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MECT2021総集編 金型づくりを変える新たな技術が登場
・デジタルや撮像活かす
今年最大規模の工作機械展示会「メカトロテックジャパン2021」(MECT2021)が10月20~23日、ポートメッセなごやで開かれた。熟練技能を補完する工作機械や微細精密な加工ができる工具など、金型づくりを革新する新たな技術が登場した。
AIや5軸活用が進化 〜自動化・効率化〜
複数の工程1本で加工
人手不足や労働生産性の向上—。MECT2021で目立ったのは、そんな金型生産現場の課題解決につながる「自動化」や「効率化」の技術だ。
安田工業が提案したのは立型5軸MC「YBM Vi40」と機上測定による工数の削減。YBM Vi40は高い剛性、運動能力、温度制御システムなどを備える5軸のハイエンド機。この性能を生かして金型を高精度に加工。機上で品質を計測し追い込み加工。加工精度が高いため追い込み加工は最小限。段取りや加工時間を削減できる。
独自のAI技術「Maisart」を搭載した形彫放電加工機「SG28」を出展したのは三菱電機。AIが加工状態をリアルタイムで最適制御。小物から大物ワークの加工を効率化し金型の生産性向上に貢献する。
MOLDINOは立壁の加工と底面の仕上げができる8枚刃エンドミル「ER(S)8WB」を出品した。独自のコーナRにより高品位な底面の加工ができる。再加工や修正工数を低減し、加工時間を大幅に短縮する。オーエスジーも立壁対応型の超硬防振型エンドミル「AE‐VMFE」をシリーズ追加した。
デジタルや撮像活かし 〜熟練技能を補完・微細加工〜
鏡面の微細加工工具
現場では熟練技能者が減少。また金型は精密化が進む。自動化の一方で注目を集めたのが「熟練技能を補完する」技術や「微細加工」技術だ。
アマダマシナリーが出品したのはデジタルプロジェクターを搭載したプロファイル研削盤「DPG‐150」。独自の撮像技術を活用したデジタルプロジェクターを搭載したほか、最大400倍のルーペを採用。ワークと砥石を確認しやすく、熟練度の低い技術者も高精度な加工ができる。
高速回転中の工具の長さや径を測定できる非接触測定器「ダイナゼロビジョン」を展示したのは大昭和精機。ストロボ効果を応用し高速回転中の工具を疑似的にスローモーション撮影。回転角度1度ごとに測定し、回転工具の動的振れやR輪郭形状などを正確に測定できる。ダイナゼロチャックと組み合わせて動的振れ調整ができる。
京セラは同社初の微細加工用ソリッドボールエンドミル「2KMB」を初披露した。独自のコーティング「MEGACOAT HARD EX」で長寿命化。光沢のある微細鏡面の仕上げ面を実現し、後工程の作業時間も短縮できる。
金型新聞 2021年11月10日
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