5万個の部品生産可能に 製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷…
木村有貴さん 金属3D造形の困りごとを解決する【ひと】

金属3Dプリンタで造形した金型部品のトラブルを分析・解決する「診断士」のような業務を担当する。珍しいトラブルほどテンションが上がるそうで、「難しい問題を解明できた時の達成感が何よりも気持ちがいい」。
大学では金属材料を研究。材料を追求するだけでなく、学んだ知見を活かし、製品が造りたいと自動車業界を選んだ。研究開発部門を志望したが、配属先は現場に近い大府工場。
決まった時「トイレでこっそり泣いた」くらいショックだった。「当初は作業服を着ることや、ヘルメットをかぶることにも抵抗があった」と笑う。
そんな彼女の個性やキャリアを見て、上司の佐藤良輔室長は「工場の常識を変えるには彼女のようなタイプが必要。従来と違う育成がいい」とすぐに金属3Dプリンタの担当に。2年目に社内技報を書かせるなど「あり得ない経験をしてもらった」と苦笑いする。
入社4年目だが、今や担当する問題解決は金属3Dプリンタにとどまらない。同社で使ったキャビティは全て彼女の元に集まるようになっており、彼女の許可なしで廃棄もできない。自ら部品の問題点を発見し、分析・解決するためだ。今後も「プリンタと金型で得た知見を融合させ、金型の不具合のメカニズムをもっと解明したい」と、達成感を得るためのネタは尽きない。
金型新聞 2022年11月10日
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