金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

27

新聞購読のお申込み

パンチ工業 金型用粉末合金を開発

 道工技センターと共同研究

パンチ工業(東京都品川区、03-6893-8007)が、金型用粉末合金の開発に取り組み始めた。今年6月、北海道立工業技術センター(道工技センター、北海道函館市)と共同研究契約を締結。同センターの技術者や設備などを利用し、同社独自の接合・焼結技術「P—Bas(ピーバス)」を活用した新たな合金の開発を目指す。

「P—Bas」は、特殊な専用設備で複数の部品や素材を加圧・加熱して一体化する同社独自の技術。接合と焼結に応用することができ、すでに接合は実用化。従来金属3Dプリンタで製作していた複雑形状の冷却水管を持つ金型部品や設備部品を分割、接合することで、機械加工での製作を可能にした。金属3Dプリンタに比べ、材質の選択肢が多く、強度が高い点や、水管内部に錆止め処理ができるなどのメリットがあるという。

一方、金型用粉末合金には焼結を活用する。道工技センターが持つ合金開発のノウハウや技術者、様々な設備を利用し、「まずは合金設計や作り方などを学び、ノウハウを身に付けていく」(新技術推進プロジェクトの石倉英昭氏)。既存の材種では網羅できていない性能や分野の新素材を開発していく考え。

特にプラスチック用金型に使用される素材は用途によって様々な性能が複合的に求められるため、既存の材種では顧客の要求を満たせないという課題があった。「現状の材種に課題を感じている顧客に対して新しい素材を提供し、ニッチ分野のニーズを開拓していきたい」(石倉氏)。

来年初旬には専用設備を導入し、社内でも「P—Bas」による部品や合金の製作が可能な体制を構築する。金型用粉末合金は2024年ごろの市場投入を目指す。

金型新聞 2022年8月10日

関連記事

刃先交換エンドミルに
ダイジェット工業

高硬度材用インサート  ダイジェット工業(大阪市平野区、06・6791・6781)は、刃先交換式ボールエンドミル「ミラーボール」に高硬度材加工用インサート「TSインサート」を追加し発売した。  加工時の発熱を抑えるため、…

【金型テクノラボ】オートフォームジャパン ロバスト性の高いシミュレーション技術

製品の開発サイクルが短くなる中、シミュレーション技術に注目が集まっている。不具合を事前に予測でき、部品や金型の短納期化やコスト削減を実現できるからだ。中でも、量産時のパラメータ変動を考慮したシミュレーション手法であるRE…

瑞穂工業 コーティングとは異なる表面処理技術『SurmoX処理』【金型テクノラボ】

様々な分野で超硬合金の金型が使用されているが、その寿命向上が課題となっている。コーティングとは異なる表面処理技術である『SurmoX処理』(写真・断面図)は、冷間鍛造金型や伸線ダイスの凝着抑制、粉末成形金型の離型性向上・…

三菱電機 形彫の中型機種

AIで安定化・高速化を実現 三菱電機(東京都千代田区、03-3218-2111)はこのほど、形彫放電加工機「SGシリーズ」から小物から中大物加工に適した中型機種の「SG28」を発売した。AI技術を用いた加工制御と最新の機…

ユニテック・ジャパン 2段階の超低圧ブラスト

金属表面処理装置「ユニフィニッシュ」 産業機械輸入商社であるユニテック・ジャパン(大阪府池田市、072-754-5757)はSablux社製(スイス)の金属表面処理装置「ユニフィニッシュ」の販売を強化し、切削や研削加工し…

関連サイト