金型業界に特化した調査やコンサルティングを手掛けてきましたが、2018年にバイオ樹脂の一つである「ヘミセルロース」の開発や成形に乗り出しました。社名にある「革新」的なことを実現するには、コンサルティングだけでは限界がある…
伊藤清光さん 進取の精神で取り組む現代の名工【ひと】

セラミックスや焼結機械部品、超硬合金の刃先交換用チップ。これらは粉末にした材料を金型に入れ、成形機で押し固めた後に焼結する「粉末冶金」によって出来上がる。
従来の粉末成形は、成形体の外周に凹凸がついた形状の成形が難しく、焼結後に研磨加工で溝を入れる必要があった。そこで焼結後の加工が不要となるネットシェイプ成形の金型構造を考案。生産コストを約30%削減した。その高度な金型設計技術などが評価され、令和4年の「現代の名工」に選ばれた。
入社した当初は、頭の中で成形体を金型形状に置き換え作図していた。時には、手書きのアイソメ図で補足説明をしなければ形状が伝わらず、効率が悪かったため1990年代後半に3次元CADの導入を提案。「設計者として生き残るため必死に操作を習得した」。
試作成形で金型が破損した際、連日夜遅くまで原因を調査し、対策を考えたこともある。材料力学や金属材料の教科書を復習し、簡易的に強度を計算する表を作成した。
苦労がある分、喜びも大きい。「自身が設計した金型で、成形機から製品が現れる瞬間は何とも言えないものづくりのやりがいを感じる。それまでの苦労も吹っ飛ぶ」。
好きな言葉は「進取」。現状に満足せず、常に新しいことへ挑戦する「進取の精神」で今後も設計に取り組む。
金型新聞 2023年3月10日
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