金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

03

新聞購読のお申込み

〜特集〜 金型づくりをスマート化する

生産現場を訪ねて
三豊機工 鹿児島工場(南九州)

 5台のAIV(Autonomous  Intelligent  Vehicle)が10棟の工場を跨いで縦横無尽に運行する金型工場。冷間圧造用金型を材料から製品まで一貫生産する三豊機工(本社・愛知県春日井市)の鹿児島工場(鹿児島県南九州市川辺町)だ。

AIVで搬送を自動化
1日24時間を有効活用

 三豊機工は、月間24000〜25000点という少量多品種製造の典型である冷間圧造用金型を独自のシステムで自動化する。舟橋佳孝社長は「人の労働時間(8時間)以外の16時間を有効に活用して如何に生産効率を上げるかが重要」とし、AIVの他にATC、AWCはもちろんロボットの導入も増やしている。段取り替え頻度の低い加工機にもロボットを搭載する工程もある。

 AIVは、1年前に2台を導入し、早々に3台追加を決め、今年6月に稼働を始めた。次工程へのワーク搬送を人から代替することが主体で、3台の定期便と2台の呼出便で構成。運行はWi‐Fiで制御しており、人や障害物があれば自動的に回避しながら運搬する。充電は1日1回。隣棟へ移るときの扉の開閉も通信制御により自動。人がモノを運搬する時間を極力削減することで、人は持ち場での仕事に専念できる。

 同社では、形彫り放電加工機にATCやAWC、円筒研削盤のワークチェンジにミニ多関節ロボットを活用。8台ある高精度MCのうち、2台には60個のワークを搭載できるパレットチェンジャ—をセットし、夜間および休日の稼働を可能にしている。精度を確保するため、光学ラインセンサ方式の工具測定器を搭載し、高精度追求も欠かさない。万一異常が発生した場合は機械をストップさせると同時に、担当者の携帯電話にアラーム発信して知らせる。

 そして今年3月、放電加工機2台とワーク・電極ストッカーとロボット1台を組み合わせた自動化セルを構築した。ソフトは放電加工機メーカーが独自にプログラミング。ワークパレットを増設する場合はロボットをレール移動させることができるように拡張性を持たせた。ワークストッカーにはワーク20個と電極90個を収納し、24時間365日稼働を目指す。

 一方、生産管理は、加工曜日別の棚や納期別に色分けをした図面など、目で見る管理を徹底。完成品には製造ロットをレーザー刻印し、全数に検査票を添付している。「高品質、正確な納期、適正価格を維持する」(舟橋社長)ために、自動化は難しいと言われる多品種少量生産の金型づくりにおいて、約500台と人の最適な組み合わせを模索しながらスマート化追求の手を緩めない。

金型しんぶん 2019年8月10日

関連記事

座談会 アイキャッチ

【座談会】金型メーカー・自動車メーカーが語る
次世代自動車の登場で金型づくりはどう変わるのか
ー2030年の金型業界ー 第1部

アルミ、樹脂など軽量化の流れ加速  次世代型自動車の登場が金型業界に及ぼす影響を懸念する声は少なくない。「電気自動車(EV)でエンジンはどれほど減るのか」、「アルミや樹脂は増えるのか」などの疑問は尽きない。そこで本年の新…

【金型テクノラボ】オートフォームジャパン ロバスト性の高いシミュレーション技術

製品の開発サイクルが短くなる中、シミュレーション技術に注目が集まっている。不具合を事前に予測でき、部品や金型の短納期化やコスト削減を実現できるからだ。中でも、量産時のパラメータ変動を考慮したシミュレーション手法であるRE…

短時間でプレス解析 南工【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

トライ後の改修減らし生産性アップ 自動車の骨格部品などのプレス金型を手掛ける南工は昨年、解析速度の速いプレスシミュレーションソフトを導入した。短期間で高精度の塑性変形予測を割り出し、設計品質を高め、トライ後の改修時間も短…

IoT金型でサブスク型ビジネスモデルを構築 IBUKI【特集:利益を生むDX】

DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。 IoT×特許で価値創造 繁閑の波が激しい中で、いかに…

高硬度綱の高能率加工
オーエスジー

Aブランド高硬度鋼用超硬ボールエンドミルシリーズ 現場の課題  金型加工で特に増えている高硬度材の加工を高効率化したい。 提案・効果  Aブランド新製品の高硬度鋼用超硬ボールエンドミル高能率型4刃「AE-BM-H」と高精…

トピックス

関連サイト