牧野フライス製作所は今年4月、6年ぶりに社長交代を発表した。6月に新社長に就いた宮崎正太郎氏は、就任後わずか3か月で増産体制の強化や開発テーマの絞り込みなどを相次いで発表。さらに、顧客の課題を聞くための部署を新設するなど…
【ひと】誠武製造部・伊澤高雄さん(44)
天職の金型磨きでコンテストを優勝した
誠武 製造部
伊澤 高雄 さん

伊澤 高雄 さん
与えられた時間は3分。その限られた時間の中で、金属を磨き、表面の精密さを競う。鏡のように輝く仕上がりにするには卓越した技能とノウハウが要る。
昨年、インターモールド2019のジーベックテクノロジーのブースで開かれた金型磨きコンテスト。表面粗さ57μmに仕上げ、参加者の頂点に立った。
「これまでの人生でコンテストや大会で優勝したことが無かった。積み重ねてきた努力がこうした形で実を結び、心から嬉しい」。
もともとホテルマンを目指していたが、専門学校に通ううち将来性に不安を感じた。試作品や金型を手掛ける誠武は就職情報誌で見つけた。面接を受けたことに確たる理由は無かった。新たな道を探していた偶然の出会いだった。
ところが金型づくりは水があった。切削加工を担当し日々、マシニングセンタと向き合い、課題に挑む。その中で、「自分には一つのことに集中し作り上げる仕事が肌に合っていると感じた」。
数年前から金型磨きを担当。「磨きの魅力は複雑な形状を磨いたときの達成感とお客様に喜んで頂いたときの満足感。これは何にも代えがたい」。
金型磨きを天職と感じている。「これからもお客様のために、妥協することなく腕を磨き続けていきたい」。
金型新聞 2020年11月10日
関連記事
今年4月、冷間鍛造金型メーカーのニチダイは伊藤直紀氏が新社長に就任し、新たな体制で臨む。昨年、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響で金型受注が低迷したが、足元の景気は回復傾向にあり、事業の成長に向けて動き始めた。そこで…
「六角パンチやピンの研削加工では多少寸法のズレが発生するため、補正するのが常ですが、狙い通りに寸法がハマッた瞬間はヨシッとガッツポーズします」と笑顔を見せるのは堀江亜衣奈さん(22)。精密鍛造金型や部品を手掛ける阪村エン…
キヤノンモールドが発足したのが2007年。前身のイガリモールドとキヤノンの金型部門で伝承されてきた技能や最新技術など互いの得意分野の融合を図ってきた。「新しい価値を生み出す金型メーカーを目指したい」と語る、昨年4月に同…
EV金型を高精度加工、自動化提案や技術向上に力 安田工業はこのほど、立形5軸マシニングセンタ(MC)の新機種「YBM Vi50」を発表した。立形5軸MCの中型機で、EV(電気自動車)部品の金型を高精度、高能率に加工できる…