金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

SEPTEMBER

11

新聞購読のお申込み

「魅力ある組織に人は集まる 楽しく役立つ活動増やす」 東北金型工業会会長(プラモール精工社長)・脇田高志氏【鳥瞰蟻瞰】

東北金型工業会会長(プラモール精工社長)・脇田高志氏

魅力ある組織でなければ人は集まってきません。東北金型工業会をより魅力ある団体にするために、会長就任後すぐに、3つの分科会を作りました。若手が中心となって積極的に参加してもらい、勉強会などを通じ、メリットや魅力を感じてもらいたかったからです。また、カーボンニュートラル(CN)など個社では、学びづらいことを勉強することも魅力になると思っています。

東北金型工業会は1967年、通商産業省(現経済産業省)の肝いりで、東北の金型業界の発展を目指し、設立。今年で55年の長い歴史を持つ団体です。金型メーカーだけでなく、機械や工具など金型づくりに関する様々な企業57社が参加しているのが特徴です。

歴史ある団体ですが、私が入会したのは10年ほど前。83年に金型部品や成形を手掛けるプラモール精工を創業し、長年金型業界で仕事をしてきましたが、こうした活動にあまり興味はありませんでした。そんな時に、日進工具の故後藤勇会長に「それじゃだめだよ」と言われ、入会することに。参加してみると、仲は良いし、非常に楽しく過ごさせてもらってきました。

ただ一方で、せっかく業界の人が集まるのだから、楽しいことに加えて、「もっと役に立つことをできればいいのに」とも考えていました。そして、会長就任と同時期に聞いたのが、大阪の金型協会の解散のニュースです。これは他人事ではないと強く感じました。早速、危機意識を役員と共有。「もっと有意義な交流ができないか」と議論し、すぐに3つの分科会を立ち上げました。

「セミナー企画」、「工場見学交流会」、「会員PR会」の3つです。それぞれの分科会では、若手の経営者に責任者になってもらい、色んな企画を考えてもらっています。若いリーダーが先頭に立たないと組織は活性化しませんから。

また、個人や一企業で、できることには限界があり、みんなが集まるから生まれたり、学べたりすることも工業会の魅力だと思っています。その一つとして、近く「SDGs(持続可能な開発目標)におけるCN」をテーマにした研修会を開きます。

なぜこのテーマを選んだのか。今後の金型業界には不可欠になると考えているからです。長年、金型業界に携わってきて感じるのはこの30年間大きな進歩がないということ。機械や工具は進化しましたが、金型づくりは大きくは変わっていません。それは「対処療法」で進めてきたからです。

例えば、当社が強みとする射出成形の分野では、樹脂が未充填だったり、バリが出たりという問題が発生します。大抵の場合、その都度「どう対処しようか」と考えます。本来は、それらを発生させないために、「根本的にどうすべきか」と考えるべきだと思うのです。

CNやSDGsといった大きな課題の前では、こうした対処療法で対応できません。CNやSDGsに本気で向き合うことが、根本的な問題や対応策を考える良い機会となると思います。

また、研修会は私が講演します。有識者を呼んでも良かったのですが、そのほうが皆さんにとって、身近に感じてもらえると考えたからです。私が話せば、いろんな意見を言うこともできますし、双方向のやり取りも可能です。「私もやってみよう」という雰囲気になることも期待しています。

私の役割は次世代につなぐ「線路」を作るようなものだと考えています。こうしてみんなで「やってみようか」とか「やってよかった」ことを積み重ねることで、東北金型工業会の魅力をもっと高めていきたいですね。

金型新聞 2022年9月10日

関連記事

新中期経営計画「SAIMS247」スタート【ササヤマ challenge!Next50】

自動車部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは設立50周年を迎えた昨年度、新たな中期経営計画をスタートした。その3カ年のプロジェクトは金型製作期間を半減するなど競争力の再強化を目指す。EV化が加速するなど取り巻く経営環境…

伊藤製作所がテクニカルセンタを設立した理由【金型の底力】

順送り金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所は本社近くにテクニカルセンタを設立し、金型部門を集約することで、本社工場などにプレス機械を増設し、需要が高まっているプレス部品の増産体制を整える。さらに、CAEや3D形状測定機、…

この人に聞く
碌々産業 海藤 満社長

加工技術者に新たな呼称  ミクロン台の誤差に収まる精度、鏡のように美しい仕上げ面—。こうした加工は、卓越した技術力と並々ならぬこだわりを持った技術者が高精度な機械を駆使して初めて実現する。この職人と呼ばれる人たちを「マシ…

日本金型工業会 魅力度WGリーダー 平岡良介氏に聞く【特集:日本金型工業会第14回定時総会】

ラジオ、YouTube、インスタ、金型フェス 「魅力度WG」が取り組むのは、金型の魅力を世の中に発信すること。その主なターゲットは工学系の大学や工業高校の学生です。金型に興味を持ち、金型業界で働いてみたいと思う学生を増や…

社名変更し、再出発 黒田克典氏(プロテリアル 特殊鋼事業部 工具鋼部長)【この人に聞く】

プロテリアル(東京都江東区)は今年、日立金属から社名を変更し、新たな歴史に向けて再出発した。4月には金属材料と機能部材の2事業本部から特殊鋼、電線、自動車部品など9事業部に移行し、組織体制を強化。意思決定の迅速化など組織…

トピックス

AD

「安かろう悪かろう」を覆す「Autodesk® Fusion®」の実力 応用技術(株)がウ...

応用技術株式会社(大阪市北区、06・6373・0440)は7月8日、ウェビナーイベント「Fusion DAY」を開催した。 応用技術はオートデスク代理店の最上位資格である「... 続きを読む

関連サイト