プラスチック射出成形時に大きな課題となるのがショートやバリ、ガス焼けなどの品質不良。プラモール精工のガス抜きピン「ガストース」を使ったガスベントのデータ化と、流動解析によってガス抜き位置の最適化を実現した。成形品の品質安…
パンチ工業 金型用粉末合金を開発
道工技センターと共同研究

パンチ工業(東京都品川区、03-6893-8007)が、金型用粉末合金の開発に取り組み始めた。今年6月、北海道立工業技術センター(道工技センター、北海道函館市)と共同研究契約を締結。同センターの技術者や設備などを利用し、同社独自の接合・焼結技術「P—Bas(ピーバス)」を活用した新たな合金の開発を目指す。
「P—Bas」は、特殊な専用設備で複数の部品や素材を加圧・加熱して一体化する同社独自の技術。接合と焼結に応用することができ、すでに接合は実用化。従来金属3Dプリンタで製作していた複雑形状の冷却水管を持つ金型部品や設備部品を分割、接合することで、機械加工での製作を可能にした。金属3Dプリンタに比べ、材質の選択肢が多く、強度が高い点や、水管内部に錆止め処理ができるなどのメリットがあるという。
一方、金型用粉末合金には焼結を活用する。道工技センターが持つ合金開発のノウハウや技術者、様々な設備を利用し、「まずは合金設計や作り方などを学び、ノウハウを身に付けていく」(新技術推進プロジェクトの石倉英昭氏)。既存の材種では網羅できていない性能や分野の新素材を開発していく考え。
特にプラスチック用金型に使用される素材は用途によって様々な性能が複合的に求められるため、既存の材種では顧客の要求を満たせないという課題があった。「現状の材種に課題を感じている顧客に対して新しい素材を提供し、ニッチ分野のニーズを開拓していきたい」(石倉氏)。
来年初旬には専用設備を導入し、社内でも「P—Bas」による部品や合金の製作が可能な体制を構築する。金型用粉末合金は2024年ごろの市場投入を目指す。
金型新聞 2022年8月10日
関連記事
TAタイラーモジュラー ダイジェット工業(大阪市平野区、06-6791-6781)は、多機能刃先交換式座ぐり加工用ドリル「TAタイラーモジュラーヘッド」の工具径のサイズラインアップを拡張した。 従来の5サイズに14サ…
5Gで機械を遠隔制御 NTTドコモと共同開発 キタムラ機械(富山県高岡市、北村彰浩社長、0766-63-1100)はこのほど、NTTドコモと共同で、第5世代通信(5G)を活用し、遠隔で自動運転ができる工作機械を共同で開発…
ワークス(福岡県遠賀町、093-291-1778)は、直径0・1㎜のガラスレンズ金型を開発した。独自の微細なナノ多結晶ダイヤモンド工具で加工し実現した。これまでの最小径は0.5㎜で、世界最小クラスという。従来は難しい超小…
小〜中物の加工に対応 三菱電機はこのほど、油加工液仕様のワイヤ放電加工機「MX900」を発売した。XY軸の移動量が300×300㎜で、モータコア向け金型などの中物から電子部品などの小物まで幅広い加工領域を1台で対応する…