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樋口製作所 プレス品の実現可能性を判断

プレス加工や金型などを手掛ける樋口製作所(岐阜県各務原市、058・383・1141)は熟練技能者の思考・考え方をAIに学習させ、3Dモデルをアップロードするとシステムが自動でプレス加工(塑性加工)可否を特徴形状別で判断する『Hawk AI』を開発。特徴形状別で加工可否(金型、幾何公差、量産時に成立するかどうか)を判断できるほか、標準書、計算ツール、検証方法も閲覧することも可能で、社内の技能伝承や学習、営業サポートツールとして応用を見込む。

技術学習や営業ツールにも活用

同システムは2021年に開発がスタートした。従来、若手技術者の育成はOJTが基本で、自身の設計した金型によるプレス製品の量産を通して学んでいくが、これでは成長に時間がかかる。石田清孝常務は「技能者はすぐに問題点の把握・改善できるが、若手は時間がかかってしまう。社内にノウハウがあるなら共有したいと若手の要望もあり、若手と技能者との溝を埋めるために開発へ踏み切った」と語る。

『Hawk AI』は、属人化していた熟練者の経験やノウハウを蓄積し、解析したい材質と3Dモデルを読み込むと、穴と穴間距離、曲げR、ボス高さ、曲げ角度、バーリング、ブランキングRなど特徴形状別でプレス加工できるかどうか判断する。例えば、抜き凹R、ブランキングRなど項目別で判断でき、解析結果から「0・15Rないとパンチが破損してしまう」など、加工限界の判断、具体的な要因や改善案も提示してくれる。

さらに、プレス加工は材質、角度、精度、計算式など複雑に絡み合うため、育成に時間を要するものだが、寸法差異(熟練者との違い)を若手に理解してもらえるように、標準書や計算ツール、検証方法など閲覧できるように設定。若手自らが行った製品実現性判断とHawk AIの解析結果を照合し、標準書などを閲覧しながら熟練者との違いを学ぶことができる。「デジタル上の短時間でPDCAを回すことが可能になり、教育期間を大幅に圧縮できる」と石田常務は期待感を示す。

同社は今後も「Hawk AI」の開発を進め、抜き、曲げほか、絞り、肉寄せ、増肉など徐々に領域を拡大させていく。「現在は同システムを活用した解析サービスの無料トライアルを始めた。様々な案件を頂き、日本のモノづくりに役立つツールに育てたい」と石田常務。昨今のモノづくり業界は人手不足で技能伝承が難しく、プレス加工に詳しくない製品設計者も増えてきた。「図面打ち合わせなど営業サポートツールとしても応用できると考えている。今は競争の時代から共創の時代に入った。当社ノウハウもオープンにし、業界全体の底上げに貢献したい」と石田常務はプレス業界の未来を見据える。

金型新聞 2024年10月10日

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