金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

21

新聞購読のお申込み

【鳥瞰蟻瞰】枚岡合金工具代表取締役社長・古芝義福氏 「3S活動のカギはぶれない姿勢とビジョン」

事業継続のために始めた3S
人を変え、行動体質に
カギはブレない姿勢とビジョン

 当社は冷間鍛造金型や文書・図面管理ソフト『デジタルドルフィンズ』、教育事業を手掛け、従業員数は23名です。社内のフリーアドレス化、リモートワーク、おしゃれ食堂など変化し続けていますが、根底には20数年前に始めた整理・整頓・清掃の3S活動があります。

 1999年の当社は役員含め9名、平均年齢57歳の町工場でした。私の入社が85年で、その間21名採用しましたが誰も残らず、このままいけば廃業の危機です。そこで外部セミナーを受講し、京都のある工場で出会ったのが3S活動でした。まるでテーマパークのようなキレイな工場で社員さんも生き生き働く姿に衝撃を受け、「こんな工場にしたい」そう思い、3S活動を始めたのですが、そこからが棘の道でした。

 工具や軍手が散らかる工場で、「とにかく掃除しよう」と私や兄(現会長)が率先して始めると、中堅・ベテラン職人さんから反発が起きました。「仕事があるから旋盤回した方がいい」と。職人さんは全員私より年上で、3S活動を理解してもらえず、社内も賛成派、中間派、反対派に分かれ、押し問答の繰り返しです。私も心に言い続けました。「結果を出すしかない」と。でも、1年後業績が下がり、反対派の職人さんと掴み合いの喧嘩まで発展。私も「こんな会社に自分の人生をかけたくない」と本当に心が折れかけた瞬間でした。

 そんな時、大手メーカーから当社の3S活動を聞いて見学依頼が来ました。それまで外部との接点が少なかった職人さんも褒めてもらったのが嬉しかった。それが分岐点。もう1つは当時製造だった若手が中々育たず、自分の意見も話さない。みんながあきらめかけた時「それなら3S活動ばかりさせよう」と実践すると、不思議なことに仕事に対し興味を持ち始め、自分の意見を話すのを見て、3S活動は人を変えると感じました。

 3S活動の目的は安全・快適・効率的です。仕事は人生の1/3の時間を占めるわけですから、工場が安全かつ快適で、効率的に仕事をすれば、良いモノができます。でも、当たり前のことを当たり前に継続することほど難しいものはありません。続けるには経営者のブレない軸・姿勢が必要です。当社の軸は『働く人が幸せになること』。これが枚岡合金の源です。私も3S活動で変わりました。始めた当初は私のコミュニケーション不足で、危機感を煽る言葉を多く掛けていましたが、それだと人は動きません。啓蒙活動はプラス言葉で「5年後にこうなる」ビジョンを示さないと人は動かない。結果的に当初反対していた職人さんも辞めずに続けてもらえました。3S活動は実行すると、すぐ効果が出て行動体質になります。コツは小さなエリアを集中的に清掃していく。気づくと汚れた場所が目立ち、もっと清掃したくなります。90点や100点を目指す人もいますが、まずは35点主義の加点方式でやってみる。それが行動に移す1つのきっかけになります。

金型新聞 2021年5月14日

関連記事

アルファミラージュ 低価格内視鏡を金型分野に拡販【金型応援隊】

比重計の製作やスチームクリーナーなど各種機器・器材の販売を手掛けるアルファーミラージュ(大阪市都島区、06-6924-2631)はこのたび低価格工業用内視鏡「MRA‐28W」と「MRT‐40TH」の販売を開始した。 「M…

―スペシャリスト―ファム<br>±2ミクロンの要望に応える

―スペシャリスト―ファム
±2ミクロンの要望に応える

測定ゲージで未来拓く 高級自転車部品や自動車部品などの加工品質を検査するためのゲージを手掛ける会社がある。創業29年のファム。精密金型部品で培ったノウハウを生かし、ゲージも製作。超精密なゲージを安定して作れる技術力で、メ…

【この人に聞く】日本金型工業会 西部支部長・山中 雅仁氏「ビジネスの種見つける場」

2月17日、ホテルニューオータニ大阪(大阪市中央区)で、2年ぶりに金型シンポジウムが開催される。「新たな社会環境・新たなステージ・新たな価値を創造 関西からの発信」をテーマに、自動車部品メーカーによる基調講演や、金型メー…

【インタビュー】ミスミグループ本社 常務執行役員 ID企業体社長・吉田 光伸氏「ものづくりのDXを加速」

ミスミグループ本社(東京都文京区、03- 5805-7050)はこのほど、オンライン機械部品調達サービス「meviy(メビィー)」の新機能をトヨタ自動車と共同で開発した。3DCAD上で設定した部品の穴情報を「meviy」…

金型磨きロボット開発<br>近畿大学・理工学部 原田 孝教授

金型磨きロボット開発
近畿大学・理工学部 原田 孝教授

パラレルで力制御、高速・高精度  金型を自動で磨くロボットはかねてから望まれ、機械メーカーや研究機関が開発に挑んできた。近畿大学理工学部の原田孝教授もそのひとり。昨年、パラレルリンクやDDモータにより微妙な力加減を緻密に…

トピックス

関連サイト