金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

30

新聞購読のお申込み

「魅力ある組織に人は集まる 楽しく役立つ活動増やす」 東北金型工業会会長(プラモール精工社長)・脇田高志氏【鳥瞰蟻瞰】

東北金型工業会会長(プラモール精工社長)・脇田高志氏

魅力ある組織でなければ人は集まってきません。東北金型工業会をより魅力ある団体にするために、会長就任後すぐに、3つの分科会を作りました。若手が中心となって積極的に参加してもらい、勉強会などを通じ、メリットや魅力を感じてもらいたかったからです。また、カーボンニュートラル(CN)など個社では、学びづらいことを勉強することも魅力になると思っています。

東北金型工業会は1967年、通商産業省(現経済産業省)の肝いりで、東北の金型業界の発展を目指し、設立。今年で55年の長い歴史を持つ団体です。金型メーカーだけでなく、機械や工具など金型づくりに関する様々な企業57社が参加しているのが特徴です。

歴史ある団体ですが、私が入会したのは10年ほど前。83年に金型部品や成形を手掛けるプラモール精工を創業し、長年金型業界で仕事をしてきましたが、こうした活動にあまり興味はありませんでした。そんな時に、日進工具の故後藤勇会長に「それじゃだめだよ」と言われ、入会することに。参加してみると、仲は良いし、非常に楽しく過ごさせてもらってきました。

ただ一方で、せっかく業界の人が集まるのだから、楽しいことに加えて、「もっと役に立つことをできればいいのに」とも考えていました。そして、会長就任と同時期に聞いたのが、大阪の金型協会の解散のニュースです。これは他人事ではないと強く感じました。早速、危機意識を役員と共有。「もっと有意義な交流ができないか」と議論し、すぐに3つの分科会を立ち上げました。

「セミナー企画」、「工場見学交流会」、「会員PR会」の3つです。それぞれの分科会では、若手の経営者に責任者になってもらい、色んな企画を考えてもらっています。若いリーダーが先頭に立たないと組織は活性化しませんから。

また、個人や一企業で、できることには限界があり、みんなが集まるから生まれたり、学べたりすることも工業会の魅力だと思っています。その一つとして、近く「SDGs(持続可能な開発目標)におけるCN」をテーマにした研修会を開きます。

なぜこのテーマを選んだのか。今後の金型業界には不可欠になると考えているからです。長年、金型業界に携わってきて感じるのはこの30年間大きな進歩がないということ。機械や工具は進化しましたが、金型づくりは大きくは変わっていません。それは「対処療法」で進めてきたからです。

例えば、当社が強みとする射出成形の分野では、樹脂が未充填だったり、バリが出たりという問題が発生します。大抵の場合、その都度「どう対処しようか」と考えます。本来は、それらを発生させないために、「根本的にどうすべきか」と考えるべきだと思うのです。

CNやSDGsといった大きな課題の前では、こうした対処療法で対応できません。CNやSDGsに本気で向き合うことが、根本的な問題や対応策を考える良い機会となると思います。

また、研修会は私が講演します。有識者を呼んでも良かったのですが、そのほうが皆さんにとって、身近に感じてもらえると考えたからです。私が話せば、いろんな意見を言うこともできますし、双方向のやり取りも可能です。「私もやってみよう」という雰囲気になることも期待しています。

私の役割は次世代につなぐ「線路」を作るようなものだと考えています。こうしてみんなで「やってみようか」とか「やってよかった」ことを積み重ねることで、東北金型工業会の魅力をもっと高めていきたいですね。

金型新聞 2022年9月10日

関連記事

電動系、車体系部品へ事業拡大【特集:自動車の電動化とダイカスト】

自動車の電動化が金型に及ぼす影響は大きい。エンジンなどの減少が懸念される一方、軽量化ニーズでアルミの採用が期待されるなどダイカスト金型は変化を迫られている。では電動化でダイカストはどう変わっていくのか。昨秋のダイカスト展…

J-MAX 新工場建設や船活用でCO2削減【特集:カーボンニュートラルに向けたはじめの一歩】

自動車の大型プレス用金型及び部品を製造するJ‐MAX。特に、ハイテン材・超ハイテン材用の金型で高い技術を有し強みを発揮している。「2030年度までに、CO2排出量を2013年度比半減、50年度にはカーボンニュートラル実現…

この人に聞く
日本デザインエンジニアリング岩壁 清行社長

 「設計の効率化は業務フロー全体を見直さないと意味がない」。そう話すのは、日本デザインエンジニアリングの岩壁清行社長。同氏は長年自身も金型づくりに携わり、近年ではフィリピンで設計支援を手掛ける。また、20年以上前から、日…

城南村田 フェイスシールドを製作

コロナをチャンスに  「金型メーカーとして、コロナ禍で何かできることはないかと思ったのです」。そう話すのは、金型技術を活かし、フェイスシールドを作成した城南村田(東京都大田区、03-5744-3555)の青沼隆宏社長。 …

三光化成 エアと水のハイブリッド冷却【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

ラティス構造を採用し、材料費と造形時間を削減 自動車関連を中心に6000品目を超える樹脂成形部品を生産する三光化成。ソディックの金属3Dプリンタ「OPM350L」を活用し、水とエアを冷却媒体として活用する「ハイブリッドコ…

トピックス

関連サイト