金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

21

新聞購読のお申込み

【ひと】誠武製造部・伊澤高雄さん(44)

天職の金型磨きでコンテストを優勝した

誠武 製造部
伊澤  高雄 さん

 与えられた時間は3分。その限られた時間の中で、金属を磨き、表面の精密さを競う。鏡のように輝く仕上がりにするには卓越した技能とノウハウが要る。

 昨年、インターモールド2019のジーベックテクノロジーのブースで開かれた金型磨きコンテスト。表面粗さ57μmに仕上げ、参加者の頂点に立った。

 「これまでの人生でコンテストや大会で優勝したことが無かった。積み重ねてきた努力がこうした形で実を結び、心から嬉しい」。

 もともとホテルマンを目指していたが、専門学校に通ううち将来性に不安を感じた。試作品や金型を手掛ける誠武は就職情報誌で見つけた。面接を受けたことに確たる理由は無かった。新たな道を探していた偶然の出会いだった。

 ところが金型づくりは水があった。切削加工を担当し日々、マシニングセンタと向き合い、課題に挑む。その中で、「自分には一つのことに集中し作り上げる仕事が肌に合っていると感じた」。

 数年前から金型磨きを担当。「磨きの魅力は複雑な形状を磨いたときの達成感とお客様に喜んで頂いたときの満足感。これは何にも代えがたい」。

 金型磨きを天職と感じている。「これからもお客様のために、妥協することなく腕を磨き続けていきたい」。

金型新聞 2020年11月10日

関連記事

成形不良を出さない生産システムの確立
岐阜大学 王志剛副学長に聞く、スマート金型開発の行方

 岐阜大学が2018年に3カ年の研究開発である「スマート金型開発拠点事業」を始めた。労働人口減少時代を想定し、従来にはない高効率な生産システムの確立を目指し、金型を使った量産システムの不良率ゼロを目標に掲げる。同事業は文…

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –メキシコ–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…

鋳造に独自の新工法
マツダ

特集 次世代車で変わる駆動部品の金型鋳造に独自の新工法  次世代自動車の技術は電動化に限らない。注目されるのがエンジンの進化だ。燃費性能を追求する新型エンジン「スカイアクティブ」。多くの自動車メーカーが電動化に力を入れる…

木村有貴さん 金属3D造形の困りごとを解決する【ひと】

金属3Dプリンタで造形した金型部品のトラブルを分析・解決する「診断士」のような業務を担当する。珍しいトラブルほどテンションが上がるそうで、「難しい問題を解明できた時の達成感が何よりも気持ちがいい」。 大学では金属材料を研…

高精度、省人化ニーズが高まる国内市場で注力すること 田代勝氏(三菱電機 産業メカトロニクス事業部長)【この人に聞く】

三菱電機は50年以上に渡って、高精度、高性能な放電加工機を開発し、付加価値の高い金型づくりに貢献してきた。近年では省人化ニーズへの対応に注力する他、金属3Dプリンタを開発するなど技術領域を広げている。同社は今後、金型業界…

トピックス

AD

FARO 樹脂成型品や自動車シートの測定での3次元測定アームの活用と新製品Qua...

樹脂成型品の工程管理・不具合解析 樹脂成型品の工程管理や不具合解析の現場では、実際の製品や試作品と設計図との差異把握や、製品や金型の工程ごとの変化量把握、不具合解析や要因分... 続きを読む

関連サイト