自動化や離型の新技術 センサや工具の自社製品も 金型展では金型メーカーの独自技術を披露する場となっている。今回は特に自動化や離型性向上につながる提案が多く見られた。また、自社製品の開発や量産も含めた一貫生産体制で新たな…
インターモールド2022大阪総集編 -AM-
拡がる金型での金属3Dプリンタ
部品造形や金型補修
技術的に難しいとされてきた金属3Dプリンが金型づくりでも徐々に広がりつつある。今回のインターモールドでは、金属3Dプリンタで広く使SKD61相当材の粉末材料が登場。ダイカスト型の部品製作での採用も広がる。ワイヤ材をレーザーで溶融するワイヤ方式の金属3Dプリンタの新機種も発表され、金型補修での活用方法などが披露された。
SKD61相当材
AM専用の粉末材料「SVM」(Sodick Versatile Steel For Mold)を発表したのはソディック。SKD61相当材で、ダイカスト金型の部品造形などでの活用を提案した。
レーザーで積層するタイプの金属3Dプリンタ「LPMシリーズ」(写真①)とセットで活用する。LPMシリーズは、定期的に応力を開放し、歪みを抑制する独自の「SRT工法」を採用。この方式でSVMを使うことで、200㎜角を超の大型ワークでも反りを抑制した造形ができる(写真②)。
ダイカスト金型に適用も
耐ヒートチェックと耐溶損性では、SKD61よりも改善し、熱伝導性では同等を確保。熱処理すれば、HRC42~52まで調整でき、ダイカスト型以外にも樹脂型での採用も可能だ。また、導入のハードルとなっていた材料価格も現時点では1㎏当り1万円と大幅に安価に設定した。
金属粉末やワイヤ材活用など造形方法も多様に
三菱電機は今年発売したばかりの金属3Dプリンタ「AZ600」(写真④)を披露した。ワイヤ材をレーザー光の入熱制御で溶融するワイヤ方式を採用した。既存のパウダー方式に比べ、造形速度が速いのが特長で、約1.5~2.0 倍の速度で造形できる。また、ワイヤ材を活用するため、粉末タイプで課題の一つされる粉じん被害がないため、作業者の健康リスクが少なく、安全に使用することが可能だ。
母材に造形していく用途が主で、金型では補修での用途を見込む。今回のインターモールドでは、欠けや摩耗の補修サンプル(写真③)を展示していた。異種金属の接合などにも活用できる。
対応材種は、SUS、チタン、ハステロイ、マルエージング鋼、SKD 相当材、インコネルなどで、その他の材種についても順次開発していくという。 幅広く活用するという段階ではないが、着実に金型づくりに金属3Dプリンタは浸透し始めている。
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