キヤノン製品の基幹部品の樹脂金型を手掛けるキヤノンモールドの阿見事業所(茨城県阿見町、029・889・1110)。年間約180型の生産能力を持ち、類似形状の金型が多いことから、様々な工程で自動化を進めてきた。その取り組み…
不二精機 鈴鹿に成形工場
EV部品を研究開発
不二精機(大阪市中央区、06-7166-6820)は、三重県鈴鹿市に成形工場を新設する。自動車部品を手掛けるティア1と協業し、電気自動車(EV)向け部品を研究開発する。2022年4月にも開設する。
新工場は鈴鹿市の御薗工業団地の空き工場を取得して改修し、射出成形機3台を導入した。総投資額は約3億数千万円。勤務する技術者は国内の他の拠点から異動、また経験や技能を持つ人材を新たに採用する。
ここで開発するのはEV向けの精密部品。不二精機が持つハイサイクル、多数個取りの金型やそれによる成形技術と、子会社・秋元精機工業(2019年グループ化)の精密プレスやインサート成形の技術を融合し、ティア1との協業で開発に取り組む。
不二精機は売上高(2020年12月期連結:59億1200万円)の約60%が成形事業で、その約80%が自動車業界向け。世界的な環境保全を背景にEVシフトが加速する中、新たな部品を開発し、拡大する需要を開拓する考え。
また新工場ではEV向け部品開発の一方で、成形品の量産や、品質検査の自動化など成形事業の効率化や品質向上につながる技術開発にも取り組む。ここで開発した技術はタイやインドネシア、中国など海外工場にも展開する。
国内の成形工場はこれが初めて。不二精機はこの新工場を、EV向け部品の研究と成形品量産の新たな技術開発のマザー工場と位置付ける。
不二精機は2022年秋頃をめどに、高知県宿毛市にも工場を新設する。金型図面を設計するほか金型部品を内製し、外部委託の影響を受けにくい体制を整える。
少子化などを理由に主力の松山工場(愛媛県東温市)でも人材を採用しにくくなりつつあり、隣県に拠点を開設し、人材の確保にもつなげる。
金型新聞 2022年2月10日
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