005年に常務取締役、19年に代表取締役専務に就任。

現在の受注状況は。

おかげさまで売上高の8割を占めるプレス品は情報通信向けHDD部品、自動車の電動化で需要が増している車載用リレー部品、酸素センサ部品の受注が好調だ。加えて、金型は従来のオルターネータやスターターモータ向けほか、EV車の開発が進み、モータコア金型の引き合いが急増している。当面、この状況は続くと見ている。

モータコアの金型で取り組んでいることは。

ユーザーの生産性向上ニーズで、金型の大型化が進んでいる。そこで、安田工業製の大型加工機(ジグボーラー)と長さ2700㎜の金型を搭載できるトライプレス機(300t)を導入し9月末に稼働する予定だ。金型は大型かつ精密化に向かっている。モータコアの板厚も薄くなり、それに伴ってクリアランスの精度も厳しくなる。そうした高難易度な金型に対応するには数ミクロン以下の加工精度に加え、それらを金型に組み付ける技術者が必要になる。

難しい金型に対応していくには。

プレス加工も金型製作もチームワークが大切。だからこそ『和を大切に』をモットーに、みんなの目線を合わせ、高い目標に立ち向かっていく組織を作りたい。難しいものをやるには設計、加工、組付、仕上げといった要素に高い技術が求められるため、それぞれの力を結集し挑戦する組織作りが重要だ。そのために、社員教育や社内コミュニケーションの充実を図る。

企業風土を作るには。

チャレンジ精神を促すにはそれだけの報酬も重要になるだろう。ファーストペンギンは危険な海へ一番に飛び込み、仲間を先導することから、そう呼ばれるが、挑戦すると失敗もあり得る。技術には必ず壁があり、突破するには何度も挑戦する気持ちが大切。そうしたチャレンジ精神を後押しできる企業文化を醸成させていきたい。

次の目標は。

主力であるHDD部品や高難易度な金型などは先人たちが技術の壁を打ち破り実現してきたもの。しかし、HDD部品もいずれSSDに置き換わる可能性もある。私の役目は技術をさらに進化させ、次世代の柱となるものを見つけ、確立することだと考えている。

金型新聞 2022年8月10日

関連記事

【インタビュー】新栄工業代表取締役社長・中村新一氏 「M&Aは事業領域の拡大や技術の強化につなげることができる」

 プレス加工メーカーの新栄工業(千葉市花見川区、043-258-2310)は2019年末に、プレス金型メーカーのアポロ工業(埼玉県吉川市)を資本提携によってグループ化した。「M&Aは事業領域の拡大や技術の強化につなげるこ…

この人に聞く2015<br>天青会(金型工業会東部支部)<br>小泉 秀樹会長(ペッカー精工社長)

この人に聞く2015
天青会(金型工業会東部支部)
小泉 秀樹会長(ペッカー精工社長)

金型以外にも視野 原点から新たな発見  日本金型工業会東部支部天青会の会長に今年5月、就任した。「原点に立ち返って、色々な視点から根本を見直せるような活動をしていく」と今年度のテーマに「原点回帰」を掲げる。  天青会に入…

社名変更し、再出発 黒田克典氏(プロテリアル 特殊鋼事業部 工具鋼部長)【この人に聞く】

プロテリアル(東京都江東区)は今年、日立金属から社名を変更し、新たな歴史に向けて再出発した。4月には金属材料と機能部材の2事業本部から特殊鋼、電線、自動車部品など9事業部に移行し、組織体制を強化。意思決定の迅速化など組織…

昭和精工 木田康隆社長 「社員の幸福を追求し、収益力の向上を目指す」

精密プレス金型メーカーの昭和精工(横浜市金沢区、045・785・1111)の社長に昨年11月29日付で就任。いとこである木田成人前社長から経営を引き継いだ。 入社から15年ほどはほぼ一貫して金型設計を担当していたが、20…

【新社長に聞く】アカマツフォーシス  稲波 孝 社長

【新社長に聞く】アカマツフォーシス 稲波 孝 社長

技術提案力磨き、生産効率高める 信頼されるパートナーに いなみ・たかし1968年生まれ、大阪府四条畷市出身。86年太成高校(現太成学院大学高校)卒、赤松合金工具に入社。2006年営業技術部長、19年総括本部長、20年12…

トピックス

関連サイト