金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

28

新聞購読のお申込み

関連異業種5社で連携し、ダイカスト金型部品を金属3Dで造形

5社が連携して製作した金型

ダイカストメ—カーのエーケーダイカスト工業所(埼玉県比企郡)、樹脂型メーカーのエービー(川崎市高津区)ら5社が連携し、ダイカスト金型向けの入れ子や部品を製作した。3Dプリンタによる冷却水管の造形だけでなく、離型剤を通すための機構部品を製作するなど、複数の機能を盛り込んだ金型を製作。成形面の安定や生産性の向上につながったという。今後も各社の強みを持ち寄り、金属3Dプリンタによる入れ子や部品への適用領域の拡大を図る。

協業したの2社のほか、離型剤メーカーの日米(埼玉県八潮市)、金型部品メーカーのチャンオンコーポレーション(大阪府東大阪市)、金属3Dプリンタ関連のコンサルティングを手掛ける内野々良幸氏の3社。

5社の知見を活かし、2か所に金属3Dプリンタによる部品を採用した金型を製作(写真)。一つは冷却ダイスリーブ。切削加工したSKD61のベースに大同特殊鋼のSKD61粉末材「HTC」で造形した。従来は冷却効果が得られずアルミの溶着が発生していたが、改善したという。

もう一つは、離型剤を金型内部から塗布するための部品。こちらも大同特殊鋼のSKD61粉末材「LTX」で造形した。外部からの塗布だと離型剤が届かない箇所が発生していたが、金型内部から離型剤を吐出できるようにしたことで、冷却と離型性を高めた。

こうした結果「これまでの部品で課題だったガジリがなくなり、不良率は下がった。価格面は検証が必要だが、ダイカスターの立場から見れば利点が十分に吸収できている」(エーケーダイカスト工業所の河田潤次長)。

今回の取り組みが特徴的なのは異業種5社が知見を持ち寄ったこと。部品や入れ子はプリンタの造形を手掛けるエービーが担当。松浦機械製作所のプリンタ「LUMEX」を使って造形した。造形に関する知見などは内野々氏が提供した。

成形や全体のとりまとめはエーケーダイカストと担当。離型剤の吐出方法やそれに関する構造は日米がカバーした。チャンピオンコーポレーションがニーズの収集と造形後の加工を担当した。

今後は金属3Dプリンタで造形した冷却ダイスリーブなどの標準部品はチャンピオンコーポレーションが販売するほか、5社共同で適用領域の拡大を図る。コーディネートした内野々氏は「3Dプリンタによる金型を広げるためには、成形を熟知したメーカーを中心とした体制を構築することが重要」としている。

金型新聞 2023年8月10日

関連記事

鈴木 グリーンボンドに投資 持続可能な社会に貢献

鈴木(長野県須坂市)はこのほど、長野県が発行するグリーンボンドに投資したと発表した。投資額は明らかにしていないが、社内での省エネへの取り組みだけでなく、投資を通じ環境負荷低減に貢献する。 グリーンボンドは地方自治体らが、…

日本精機、ベトナムに工場新設

大型のダイカスト金型増産 ダイカスト金型メーカーの日本精機(名古屋市守山区、052・736・0611)はベトナム・ハノイ市近郊に金型工場を新設する。型締め力で2500tクラスのダイカスト金型を製造する計画で、2026年末…

共立精機 海外で先行してギガに挑む【特集:ギガキャストの現在地】

設計・解析ノウハウ中国で蓄積 ギガキャストで先行する中国でギガ向け金型を製作し、そのノウハウをベースに国内でのギガ関連の需要開拓を狙うのが共立精機だ。構想段階からの設計相談や解析などの技術サポートを提供する一方、国内では…

【金型応援隊】植田機械 オンリーワンのヒントに出会う場に

オンリーワンのヒントに出会う場に  「来場者が未来を切り拓く技術に出会える場にしたい」と話すのは、金型設備総合商社・植田機械の植田修平社長。来年1月28~29日にインテックス大阪で開催する工作機械総合展示会「UMモールド…

三恵技研工業 増肉加工、超ハイテン冷間プレス【特集:プレス加工の未来】

自動車用マフラーやボディ部品などを手掛ける三恵技研工業(東京都北区、03・3902・8200)は近年、プレス加工の技術開発に力を入れる。主要顧客である自動車産業でEV化や現地生産化が進み、事業環境が大きく変化する中、増肉…

トピックス

関連サイト