金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

18

新聞購読のお申込み

伊藤清光さん 進取の精神で取り組む現代の名工【ひと】 

小林工業 製造部 金型設計グループ リーダー 伊藤清光さん(59)

セラミックスや焼結機械部品、超硬合金の刃先交換用チップ。これらは粉末にした材料を金型に入れ、成形機で押し固めた後に焼結する「粉末冶金」によって出来上がる。

従来の粉末成形は、成形体の外周に凹凸がついた形状の成形が難しく、焼結後に研磨加工で溝を入れる必要があった。そこで焼結後の加工が不要となるネットシェイプ成形の金型構造を考案。生産コストを約30%削減した。その高度な金型設計技術などが評価され、令和4年の「現代の名工」に選ばれた。

入社した当初は、頭の中で成形体を金型形状に置き換え作図していた。時には、手書きのアイソメ図で補足説明をしなければ形状が伝わらず、効率が悪かったため1990年代後半に3次元CADの導入を提案。「設計者として生き残るため必死に操作を習得した」。

試作成形で金型が破損した際、連日夜遅くまで原因を調査し、対策を考えたこともある。材料力学や金属材料の教科書を復習し、簡易的に強度を計算する表を作成した。

苦労がある分、喜びも大きい。「自身が設計した金型で、成形機から製品が現れる瞬間は何とも言えないものづくりのやりがいを感じる。それまでの苦労も吹っ飛ぶ」。

好きな言葉は「進取」。現状に満足せず、常に新しいことへ挑戦する「進取の精神」で今後も設計に取り組む。

金型新聞 2023年3月10日

関連記事

久野金属工業 金型・プレス・組立一貫生産【金型の底力】

プレス業界の活性化に ハイテン材など高張力鋼板や難加工材のプレス金型及びプレス加工を手掛ける久野金属工業は、次世代車向けのプレス部品の製造を強化するため、約30億円を投じ、愛知県豊明市に新工場を建設。金型からプレス加工、…

山崎 達博さん 玉成と保全の技能を次代に教える【ひと】

鉄の板を金型でプレスすると起こる想定外の歪みや割れ。その原因を見極め、溶接と研磨で補正し、目指す品質に導いていく。解析が進化した今も、自動車のドアや骨格部品の金型は人による玉成がカギを握る。その技能を次代に教えている。 …

動き出す 「メガキャスト」、国内外で協業進め顧客の半歩先行く提案 米谷 強氏(米谷製作所 代表取締役社長)【鳥瞰蟻瞰】

当社は今年4月、同じ新潟県に拠点を構えるプラスチック金型メーカーの共和工業との協業を発表しました。主な目的は、電気自動車(EV)の車台やバッテリーケースなどを一体成形する「メガキャスト」向けの超大物金型の開発、製造です。…

―スペシャリスト―リバン・イシカワ<br>金型の経験生かし心配り

―スペシャリスト―リバン・イシカワ
金型の経験生かし心配り

精密金型部品 キャビティやコア、スライドコアなどの金型部品を専門に手掛ける会社がある。富山県南砺市のリバン・イシカワ。金型づくりで培った経験を生かし、独自の工夫や細やかな心配りで自動車関連メーカーの金型部門や金型メーカー…

【金型応援隊】ミサト技研 熟練した技術と知見による磨き

高品質な鏡面磨き ミサト技研はプラスチック金型やダイカスト金型、機械部品などの鏡面磨きを手掛けている。「納期に遅れず、顧客が希望する品質に応えることができる」(牧野聖司社長)と強調するように、熟練した技術と知見による高品…

トピックス

関連サイト