金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

11

新聞購読のお申込み

「魅力ある組織に人は集まる 楽しく役立つ活動増やす」 東北金型工業会会長(プラモール精工社長)・脇田高志氏【鳥瞰蟻瞰】

東北金型工業会会長(プラモール精工社長)・脇田高志氏

魅力ある組織でなければ人は集まってきません。東北金型工業会をより魅力ある団体にするために、会長就任後すぐに、3つの分科会を作りました。若手が中心となって積極的に参加してもらい、勉強会などを通じ、メリットや魅力を感じてもらいたかったからです。また、カーボンニュートラル(CN)など個社では、学びづらいことを勉強することも魅力になると思っています。

東北金型工業会は1967年、通商産業省(現経済産業省)の肝いりで、東北の金型業界の発展を目指し、設立。今年で55年の長い歴史を持つ団体です。金型メーカーだけでなく、機械や工具など金型づくりに関する様々な企業57社が参加しているのが特徴です。

歴史ある団体ですが、私が入会したのは10年ほど前。83年に金型部品や成形を手掛けるプラモール精工を創業し、長年金型業界で仕事をしてきましたが、こうした活動にあまり興味はありませんでした。そんな時に、日進工具の故後藤勇会長に「それじゃだめだよ」と言われ、入会することに。参加してみると、仲は良いし、非常に楽しく過ごさせてもらってきました。

ただ一方で、せっかく業界の人が集まるのだから、楽しいことに加えて、「もっと役に立つことをできればいいのに」とも考えていました。そして、会長就任と同時期に聞いたのが、大阪の金型協会の解散のニュースです。これは他人事ではないと強く感じました。早速、危機意識を役員と共有。「もっと有意義な交流ができないか」と議論し、すぐに3つの分科会を立ち上げました。

「セミナー企画」、「工場見学交流会」、「会員PR会」の3つです。それぞれの分科会では、若手の経営者に責任者になってもらい、色んな企画を考えてもらっています。若いリーダーが先頭に立たないと組織は活性化しませんから。

また、個人や一企業で、できることには限界があり、みんなが集まるから生まれたり、学べたりすることも工業会の魅力だと思っています。その一つとして、近く「SDGs(持続可能な開発目標)におけるCN」をテーマにした研修会を開きます。

なぜこのテーマを選んだのか。今後の金型業界には不可欠になると考えているからです。長年、金型業界に携わってきて感じるのはこの30年間大きな進歩がないということ。機械や工具は進化しましたが、金型づくりは大きくは変わっていません。それは「対処療法」で進めてきたからです。

例えば、当社が強みとする射出成形の分野では、樹脂が未充填だったり、バリが出たりという問題が発生します。大抵の場合、その都度「どう対処しようか」と考えます。本来は、それらを発生させないために、「根本的にどうすべきか」と考えるべきだと思うのです。

CNやSDGsといった大きな課題の前では、こうした対処療法で対応できません。CNやSDGsに本気で向き合うことが、根本的な問題や対応策を考える良い機会となると思います。

また、研修会は私が講演します。有識者を呼んでも良かったのですが、そのほうが皆さんにとって、身近に感じてもらえると考えたからです。私が話せば、いろんな意見を言うこともできますし、双方向のやり取りも可能です。「私もやってみよう」という雰囲気になることも期待しています。

私の役割は次世代につなぐ「線路」を作るようなものだと考えています。こうしてみんなで「やってみようか」とか「やってよかった」ことを積み重ねることで、東北金型工業会の魅力をもっと高めていきたいですね。

金型新聞 2022年9月10日

関連記事

―スペシャリスト―〈ヘラ絞り〉山村製作所〈ヘラ型〉田中鉄工<br>ものづくり支える匠の技

―スペシャリスト―〈ヘラ絞り〉山村製作所〈ヘラ型〉田中鉄工
ものづくり支える匠の技

ヘラ棒と呼ばれる工具を回転する金属の板に押しあてて、滑らかな曲面や艶やかな平面に加工するヘラ絞り。品質の良い製品をつくるには、ヘラ棒を操る卓越した技術もさることながら、匠の技を受け止めることができる金型が必要だ。ヘラ絞り…

【ひと】熊本精研工業企画開発部部長・越智 英二さん(59) カメラによる機上測定機を開発した

カメラによる機上測定機を開発した 放電加工した金型部品をチャッキングしたままカメラで捕らえ、タブレットに映し出す。原点や輪郭をズームアップ。十字線を合わせ、その位置を加工機の座標で捉える。加工部を複数ヶ所測ることで、ピッ…

倉敷機械 1台で複数加工がこなせる機械、金型加工の効率化を実現

工作機械メーカーの倉敷機械は、金型加工の効率化を実現する機械の提案を強化している。 今年1月には5軸マシニングセンタ(MC)に横中ぐり機能を搭載した「KTR‐1200」を発売。この新型は中ぐり主軸を繰り出すことで、特殊工…

ものレボ 生産工程など見える化[金型応援隊]

中小製造業ではフレキシブルな対応や生産性向上を図るためのデジタル化が喫緊の課題だ。 2016年創業した『ものレボ』は現場の工程管理、在庫管理、受発注管理、分析などの見える化を図るDXアプリ『ものレボ』を開発し、従来ホワイ…

横田悦二郎氏

【プレス型特集】強みを維持し続けるには…
日本金型工業会 学術顧問 横田 悦二郎氏に聞く
プレス金型の強みと未来

ゼロベースで知恵絞る 得意な分野で連携を 顧客の生産技術をサポート  日本金型工業会の学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は、日本のプレス金型の強みを「他の型種に比べ、技術の蓄積が生かせる部分が大きい」と…

トピックス

関連サイト