金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

10

新聞購読のお申込み

IPFJapan2023総集編

樹脂やゴムに関する技術が一堂に集まる「IPF Japan2023(国際プラスチックフェア)」が、11月28日~12月2日、千葉市の幕張メッセで開催され、38,436人が来場した。会場では、成形機や金型、関連機器メーカーなどが最新製品や新技術を披露した。

会場の様子

環境に優しい材料、省エネ、技能レス

今回目立ったのが、環境負荷軽減を意識した展示だ。ソディックは、電動射出成形機「MS50G2」を展示した。予備乾燥レスによる消費電力削減や、ベントアップをAIで抑制する「AIVENT」機能を搭載。システム全体で30%の電力消費量削減を可能にした。

日精樹脂工業は100%PLA(ポリ乳酸)材料と木粉コンポジット材料を用いたシャンパングラスを紹介。グラス部はバイオマスによる透明度の高い樹脂と、スタンド部には自社開発した木粉コンポジットを採用した。

AIVENT機能搭載の電動射出成形機「MS50G2」(ソディック)
100%PLA(ポリ乳酸)材料と木粉コンポジット材料を用いたシャンパングラス(日精樹脂工業)

デジタル技術やAIなどを活用した展示も注目を集めた。日本製鋼所は成形不良に対し、AIが成形条件を修正するシステム「AI Molding Navigator」を披露した。成形技能士でなくても、同システムが提案した成形条件を成形機に入力すれば、不良対策ができる。

住友重機機工業は、生産品質管理システム「i-Connect」を紹介した。サプライチェーン間におけるデータ共有プラットフォーム「カテナX」に業界で始めて対応。同規格に準拠した形式でデータを出力することができるようになった。

生産性大きく向上する金型や実演も

金型や、周辺機器に関する展示も随所で見られた。三恵金型工業は、「ランナーレス4段多段式射出成形金型」を展示した。1型で4倍の取数を実現することで、生産性を大幅に向上する。北日本金型工業は、会津のものづくりチーム「Aid_U」で製作した櫛「あいくし」を紹介した。

プラモール精工は、ガス抜きピン「ガスト―ス」を展示。松井製作所の金型吸引装置「MAG」と「ガスト―ス」を組み合わせ、ペットボトル内の空気を吸引する実演も披露した。

ランナーレス4段多段式射出成形金型(三恵金型工業)

金型新聞WEB限定

関連記事

大阪でインターモールド2022が開幕

金型加工の最新技術が競演 243社・団体が出展 金型加工技術の専門展示会「インターモールド2022」(主催:日本金型工業会、運営:インターモールド振興会)が4月20~23日までの4日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)…

IPF Japan2023 出展募集を開始 2023年4月5日まで

国際プラスチックフェア協議会は2023年11月28日から12月2日まで、幕張メッセで開かれる「国際プラスチックフェア2023(IPFJapan2023)」の出展募集を開始した。 同展は3年に一度開かれるプラスチックとゴム…

TCTJapan2021 閉幕、セミナーアーカイブ配信

金属造形機の最新機もウェブで  最新の3Dプリンティングやアディティブマニファクチャリング(AM)関連技術が一堂に介する「TCT Japan2021」(主催JTBコミュニケーションデザイン/Rapid News Publ…

インターモールド2022総集編 -金型展-

インターモールド2022総集編 -金型展-

多様な成形品、技術を披露 エンドミルの製造工法やモーター関連の成形品も 金型展2022では、最新技術を駆使して作った金型や成形品が披露された。現在のトレンドとなっている持続可能な社会や電気自動車に関連する成形品など、様々…

インターモールド2022総集編 -カーボンニュートラル-

CO2削減の技術や提案 機械、表面処理メーカーが展示 地球温暖化を阻止する動きが世界中の国や企業で広がる中、金型業界でも温暖化ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」や「脱炭素」への関心が高まっている。インター…

関連サイト