金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

17

新聞購読のお申込み

共立精機(大連) ギガキャストで進む大型化【特集:進む設備の大型化】

12000tの金型に対応

大型のダイカストマシンで、アルミ部品を一体鋳造する「ギガキャスト」。トヨタ自動車やリョービが参入を表明し、注目を集めている。ただ、国内でギガの量産金型を手掛けた企業はほとんどない。

三重県の共立精機(林裕社長)の中国子会社、共立精機(大連)はすでにギガ向けの量産金型の製作実績を持つ。「自動車や建築部品など6000t~12000tクラスの金型の製作ができる。入れ子だけの製作も多数の実績がある」(孟強董事長)。

ギガキャストに対応

そんな共立精機大連がギガに参入したのは2年前。2022年完成の二期工事の際に「中国でギガが増える」と判断し、10億円を投資した。

設備は当然大型化しいている。親子クレーン120/50tを設置。オークマの門型マシニングセンタや、牧野フライス製作所の2ヘッドの大型彫放電加工機を購入した。冷却の深穴が必要になることから、5軸のガンドリルマシンも導入した。

設備の大型化の一方、ギガで指摘される輸送の難しさも工夫を凝らした。現地の材料メーカーに工場に同居してもらい、材料から加工、熱処理、組立まで全サプライチェーンを同一工場内で構築。さらに、材料分析ができる研究機関の誘致も内定しており、品質向上につなげる考えだ。

競争激しく、 協業や開発強化

こうした体制強化を急ぐのは、競争が激しいためだ。孟董事長によると、中国でギガを手掛ける金型メーカーは現在、22社あるという。「来月はもっと増えている可能性もある」ほど競争は激しい。

このため、研究開発にも力を注ぐ。解析技術を活用し、軽量化や電動車の車体構造部品の金型づくりを進めている。さらに、各プロセスを可視化するための製造実行システム(MES)やAIの活用に加え、世界中のどこからでも金型づくりを確認できるような仕組みの構築を急いでいる。

同じ工場内に協力先も入居し、熱処理も可能

ギガの開発動向について、孟董事長は「安定した大型材料の調達が難しいため、分割型が主流だ」と話す。「10~14分割が多い。入れ子の重量は2~4tクラスで、大型化に加えて、入れ子の数も増えている」という。

ただ、これらはすべて中国の話で、日本は見極めの段階。林社長は「現時点で、共立精機(日本)でクレーンなどギガ向けの金型を作る設備を導入する予定はない。とはいえ、日系メーカーも開発を急いでいる。まずは中国でノウハウを蓄積し、今後に備えたい」とし、国内の動向に注視している。

会社概要

  • 本社:大連経済技術開発区大地街1号
  • 電話:0411・3926・8311
  • 代表者:史宏莹 総経理
  • 設立:1996年
  • 従業員:95人
  • 事業内容:ダイカスト金型の設計製作、補修。

金型新聞 2024年3月10日

関連記事

ムトウ 中国ベースを日本品質で提供

日本語対応など取引しやすく プラスチック金型メーカーのムトウ(東京都江戸川区、03-3656-8651)は、中国製の低価格なモールドベースを日本品質で提供する事業に乗り出す。加工は実績のある中国の協力先に依頼し、打ち合わ…

大同特殊鋼 工具鋼2~5%値上げ

9月契約分から 生産能力上回る需要 大同特殊鋼は9月契約分から、全ての工具鋼製品で2~5%の値上げを実施する。今年1月契約分からも値上げを実施したが、それに続く2回目となる。 スクラップの高騰が続いていることに加え、自動…

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】3.自動化

プログラム作成やワーク搬送 人手不足への対策だけでなく、品質向上の観点からも自動化ニーズは高まっており、それに対応する技術は進化している。また、プログラム作成やワークの搬送など自動化の領域が多様化している。 金型づくりで…

テイ・エステック 新潟にプレス金型の開発拠点を開設

部品の競争力強化図る 自動車部品メーカーのテイ・エステックはこのほど、新潟県三条市にプレス金型の製造と技術開発拠点を開設すると発表した。金型技術の進化を図ることで、コスト競争力の向上や、部品の競争力の強化につなげる。 約…

三井ハイテック 電子部品・モータコア好調 22年2-10月期

三井ハイテック(北九州市八幡西区、093-614-1111)の2022年2‐10月期業績は、売上高が前年同期比32.7%増の1309億2200万円、営業利益が同93.6%増の184億9700万円だった。リードフレームやモ…

関連サイト